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900万人のデータから見るダイエッターに人気の高たんぱく食品は? 食事管理アプリ「あすけん」の管理栄養士×FYTTE編集部「ONたんぱく」座談会<1>
体づくりに欠かせないのはもちろん、健康的にやせるためにもたんぱく質は欠かせない栄養素。近年、さまざまな食品メーカーから、手軽にちょい足しできたり、すでに食品のなかにオンされていたりする高たんぱく食品が続々と登場しています。そこで、今回、食事アプリ「あすけん」の管理栄養士×FYTTE編集部員による「ONたんぱく」座談会を開催。900万人ものあすけんユーザーに人気の高たんぱく食品や編集部員の愛用・注目新商品などを交えながら、たんぱく質とのじょうずなつき合い方などを深堀りしました。2回に分けてお伝えします!
Contents 目次
【座談会メンバー】
・道江美貴子さん…株式会社asken取締役。管理栄養士として食事管理アプリ「あすけん」の開発にたずさわり、現在は事業統括責任者として活躍する。
・水谷…FYTTE編集部員。「あすけん」を愛用し、日々の食事や運動への意識を高くもつダイエッター。運動は毎日の習慣に。
・森下…FYTTE編集部員。食べ盛りの子どもも満足するボリューミーな食事とダイエッター的な食生活の両立を模索している。高校生、中学生、小学生の3児の母。
・大島…FYTTE編集部員。読者アンケートをもとに健康やダイエット、美容にうれしい商品ランキングを発表する「FYTTEダイエット&ヘルス大賞」を担当。
バラエティに富む高たんぱく食品。ダイエッターに人気の商品はこれ!
司会:たんぱく質食品の市場はどんどん拡大していて、健康やダイエット志向の人に人気です。FYTTEでは今年のヘルスケアトレンドのひとつとして「ONたんぱく」を掲げています。ダイエッターに人気の商品をリサーチしながら、とり入れ方のコツなどを探っていきたいと思います!
道江(以下敬称略):あすけんアプリの利用者は900万人に上り、20~30代の女性、男性は40代以上の利用者が多いのが特徴です。日常的に運動をとり入れながらダイエットしているユーザーが多いため、やはりプロテインドリンクでたんぱく質を補給している人が多いですね。加えて、いつもの食事にプラスできる納豆や卵、ヨーグルト、身近なコンビニで買える「サラダチキン」も根強い人気です。これまでは脂肪ゼロなど「脂質をとりたくない」というダイエッターの気持ちに沿った商品が好まれる傾向にありましたが、年々、高たんぱくをうたう食品がよく食べられている食品として上位にたくさん挙がってくるようになりました。
水谷:昔のプロテインドリンクは大きいサイズのみでしたが、今は200mlなどのコンパクトサイズが出てきて、しかも15gもたんぱく質がとれるのは魅力的です。ほかにも豆腐バーやプロテインバーのように手軽に食べられる商品が増えましたね。バータイプは持ち運びにも適しているので、ランニング時の補給食や山登りの行動食にしてもよさそうです。
森下:食べやすさといえば、魚肉ソーセージやちくわも手軽ですよね。わが家の子どもが大好きな高たんぱく食品です。なかでもスケソウダラのたんぱく質は、体へ利用される割合が卵と比較して同等以上の良質なたんぱく質といわれていて、ニッスイの「速筋タンパクソーセージ減塩MSC」や「速筋タンパクおさかなバー」などの速筋タンパクシリーズ(写真左側)は注目株。また、練りものは塩分が気になっていたのですが、最近は減塩商品も多く販売されていてうれしいです。
大島:あすけんユーザーに人気の商品のなかで、私が今回注目しているのは、高たんぱくヨーグルトの「オイコス」と「パルテノ」です。じつは今年のFYTTEダイエット&ヘルス大賞(以下FYTTE大賞)※の高たんぱくヨーグルト部門でも「オイコス」が1位、「パルテノ」が2位でした。身近な食材で10gのたんぱく質がとれるのはうれしいという読者も声もあり、機能性や腸活以外でも高たんぱくという部分に魅力を感じている人が多いなという印象を受けました。
※健康や美容、ダイエットに関⼼の⾼い読者1,000名によるアンケートから、「これは使ってよかった!」「これをぜひ試してみたい!」との声が⾼かったアイテムをランキング形式で発表。
水谷:わが家では食後に甘いものがほしくなったら、パルテノなどの高たんぱくヨーグルトにカロリーゼロの甘味料をかけて食べています。腹もちがよいので満足感が得られますよ!
摂取目安の基本は体重×1g! PFCバランスを意識してしっかり食べよう
道江: 運動していない人の場合のたんぱく質摂取量は「体重×1g」というのが基本の考え方にあり、体重50kgの女性だったら1日に50gのたんぱく質量が目安です。ちなみに、厚生労働省の栄養摂取基準では、成人女性の場合、1日50g以上の たんぱく質の摂取が好ましいとされています。ダイエットをしている人のなかには、摂取カロリーを減らせばやせられると考えている人もいますが、カロリーを知って、その内訳としてPFCバランス※を見ていくことが大切です。必要な量のたんぱく質をしっかりとっている人ほど、健康的にやせることができています。
※1日の摂取カロリーのうち3大栄養素の「P=たんぱく質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」がどれくらいの割合を占めるかを示した比率のこと。理想的なバランスの目安は、たんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%。
大島:なるほど! ちなみに、運動を日常的にしている人としていない人では目安にするべきたんぱく質の摂取量はどのくらい異なるのでしょうか?
道江:運動している人は「体重×1.5倍」が望ましいとされています。たとえば体重50kgで運動していない人が50gのたんぱく質をとるのに対して、運動している人なら75g程度を目安にできるとよいですね。
単に多くとればいいわけではない!? 動物性と植物性のバランスもポイント
森下:あすけんユーザーの人気商品に豆乳がありますね。私は高校時代に豆乳のおいしさに目覚めたのですが、ここ数年で、豆乳もラインナップが豊富になったと思います。フルーツ系やコーヒー、紅茶などフレーバーの種類が多くて、どれを選ぼうか迷ってしまうほどです。
大島:FYTTE大賞では例年豆乳が人気で、今回も植物性・植物系ミルク部門で1位に選ばれたのは「キッコーマン豆乳シリーズ」でした。低糖質・低脂質という点が、選ばれている理由かなと考えています。
道江:そうですね。あすけんユーザーのなかでは5年ほど前まで豆乳はあまり浸透していませんでしたが、いまは牛乳と同じくらい支持されています。特に牛乳に含まれる飽和脂肪酸を控えたい人や、植物性のたんぱく質を積極的にとりたいという人に選ばれている印象です。
森下:たんぱく質の種類でいうと牛乳は動物性、豆乳は植物性です。ほかにもアーモンドミルクや大豆ミートなど植物性たんぱく質の食品が人気になってきています。動物性と植物性、この2つはどのようなバランスでよるのがよいのでしょうか?
道江:半分ずつとるのが理想です。それが難しい場合はせめて動物性2に対して植物性1くらいの割合で食事を意識してほしいと思います。避けたいのは、たんぱく質を積極的に摂取しようとするあまり、脂質の摂取量が増えてしまうこと。肉や魚、卵や乳製品などの動物性たんぱく質食材には脂質も多いため、豆腐などの大豆製品も意識的にとり入れることで、脂質量をコントロールしながら、たんぱく質を摂取していきましょう。
水谷:私はジムで運動する前後はプロテインドリンクで補給していて、ホエイプロテインを豆乳で割って飲むなど、動物性の「乳」と植物性の「ソイ」のどちらも摂取するように意識しています。また、家では無脂肪牛乳を飲んだり、朝食に納豆卵かけオートミールを食べたりして、バランスをとるようにしています。
道江:いいですね! バランスを意識して選べるようになると、体重もコントロールしやすくなるはずです。そして、たとえば牛乳には「カルシウム」、豆乳なら「鉄分」というように、食品を選ぶときはたんぱく質以外のメリットも意識して、食事全体のバランスを整えてみてください。ダイエットを成功させるのは食材選びも大切なので、同じ食べ物が続かないように、バリエ―ションをつけていく工夫を心がけてほしいですね。
■ 食事管理アプリ「あすけん」
食べたものを記録すると、カロリーや栄養素をすぐに自動計算。栄養の過不足をグラフで表示してくれるほか、管理栄養士監修のアドバイスなどのサービスが受けられる。現在利用者は900万人以上。
■FYTTEヘルスケアトレンド特設サイト
https://fytte.jp/trend2023/
■FYTTEダイエット&ヘルス大賞2023特設サイト
https://fytte.jp/taisho2023/
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次回は、最新のたんぱく商品とともに、「1日50g以上」を負担なくクリアするための食事の工夫について探っていきます。
取材・文/佐藤有香