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今さら聞けない糖質制限ダイエットの基本「低糖質」「ロカボ」「糖質オフ」の違いとは?
今やすっかりダイエットの定番となっている糖質制限ダイエット。しかし、「低糖質」「ロカボ」「糖質オフ」など、似たような言葉があり、それぞれがどう違うのか、はっきり説明できる人はあまりいないのでは? そこで、自ら20㎏ものダイエットに成功し、多数の著作本を持ち、講演活動などもしている管理栄養士の伊達先生に話を伺いました。
Contents 目次
そもそも糖質制限って何?
糖質を制限することで、短期間で簡単に体重が落ちると人気の糖質制限ダイエット。結果がすぐに出やすいので、ブームとなり爆発的に広がりました。しかし、その反面、長く続けられない、健康に悪い、リバウンドしやすいなどのデメリットもささやかれています。
「ダイエットって、カロリーを減らせばいいというカロリー制限ダイエットが流行った時代があり、その後、一番カロリーが高い油を抜けばいいという油抜きダイエットがあり、その次に出てきたのが糖質制限ダイエットです」(伊達先生)
ケトン食が糖質制限のはじまり
「もともとはアメリカで糖質をとるのがよくないということが提唱されたのですが、そもそも始まりは、昔からあった脳機能の改善にいいといわれてケトン食が注目されたことにあります。脳は一般的に糖質しかエネルギーにできないといわれていますが、ケトン体もエネルギー源にすることができます。脳の機能が老化などで低下してくると、糖質をエネルギーとして使うことができなくなるため、機能が落ちてしまう場合があります。そこで、糖の代わりにケトンを脳に届けることで脳を元気にして機能を上げるという仕組みです。
ケトンを作るには、体脂肪が必要です。普通は糖質をエネルギーとして燃やす解糖系というエネルギー代謝が回っているのですが、糖質をとらないとエネルギーにするものがないため、なんとかほかのもので代用しようとします。その代用となるのがケトン体です。体内では、体脂肪からケトン体を作りそれを燃焼させてエネルギーを作り出すのです。この非解糖?系というエネルギー回路を回すことで、脳にエネルギーが届くようになるのです。このケトンを作り出すときに体脂肪が減ることに注目したのがケトジェニックダイエットです。糖以外をエネルギーにすると、脳の機能は上がるし、アンチエイジングにもいいし、やせるというメリットが注目され、やせるために糖質制限をするという流れになりました。ですので、糖質をとらないことで体脂肪を燃焼させる糖質制限とケトジェニックダイエットは基本的に同じです」
糖質制限ですぐに体重が落ちるのは、じつは脱水しているだけ⁉
現代において悪者扱いされがちな糖質。「糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。炭水化物は、昔は「含水炭素(がんすいたんそ)」という名前で呼ばれていました。その名前の通り、水を含んだ炭素が炭水化物です。炭素ひとつに対して、4つの水分子がついているのですが、そのため、炭水化物を抜くと、もれなく4つの水の分子が体の中から出て行ってしまいます。その結果、体の中から水分が抜けるので、スピーディーに体重が減りやすいのです。それを勘違いして、炭水化物抜きダイエット=糖質制限ダイエットをすると、すぐに効果があると思うのは大きな間違い。ただ単に脱水しているだけなのです」。
何が違うの? 「低糖質」「ロカボ」「糖質オフ」の違いとは?
「本格的な糖質制限は、体脂肪を速やかにケトンに変えるため、できるだけ糖質をとらないという極端なやり方です。ただし、ふだんの食事でとっている糖質系のものをとらないようにしていても、じつは野菜や豆類などにも少しずつ糖質は含まれているので、まったくのゼロにするのはムリです。主食の炭水化物を抜いて、ストイックな食生活をして、一日に糖質の量を20g~50gに抑えるのがもっとも厳しい糖質制限です。ただし、それだと厳しすぎてなかなか続かないので、もう少しゆるやかに糖質を制限する『低糖質』や『ロカボ』という方法が広まってきました」
「『ロカボ』とは、『低炭水化物(ローカーボハイトレート)』の略である『ローカーボ』が語源です。つまり、『ロカボ』と『低糖質』はほぼ同じです。言い方の違いと、提唱している先生が違うだけ。一方、『糖質オフ』は、主に糖質を少なくした食品のことをいいますが、「糖質オフダイエット」などのようにダイエット法として提唱している先生の言葉の表現の違いもあります(内容に関しては提唱している先生のダイエット法を確認)。
今回、FYTTE読者の皆さんにおすすめするダイエット法については次回以降お伝えしていきます。
取材・文/奥沢ナツ