にんじんは、茹でたり炒めたり、また天ぷらにするなどさまざまな調理法で食べられる野菜です。今回は、皮の有無による栄養の比較のほか、効率的に栄養を摂るための簡単レシピも紹介します。
Contents 目次
栄養は皮つきと皮なしでどう違う?
皮つきと皮なしの生のにんじんの栄養を比較しました(可食部100gあたり)。
生では皮つきのほうが、カリウム、カルシウム、β-カロテン、食物繊維の量が多いことがわかります。栄養を摂るには、皮つきで調理したほうが効率的だと考えられます。
では、茹でると栄養素はどう変わるでしょうか。
下は、皮つきで茹でたもの、皮なしで茹でたものを比較したグラフです。
皮つき、皮なしともにカリウム、葉酸は減ってしまいます。これらの栄養素は水溶性のため茹でると水に溶けだすためですが、皮つきのほうがカリウムの減少率が低いことがわかります。
一方、カルシウム、β‐カロテン、食物繊維は茹でると、変わらないか増え、これらの栄養素は生の場合とそん色なく摂れることがわかります。カルシウムは皮つきのほうの増減率が高くなっています。
調理時の皮つき、皮なしの使い分け
皮つきの場合
千切りにするか、ピーラーでむくように切って炒めもの、かき揚げ、サラダなど。
薄くすることで皮つきでも食べやすくなります。また、皮つきのほうに多く含まれているβ‐カロテンは油を使った料理でさらに吸収率がよくなります。
皮なしの場合
乱切り、拍子切りなどにして煮物などに。皮なしにすると味がしみ込みやすくなります。
皮つき、皮なしで食感も変わります。栄養素量などを考慮し、切り方も工夫してお好みの使い方を選んでください。
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葉と根の栄養は?
にんじんの葉と根の栄養を比較したのが下のグラフです(可食部100gあたり、根は皮つき)。β-カロテンは、葉に1,300μg、根に6,900μgと根のほうに多く含まれ、カリウム、カルシウム、葉酸は葉のほうに含まれます。
にんじんの葉は、葉酸73μgと豊富に含みます。葉つきのにんじんが手に入ったら、葉も余さず調理しましょう。
memo
にんじんには大きく分けて東洋種と西洋種があります。現在流通しているもののほとんどが西洋種で、主流は「五寸にんじん」。また、下記のように、色による栄養の違いがあります。
●赤色:東洋種の「金時にんじん」は濃く鮮やかな赤色が特徴。これは、トマトの赤色成分と同じリコピンに由来します。
●黄色:「金美にんじん」や「島にんじん」などの黄色のにんじんには、β−カロテンが豊富に含まれています。
●紫色、黒色:紫色の「紫にんじん」「パープルスティック」や黒色の「黒にんじん」は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを含みます。
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皮つき&簡単!きんぴらなど、にんじんだけレシピ
にんじんのきんぴら
自然な甘みと食感を楽しめる
材料(4人分)
・にんじん:中2本
・ごま油:適量
・酒:大さじ1
・醤油:大さじ1
・白ごま:適量
作り方
1.にんじんはよく洗い、皮をつけたまま千切りにする。
2.フライパンにごま油を入れて熱し、1を炒める。
3.少ししんなりしてきたら酒を加え、ふたをして2~3分蒸し煮にする。
4.仕上げに醤油を回し入れ、汁気が飛ぶまで炒りつける。
5.器に盛って白ごまをふる。
にんじんのペペロンチーノ
にんじんの甘さが引き立つ一品
材料(4人分)
・にんじん:2本
・しそ(大葉):8枚
・ニンニク:1片
・アンチョビフィレ:6枚
・オリーブオイル:適量
・こしょう:少々
・昆布茶:小さじ1
作り方
1.にんじんを皮ごとピーラーでむくように切り、大葉は千切り、ニンニクとアンチョビフィレはみじん切りにする。
2.フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくとアンチョビを入れて火をつける。オリーブオイルからニンニクの香りが立ったら、にんじんを入れて炒める。
3.にんじんがしんなりしたら、こしょう、昆布茶、しそ(半量)を入れる。
4.皿に盛りつけて、残りのしそをちらす。
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最後に
皮の有無によるにんじんの栄養の違いを知って、料理に役立ててください。