食事に含まれる脂質を意識することがカロリーダウンのコツ。
「脂質の多い肉やお菓子は、口の中でとろけるようでおいしいもの。でも脂質は、1gあたり9kcalと高カロリーですから、とり過ぎは禁物です。調理時にむやみに油を使わないように工夫したり、脂質が生み出すコクや食感を低カロリー素材で再現すれば、おいしく脂質を減らせます」(金丸先生)
Contents 目次
【コツ1】肉はしみ出た脂で焼いて調理油を使わない!
肉の脂質もあなどれない量。さらに調理油で脂質が増えるのを防ぐために、脂身を生かす調理法へ発想をシフト。「肉に熱を加えれば脂が溶けて、調理油がわりに。鶏の手羽元も皮の脂身をオーブンで焼けば、カリッとしたフライドチキンふうの食感に」
また、肉を焼くときもフッ素樹脂加工のフライパンを使えば、油を加えずに調理できます。中火でじっくり肉の脂を出してから他の素材を入れましょう。
- カレー風味のフライドふうチキン
たとえば・・・
油小さじ1は37kcal、これを油なしにすると0kcalで、およそ37kcalダウン!
【コツ2】調理油はハケでぬって使い過ぎ防止
油を幅広の容器に移し、ハケをくぐらせて、鍋肌をなぞるだけ。2~3滴程度の量で、ムラなく油がひけます。残った油は冷蔵庫で保存を。
調理するとき、油を量らずに容器からドバッと入れがちでは? 少量でも高カロリーの油でこの行為は、ムダに脂質をとる可能性大。そこで注目なのが、熱に強いシリコーン製のハケ。「油をつけてサッとなぞるだけで薄く、まんべんなく油がひけ、炒め物もおいしくできます」
たとえば…
油大さじ1は111kcal、これをハケでひとぬりした油にすると9kcalで、およそ201kcalダウン!
【コツ3】揚げずにレンジでチンしてカラッとチップスに
油で揚げているスナック菓子は、軽くて口当たりがよくておいしいもの。でもこのサクサク感は油を使わずに再現が可能です。「薄く切った野菜や果物をレンジでチンして水分を飛ばせば、油で揚げなくてもサクサクのチップスに仕上がります。素材は水分が少ないにんじんやかぼちゃなどもおすすめです」
たとえば…
市販のポテトチップ30gは166kcal、これをレンジで作ったものにすると114kcalで、およそ52kcalダウン!
【コツ4】バターではなく低脂肪のカッテ―ジチーズを代用
バターはほとんどが脂質。そこで脂質の少ないカッテージチーズを代用。「バターのように塩気があり、満足感があります。ジャムも脂質は少ないですが、糖質が高いのでひかえめにぬりましょう」
- スパイシー・チーズトースト
たとえば…
バター5gは37kcal、これをカッテージチーズ大さじ1にすると16kcalで、およそ21kcalダウン!
【コツ5】ひき肉は脂身の少ない赤身肉を切ってつくる
包丁で切り刻んだあと、たたくようにしてミンチ状に。冷やすと切りやすさがUP。フードプロセッサーを使ってもOK。
市販のひき肉は、脂身の多い部分をまぜて加工されていることも。でも脂肪分の少ない肉を使って自分でひき肉をつくれば、脂質コントロールが可能に。「牛や豚ならヒレやももの赤身を、鶏肉なら脂肪分の少ないささみを刻んでひき肉状にすれば、カロリーも大幅カットに」
たとえば…
豚ひき肉100gは221kcal、これを赤身肉100gにすると128kcalで、およそ93kcalダウン!
【コツ6】高カロリーなルウのとろみは片栗粉でつける
カレーやグラタンは人気メニューの王道。でもルウやホワイトソースのとろみは、バターなどたっぷりの脂質によるもの。そこでこのとろみを脂質ほぼゼロの片栗粉でつけます。「だし汁にカレー粉や牛乳を加えて風味を出してから、片栗粉を入れて、とろみをつけます。具を多くしてルウやソースの量を減らすのも◎」
- 野菜ゴロゴロさっぱりカレー
- 野菜のクリーミー・グラタン
たとえば…
ルウ1皿分は102kcal、これを片栗粉+調味料1皿分にすると71kcalで、およそ31kcalダウン!
監修/金丸絵里加、取材・文/平川恵