輪切りにしたときの花のような見た目や、シャキッとした歯ごたえが料理のアクセントになるれんこん。実は、食べ方によって下処理の仕方を変えるだけで、味わいに違いが出るのをご存知でしょうか? 意外と知らない、れんこんをおいしく食べる下ごしらえのコツを料理研究家の高城順子先生に教えていただきました。
Contents 目次
皮はピーラーで薄くむく
れんこんは本来、皮付きのまま食べられますが、皮は少し硬いので歯ざわりがよくありません。皮をむくことで、泥の汚れを取り除くだけでなく、やわらかく色のよい面を出し、味をしみやすくします。
片方の手でれんこんを持ち、ピーラーを使ってむくのがおすすめ。カーブした部分にもフィットし、薄くなめらかにむくことができます。
切り方で食感を変える!
れんこんは切る向きによって食感が変わります。写真のように、繊維に沿って厚めの縦切りにすると、歯ごたえが残り、カリッとした食感に。同様に、繊維を断つように厚めの輪切りにすれば、やわらかな食感になります。
変わる食感のいろいろ
繊維の向きだけでなく、厚さや調理時間、あく抜きの仕方でも食感は変わります。
たとえば、同じ輪切りでも、厚く切って水にさらしたものを煮ればホクホクに、薄くスライスして酢水につけたものはサラダなどでシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
代表的な切り方と、おすすめの調理法をご紹介します。
① 厚い半月切り(食感が残る) …きんぴら、天ぷら、ソテー
② 乱切り(表面積が広く、味がしみやすい) …筑前煮、いり鶏
③ 縦切り(歯ごたえがよい) …炒め煮
④ 薄い輪切り(シャキシャキする) …酢のもの、サラダ、れんこんチップス
切ったらすぐ水にさらしてあく抜き
あくの抜き方
切ったあとのれんこんは褐変(かっぺん)しやすく色が変わってしまうので、すぐに水にさらしてあく抜きし、空気にふれないようにしましょう。
左が水にさらしたもの、右が水にさらさずにおいたもの。
褐変するのはなぜ?
切り口が褐変してしまうのは、ポリフェノールの一種であるタンニンが空気にふれて黒っぽく酸化するのが原因です。水につけると褐変作用を止められるので、調理前にしっかりあく抜きしましょう。
れんこんを選ぶときの注意
買うときは、両端の節の部分がカットされずに残っているものを選ぶのが理想的。節がカットされ、断面が見える状態で売られているものは褐変が進んでいるので、白い色味を生かした料理に使う場合は避けましょう。
あく抜き方法は料理に合わせて使い分け!
あく抜きには、水につける方法と、酢水につける方法があります。酢水につけると、でんぷん質の働きが止まり、よりシャキシャキとした食感に。水につけると、ホックリとした食感を残せます。用途に合わせて使い分けると良いでしょう。
サラダやちらし寿司のトッピングなど、白さと食感を生かすときには、酢水であく抜きするのがおすすめ。煮ものに使うときは、調味料がしみ込んで色づくので、水につけるだけでOKです。
これまで、どんな料理に使うときにも、同じ下処理をしていませんでしたか?これらのコツを知っておけば、いつもの料理がひと味違った仕上がりになるかもしれません。旬のれんこんをおいしく味わい尽くしましょう!
提供: VEGEDAY powered by KAGOME