「白だし」はよく知られていますが、意外と知られていないのが「白しょうゆ」です。色がつかないので、素材の色や香りを活かし、だしの味わいを際立たせてくれるすぐれもの。料亭など和食の料理屋さんで見られるようなお吸いものや香りごはんができ上がります。これからの季節、湯豆腐や炊き込みごはんにも最適。今回はカルディで見つけた寺岡有機醸造の白しょうゆで湯豆腐を作ってみました。
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素材の色や香りを活かす「白しょうゆ」
明治20年創業、昔ながらの製法を守り、化学調味料・合成保存料無添加の寺田有機醸造のしょうゆ。通常のしょうゆが大豆を主原料にするのに対して、白しょうゆは小麦を主原料としています。甘さのある味わいで醸造期間も3か月と短いのが特徴です。
淡い琥珀色の白しょうゆは色が薄いので、旬の野菜の煮物やお吸いもの、茶碗蒸し、炊き込みごはんなど素材の色合いを活かした料理によく用いられます。
家庭よりも料亭などで用いられている白しょうゆですが、素材の色や香りを活かすほか、だしが入っていないので、加えるだしの味わいを引き立てるような隠し味ともいえる存在なのだそうです。
「寺岡有機醸造 白しょうゆ」をそのまま少しなめてみると、ぐっと塩分が多いのがわかります。浅漬けや肉・魚の下味つけにも使えそう。
大豆の味がおいしい湯豆腐ができ上がり!
上品な味わいになる白しょうゆは秋冬の鍋料理にもぴったりです。今回は鍋風の湯豆腐を作ってみました。
豆腐をメインに野菜を入れつつ、だしとみりん、最後に白しょうゆで味つけをしました。
白しょうゆを少しずつ足してみて、ちょうど大さじ2杯ほど加えたところで、格段に味わいがよくなったのに気づきました。味の深みが増し、うま味が出てきてまろやかな感じです。
豆腐自体も驚くほどおいしく、これはしょうゆでは出せない味です。湯豆腐はあまり味がないイメージで、すき焼きの豆腐などもじつはそこまでおいしいと感じたことないのですが、白しょうゆを使うと豆腐本来の味が際立って、おいしく感じられるのです。
まさに家庭で5分でできる、料亭の味です。
豆腐は大豆食品なのでたんぱく源としてもいいですし、含有されている大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをし、女性の美容、健康によい食材。更年期の不定愁訴だけでなく、髪や肌、生活習慣病にもメリットがあることがわかっています。
1日の摂取量の目安は豆腐だけで約1丁なので、半丁で湯豆腐を作れば1日の半分の摂取量はとれることになります。
このほか、まいたけの炊き込みごはんにも用いてみましたが、やはりまいたけの味わいがおいしく感じられました。薄味でどこか上品さのある味に仕上がります。色合いが鮮やかな豆ごはんなども合っていますね。
少し使うだけで、家庭の和食の味を変えてくれる白しょうゆ。今ではイタリアンやフレンチなどにも用いられているそうで、和食以外にも使い道は幅広そうです。
寺岡有機醸造 白しょうゆ 300ml 455円(税込)
文・写真/庄司真紀