前回の記事『伊達式「小麦抜きダイエット」。糖質の量ではなく、質を改善して健康的にやせるコツ』で糖質制限は量ではなく、質を改善すること。体を冷やす小麦を抜いて、代謝をよくすることがポイントだという話をご紹介しました。そこで今回は、引き続き、自ら20㎏のダイエットに成功した管理栄養士の伊達友美さんに、小麦抜きダイエットの基本ルールを伺いました。
Contents 目次
「小麦抜きダイエット」の基本ルール6つ
毎日の食事から体を冷やしやすい小麦の加工品を抜く小麦抜きダイエット。
「一番重要なのは、ご飯と肉や魚などたんぱく質のおかずでお腹をいっぱいにするということです。女性は圧倒的にたんぱく質が足りていません。最近はたんぱく質をプロテインドリンクなどで補う人もいますが、日常的にとるのはあまりおすすめしません。というのも、プロテインの原料に使われているホエイという乳たんぱくは、女性が多くとりすぎると女性ホルモン系の不調につながりやすいといわれているからです。一方、植物性のプロテインは吸収があまりよくないので、なるべくなら肉や魚、卵など自然の食材からたんぱく質をとりましょう。ドリンクタイプは忙しくて調理ができないときなどにじょうずに活用するのはいいかもしれませんね」(伊達さん)
運動時の筋肉作りなどのサポートとしてプロテインドリンクを摂取する人も多くなりましたが、先生的には、運動後は豆乳を飲むくらいがおすすめなのだそう。
ルールその1:主食はご飯
「小麦抜きダイエットの基本は、まず主食と間食を、小麦を含まないものに置き換えるということが基本です。主食は体を冷やさないご飯が最適です。ご飯なら、大盛りにして食べてもOK。麺類なら、日本そばや、米粉のフォー、春雨のビーフンなどもOKです」
ルールその2:オメガ3系油で燃えやすい体に
「油はダイエットの敵!と考えがちですが、体を温め、代謝をよくし、肌のうるおいを保つために油=脂質は欠かせません。特に、積極的にとりたいのが、えごま油やアマニ油、シソ油などのオメガ3系の油。これらには体の炎症を抑え、コレステロールやホルモンを整える働きがあるといわれています。体脂肪の燃焼スイッチをオンにするともいわれているので、サラダや納豆などのおかずにかけて、生でとりましょう。みそ汁やスープなどにかけるのもおすすめです。ノンオイルドレッシングやポン酢をかけただけのサラダは体を冷やすだけなので、オイルをプラスすることを忘れずに」
ルール3:足りないものをプラスすること
「基本的に、足りないものをプラスするという考え方。一言に『バランスのいい食事をしよう』といっても、とてもあいまいな表現で、誰もうまく実行できないのが現状です。バランスを整えるためには、足りていないものをプラスすること。日本人女性はたんぱく質が足りていないので、肉や魚、卵などでしっかりたんぱく質をとりましょう。焼肉や回転ずしなどはどんどん食べて。ご飯や肉など、今まで控えてきた人ほど、自然と代謝が上がってきます」
ルールその4:食べる量や時間は気にしなくてOK!
「食は本能です。お腹がすいたと思ったときに食べるのがベスト。三食、決まった時間に食べなくてもOKです。決まった時間に三食食べないといけないのは、成長のためにエネルギーを消費してしまう子どもくらいです。大人は成長が終わっているので、そこまで規則正しく食べなくても大丈夫。ご飯は腹持ちもいいですし、お腹がすいていないなら、ムリして食べる必要はありません。水分だけは補給してつないでおきましょう。
お腹がすいているときにお腹いっぱい食べるのはOKですが、食べたくないときに食べるのは食べすぎです。また、夜遅くに食べてもOKですし、食べてすぐ眠くなったら、寝てもOKです。睡眠も本能なので、本能に逆らうと自律神経のバランスを崩して代謝も下がってしまいがちに。胃腸の弱い人や、お腹いっぱいだと眠れないという人が食べてすぐ寝るのはNGですが、自然に眠くなったら、寝たほうが睡眠の質も高まってやせやすくなるのです」
ルールその5:週1回、ご褒美メニューでメリハリを
「メリハリも大切です。平日はご飯とおかずをしっかり食べて、休日はご褒美としてスイーツを食べるのもおすすめです。週1のご褒美があったほうが、メリハリがつき、ストレスなく長く続けることができます」
ルールその6:毎日、体重計に乗らないこと
「ダイエットで重要なのは、毎日、体重を測ることではなく、燃えやすい体を作ることです。減らしたいのは体重ではなく体脂肪。この体脂肪は、エネルギーとして燃えるのに時間がかかるので、ひと晩で大きく変わることはありません。ひと晩で変わるのは水分量だけ。ですので、毎日測って一喜一憂する必要はないのです。2~3週間に1回くらい測ればよいでしょう。しっかり食べて、体調や肌が徐々に変わっていくのを気長に待つスタンスでいてください」
「6つのルールを紹介しましたが、これらのルールをすべて完璧に守らなくても大丈夫。パスタやピザなど小麦の加工食品が食べたくなったら、オメガ3系のオイルをかけて食べればOKですし、ご褒美は週2回にしても問題ありません。ストレスをためない程度に少しずつできることから始めてみましょう。小麦をご飯食に変えて代謝を高める体を作り、食事を楽しみながら、やせることができれば理想的です。何気なくとっていた小麦モノを置き換えることで、むくみや体脂肪を自然と減らすというのがこのダイエットの魅力だと思っています」
次回は、「小麦抜きダイエット」の実践編として、置き換えメニューや食べものの選び方をご紹介します。
取材・文/奥沢ナツ