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信じられないほどの苛酷なサハラ砂漠を走ってきたモデルの話 #ヤハラサハラ 第5ステージ

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信じられないほどの苛酷なサハラ砂漠を走ってきたモデルの話 #ヤハラサハラ 第5ステージ

監修 : ヤハラリカ (モデル)

第一回FYTTE専属モデルオーディション・未来賞を受賞し会社員からモデルへ転身。数多くのCMに出演すると同時に特技のスポーツを活かし、テレビやラジオなどのリポーター、MC・舞台などで幅広く活躍中。
・ヤハラリカオフィシャルサイト:https://yahararika.jp/
・Instagram:https://www.instagram.com/rika_yahara/
・twitter:https://twitter.com/rika_yahara
・Facebook:https://www.facebook.com/yahararika/
・YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCXV3gK3hst4L-mF-7VNy3og

Contents 目次

ヤハラサハラ

フルマラソンステージスタート

前回の話はこちら。

フルマラソンの距離なら砂丘以外、歩かずにずっと走れるんじゃないかと小走りで進んでいました。
最初のチェックポイントは10.5km。
クロサワさんが先に着いていて、お湯を沸かしてご飯を食べていました。すごいなぁ。クロサワさんはレース中、ずっとしっかりご飯を食べています。この気温差とハードな運動量で胃腸がやられてご飯食べたくない、けど食べないといけないから気持ち悪いけど無理矢理おしこむ私とは違います。「美味しく食べられる」ことでこの過酷な環境下で「食の楽しみ」も見いだせているわけです。しかもチェックポイントで火を起こす余裕。さすがレジェンドは違うなぁと感心しました。

サハラ砂漠を歩く人たち
メダルがもらえる最後のステージ!

親子の絆

この日も、容赦なく日差しが強く、容赦なくアップダウンの砂丘が続きました。
それでも砂漠にある砂丘や崖や岩場は毎日・毎回形が違うので、ずっと同じ景色で飽きるということはなく、毎日新鮮で感動していました。

2~3mの高さの小さな砂丘が何十とある地点に来ました。地味にきつい小さな砂丘を登るか、遠回りでも平らな道をくねくね行くか、ランナーの好みでコース取りも変わってきます。もうかなり後ろのほうだったので前後に人がおらず、砂丘にあるはずのランナーの足跡も風で消されていて、前の人の足跡をエッジ代わりに使って砂丘を登ることができなくて、どちらに進んでも足の負担は避けられない状況でした。
いま何個登ってきて、あと何個登るんだろうと嫌気がさしてきたころ、目の前で女性二人がまさに砂丘を超えるところに遭遇しました。

一人が先に砂丘を登るんですが、その時にわざと強く踏んで足跡をつけ、後ろを振り返り、後ろから足を引きづっている女性を手で引っ張ります。なんという愛。自分一人でも辛いのに、人のために足跡をつけて振り返って持ち上げる体力なんて、二倍辛いということです。

感動して目をウルウルさせて話しかけたらなんと二人は親子。若いころにサハラマラソンに参加したお母さまが、運動経験のほとんどない娘さんを誘って親子で参加されたそうです。
でも娘さんが足を痛くされてしまって、見るに堪えないほど足を痛そうに引きづっておられました。責任を感じたお母さまは「必ず一緒にゴールする」と二人で進むことを決意されたそうです。泣ける…。ということで「私が足跡つけるので使ってください!」と強く踏み込んで、私の足跡が二人のエッジになれるように願って進みました。

サハラ砂漠のらくだたち
遠くにいても臭いでラクダが近くにいるとわかります。それほど野生のラクダは臭い。。。

体が動かない・・・

CP2を出て22.2km残りは20km。前にとぼとぼと元気なさそうな参加者が歩いていました。私はまだその時は余裕があったので、持っていたペットボトルの水を頭にかけてあげました。お湯みたいにぬるい水ですが、風が吹くと一瞬だけ涼しくなります。そしてすぐに蒸発してしまいます。自分にもかけて、頭から伝う水が口に入るとしょっぱくて、蒸発して気づけなかった自分の汗を認識しました。

人に水を分けられるほどわりと元気に進んでいたと思っていた矢先、またこの暑い気温で頭が痛くなってきました。さっき調子に乗って水をかけすぎて頭にかけるように持っていた手持ちの水がほとんど空になってしまい、体も急にこわばって動かなくなってきました。前日に経験した急に体が動かなくなる現象が、まだ20km近く残っている時点で起きてしまったのです。不安と恐怖と、もしかしてゴールにつけないんじゃないかという焦りで、たまらなく泣きそうでした。

そんな精神的に追い込まれた私に追い打ちをかけるように大きな砂丘を何個も何個も超えなくてはならないコースにさしかかりました。後ろを見たら、平地に数人見えたのですが、目の前の砂丘はコブが大き過ぎて誰一人見えません。不安で誰かと一緒に進みたい気もするけど、待っているとかなり時間がかかりそう。私も体が動かなくなっていたので、時間配分を考えるとギリギリになってしまうと思い、一人で進むことにしました。

炎天下のサハラ砂漠

遭難のピンチ

コース表示のピンクのスプレーも、意図的なのか砂だからスプレーをかけるところがなかったのか、全く見えません。そういえば前に参加した方が「目印は現地の子どもがおもちゃと思って持って行ったり、風で倒れて埋もれて見えなくなることもある。」と言っていたことを思い出しました。絶対遭難することがないくらい頻繁に目印があるはずだったのに、風で前の人の足跡もなくて、コースを間違えているんじゃないかと、【遭難】という言葉何度も頭をよぎって、この大会で一番不安になりました。あまりにも次の目印が見つからなくて、怖くなり、近くの一番高い砂丘に登り、上から参加者を探しました。

右の遠くの先にテントがいくつも見えました。でも明らかに私たちの大会のものと違う。CP3にはまだ早い。どうしようどうしようとまた焦っていたところ、先ほど水をかけてあげた男性を発見!『追いついてきたんだ!わーよかったー!人だー!』と、その時できるだけの速さでかけよって「よかった!道がわからなくて!」と喜びで声をかけたら、「こっちに決まってるでしょ!」と怒られました。

ウルトラマラソンなどでよく言われていることですが、比較的女性のほうが環境に慣れやすく、過酷な環境下でもポジティブな気持ちを保てると言われています。もちろん私のテントメンバーのトムさんとか紳士な方もたくさんいますが、この大会では何度もイライラする男性をみかけました。反対にイライラする女性には会わなかった。一緒に楽しく進むのは無理だなと思って黙って後ろをついていくことにしました

ひとりでサハラ砂漠をすすむ様子

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