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脂質をたくさんとらないと快感を得られない…! ドクターが解説、「脂質中毒」をリセットする4つの方法

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脂質が多い食事

外食やインスタント食品、甘いお菓子など、現代的な食生活が引き寄せる“脂質中毒”。脂肪味に鈍感になり、さらに脂質を欲するようになっています。ここでは、脂質中毒をリセットする食事のポイントについてみていきましょう。岡部クリニック院長の岡部 正先生の著書『脂質中毒 脳は「脂」を欲するようにできている』からお伝えします。

監修 : 岡部 正

おかべ・ただし 岡部クリニック院長、医学博士。
慶應義塾大学医学部卒業。カナダ、カルガリー大学留学。亀田総合病院副院長を務めたのち、オーダーメイド医療を理想に、東京・銀座に岡部クリニックを設立。専門医として生活習慣病の予防と治療に長年たずさわる。日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員。各メディアで活躍中。

Contents 目次

まずは10日間チャレンジ!

玄米

脂質を連続して大量に食べ続けると味蕾(みらい)が鈍感になり、満足感を得るためにさらに脂質を食べ過ぎる―そんな悪循環に陥っている状態が脂質中毒です。まずは、脂肪味に鈍感になった味覚をリセットすることから始めてみましょう。

「人間の舌にある〝味蕾〞という細胞が脂肪味を感じています。じつは、味蕾の細胞は10日ほどで生まれ変わるといわれています。つまり10日だけ脂質を控えた生活を送れば、繊細な舌に生まれ変わるのです」(岡部先生)

10日間、脂質をゼロにする必要はなく、揚げ物料理を焼き料理や蒸し料理に変える、脂身の多い牛肉を避けて鶏むね肉や魚を食べるというようなことを実践してみましょう。

その際、玄米を一緒にとるといいそうです。

「脂質中毒では脳内報酬系が鈍感になり、脂質をたくさんとらないと快感を得られなくなっています。しかし、琉球大学の益崎教授のグループの研究では、玄米に含まれる『ガンマオリザノール』という成分が、脳内報酬系を回復させ、脂質の中毒症状を抑えてくれるということなのです」

朝と夕方に玄米を茶碗に1杯食べると効果的なので、試してみてください。

気をつけたい“隠れ脂質”

菓子パン

脂質中毒をリセットするには、どんなメニューを選べばいいのでしょうか。岡部先生によると「中華でも洋食でもなんでも脂質を管理できれば特に何でもよい」とのことですが、やはり和食がいちばん脂質を少なくできるとのことです。

そして特に注意したい食べ物としては、菓子パンが挙げられます。

「『お菓子を食べなくてもやせない』という患者さんのなかには、お昼などに菓子パンをよく食べる人がいます。種類にもよりますが、菓子パンは1つで500kcalを超えるもの、脂質が20gを超えるものはよく売られているので、日常的に食べると脂質中毒への道をひたひたと歩んでいくことになります。菓子パンは食事ではなく、脂質をたっぷり含んだお菓子だと思ってください」

目で見てわかる脂身は食べないように

肉

動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食べ物には、目で見てわからないものと、目で見てわからないものがあります。調理時に使われた(添加された)バター、洋菓子に含まれている乳脂肪やショートニングは、目に見えない脂質。とり除くことは難しいのですが、一方で牛肉や豚肉の脂身はとり除くことができます。

「買い物のときに、少しでも脂身が少ない肉を選べば、それだけで脂質の量を減らすことができます。外食の際にも、ステーキ、ソテー、とんかつなどなら、脂のかたまりはとり除くことができますよね。ほんの小さなことですが、この積み重ねが、脱脂質中毒につながっていくのです」

ちなみに「動物性脂肪=肉」ではなく、牛肉や豚肉の赤身や鶏肉は、主にたんぱく質で構成されています。「赤身肉はパサパサしておいしくない」と感じる時点で、すでに脂質中毒になっている危険性も考えられます。

調理器の工夫でガマンしない脂質オフを

ノンフライヤー

今やなくてはならない電子レンジですが、油料理を加熱するときは注意が必要です。

「電子レンジで油脂料理を温め直すのは危険です。電子レンジはマイクロ波で食材のなかから加熱をしますが、油脂料理は高熱を与えると、すぐに酸化してしまいます。酸化した脂質、酸化したコレステロールを食べると、体内で酸化悪玉(LDL)コレステロールが増加してしまいます」

同じように良質な脂が多い魚料理もレンジで温めるのをやめておいたほうがよいそう。

「魚の油は酸化しやすいという特徴があります。ほかにも、体によいとされている、えごま油、アマニ油なども、温めるとすぐに酸化してしまいます。体によい油だと思って食べていたのに、電子レンジで温め直すと悪い油に変わってしまうこともあるのです」

また調理器具や調理家電では、油を使わずに調理できるフライパンやノンフライヤー(ノンオイルフライヤー、エアフライヤー)をとり入れるのも脂質オフには有効です。

「最近人気のノンフライヤーはフライヤーのなかで熱風を発生させ、食材から出る油脂分を利用して揚げるので、脂質やカロリーを抑えながら揚げ物料理を楽しむことができます。同じ原理で、熱風を発生させて揚げ物ができ、なおかつ余分な油を適度に落としてくれるノンフライ対応のコンベクションオーブンもあります。油なしでもジューシー、サクサクに仕上がります」

便利な食生活は脂質中毒になりやすいともいえます。脂質味への依存度が高くなる前にこうした工夫でリセットしていきたいですね。

次回は脂質をため込まない生活習慣についてお伝えします。

参考書籍/

書影

『脂質中毒 脳は「脂」を欲するようにできている』(アスコム)

文/庄司真紀

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