濃い緑色が鮮やかなブロッコリーは、β-カロテン、ビタミン、食物繊維などを豊富に含む、栄養満点の万能野菜。最近では通年でスーパーに出回っており、サラダや炒めものにはもちろん、お弁当にも重宝します。寒くなるにつれて甘みが増し、11~3月までが旬です。
Contents 目次
栄養素
・ビタミンB6
・ビタミンC
・ビタミンE
・食物繊維 など
栄養素のポイント
茹でたブロッコリー60gで、成人が1日に必要なビタミンA、食物繊維のおよそ1/10量、ビタミンEのおよそ1/6量、ビタミンCのおよそ1/3量を摂れます。
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版
油と一緒に食べるとβ-カロテンの吸収率がアップ。茹でてマヨネーズをかけたり、フリッターにしたりと、少量の油をプラスして食べましょう。
独特の香りの正体は「イソチオシアネート」。抗酸化作用が高く、酸化物質による悪影響を軽減させる働きが期待されている成分です。
旬・産地
晩秋(11月)から春(3月)までが旬の時季。寒くなるにつれて甘みが増します。冷涼な気候を好み、日本では夏場は北海道産、冬場は愛知県や埼玉県産がおもに出回ります。
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近年では国内生産量が増えたものの、輸入比率が高く、出荷量全体の2割ほどが海外産。財務省の貿易統計によると、2014年の総輸入量のうち、約96%をアメリカが占めています。
選び方
おいしいブロッコリーを選ぶポイント①
花蕾(つぼみ)がかたくしまっていて、こんもりと丸く盛り上がった形のものを選びましょう。上から見て緑色が濃く、花蕾の粒がそろっているのもポイントです。
おいしいブロッコリーを選ぶポイント②
写真左のように、茎の切り口がみずみずしいものを選びましょう。中心までみずみずしいものは、柔らかく甘みがあります。
避けた方がいいもの
写真右のように茎の切り口にス(※)が入っているものは、かたくて筋っぽく、おいしくないので避けましょう。
※スとは、成長しすぎなどが原因で、内部が割れてできてしまった空間(亀裂)のこと。
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冬場に見かける紫がかったものは、寒さに当たって甘みが増しているサイン。茹でると緑色になり、栄養的にも味も問題なく食べられます。
保存方法・期間
生のまま保存する場合
茹でずに調理する場合(中華など)や、生のまま保存するときは、表面の水分をよく拭き取り、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。茎を下向きに立てて入れましょう。
保存時の注意
生のままで長時間おくとつぼみが開いてしまい、変色して味も香りも半減します。早めに使い切りましょう。
茹でてから保存する場合
新鮮なうちに茹でて、密閉容器に入れて冷蔵保存し、2~3日以内に使いきりましょう。すぐに食べない場合は、重ならないように平らに広げて保存袋に入れ、冷凍保存します。
保存時の注意
一度冷凍するとコリコリした食感が失われてしまいます。グラタンや炒めものなど、再加熱する料理に使うとよいでしょう。
下ごしらえのコツ
ブロッコリーの切り方
部位や料理にあわせて切り方を工夫すると、異なる食感を楽しめます。
茎
① ひし形切り:炒めもの、スープの具
② 短冊切り:炒めもの、酢味噌あえ
③ 縦1/2カット:スティック野菜、炒めもの、肉巻き
④ 拍子切り:炒めもの、スティック野菜
⑤ さいの目切り:スープのうきみ、ポテトサラダ、チャーハンの具
花蕾
⑥ 小房、花蕾を一つずつばらばらに:スープ、サラダ、かき揚げの具、パスタの具
⑦ 1/4カット:和えもの、ソテー
⑧ そのまま1個、または1/2カット:シチューやカレーの具、お弁当の具
ブロッコリーの茹で方
- 葉を取り除き、太い茎の部分で切り離して洗う。
- 花蕾は小房に分け、茎はスの入った部分とかたい皮を切り落とす。
- 鍋に湯をわかし、塩(1~2%)を加える。茎を先に入れ、1~2分たったら花蕾部分を茹でる。
- 緑色が鮮やかになり、茎に竹串を刺して通るくらいにやわらかくなったら(約3~4分)、取り出して冷水に浸して冷ます。冷めたらザルにあげ、花蕾が含んだ水分をしっかりと切る。
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ブロッコリーにはアクが少ないので、蒸し煮にしてもOKです。鍋に3~4㎝の湯をわかし、ブロッコリーを入れて強火のままふたをして加熱します。
調理のコツ
虫食いが心配なときは、1%程度の濃度の塩水に、花蕾部分を下にして全体を浸けてみましょう。小虫などが這い出してきます。
小さめのブロッコリーなら丸ごと茹でてもOK。茎のかたい部分を切り落とし、切り口に十字の切り込みを入れると、火の通りが均一になります。
時間に余裕があれば、ブロッコリーをやや固めに茹でてザルなどに広げ、うちわや扇風機で冷ましましょう。水溶性ビタミンの流出が抑えられるだけでなく、料理が水っぽくなりません。
ポタージュにする場合
香味野菜といっしょに煮込んで、柔らかくなったらミキサーにかけます。ポタージュにすると、栄養を余すことなく摂取できます。
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