季節ごとの行事やお祝いなどの折に、お菓子を手作りする人もいるかもしれません。ふだんは買うことが多くても、手作りをしてみると、それぞれの材料が働き合って、ひとつのお菓子ができ上がっていることを実感するのではないでしょうか。“ダイエットに役立つ栄養クイズ”、今回のテーマは「お菓子の材料」について。卵をかたまりにくくする食材や、クッキーやケーキ生地に焼き色がつく原因となる食材など、知ればお菓子を見る目が変わるかもしれません!
Contents 目次
問題1 楓(カエデ)を原料としている甘味料は、次のうちどれ?
□はちみつ
□オリゴ糖
□水あめ
□メープルシュガー
「メープルシュガー」です
甘味料には、糖質系甘味料と非糖質系甘味料があります。上記は、すべて糖質系の甘味料になります。砂糖楓(カエデ)の樹液を煮詰めた茶褐色の液体がメープルシロップです。さらに煮詰めて顆粒状にしたものがメープルシュガーです。メープルシロップはパンケーキなどにかけるものとして知られていますが、メープルシュガーをお菓子の材料としてクッキーやパウンドケーキ作りに生かすと、香り高く仕上がります。
問題2 スポンジ生地を焼いた場合、焼き色がつきます。これに関係している主な成分は、どれとどれ?
□「糖」と「たんぱく質」
□「オリゴ糖」と「脂肪酸」
□「ブドウ糖」と「果糖」
□「果糖」と「脂肪酸」
「糖」と「たんぱく質」です
スポンジやパウンドケーキの生地、クッキー生地など焼くと、こんがりとしたキレイな焼き色がつきますね。これは生地に含まれる小麦粉や砂糖、卵が加熱されることで、「メイラード反応」が引き起こされるからです。「メイラード反応」とは、焼き色がつく反応のことです。材料の中に含まれる「糖」と「アミノ酸(たんぱく質)」が原因物質となって起こります。ケーキやクッキーが焼き上がったときのいい香りも、メイラード反応によるものです。
問題3 卵は熱を入れることでかたまります。では、かたまるのを阻害する食材は、次のうちどれ?
□塩
□酢
□砂糖
□牛乳
「砂糖」です
卵をゆでたり焼いたり蒸したりと、加熱するとかたまります。そして、卵と組み合わせることで、かたまる速度を進めたり遅れさせたりする食材があります。このことは、お菓子作りだけでなく、料理を作る際にも深く関係してきます。「砂糖」は卵を加熱したときに、かたまるのを遅らせる食材です。たとえば卵焼きを作るとき、塩を加えるより砂糖を加えて作る卵焼きのほうが、やわらかめの仕上がりになります。また、塩や酢はかたまりを進める効果があります。ポーチドエッグを作るときに、ゆで湯に塩や酢を入れることがあるのは、そのためです。
問題4 お菓子作りの工程で、卵白を泡立てて「メレンゲ」を作ることがあります。このとき、泡立てを阻害するものは次のうちどれ?
□コーンスターチ
□黒砂糖
□水あめ
□サラダ油
「サラダ油」です
「メレンゲ作り」は、お菓子作りの工程でよく行われます。メレンゲを作るために卵白を泡立てるときは、砂糖を加えながら行うのが一般的です。よって砂糖は必要な材料なのですが、砂糖類には、じつは泡を消す力があるため、加えるタイミングが大事です。また、メレンゲの泡立てを最も阻害するものは油分です。器具類に少しでも油分が付着していると泡立たないため、キレイな器具類を使用することが大切です。
問題5 冷蔵庫から出したての冷たい卵を使用した「メレンゲ」作りに関して、間違っている内容は、次のうちどれ?
□泡立ちが早い
□安定性のよい泡になる
□キメの細かいメレンゲに仕上がる
□泡のコシがしっかりしている
「泡立ちが早い」です
お菓子のレシピの卵に関する記述に、冷蔵庫から出して常温に戻したものを使用する旨が書かれていることがあります。これは、冷たい卵より温度が高めの卵のほうが、泡立ちがよくなるためです。なお、冷たい卵を使うと、泡立ちに時間はかかりますが、これを使用して作ったスポンジ生地は、キメが細かい、なめらかな生地になります。どんなお菓子を作りたいかによって、卵の温度も重要な要素のひとつになります。