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CATEGORY : フィットネス |トレーニング

80歳医師・驚異のボディメイクとは? 何歳からでも遅くはない! トレーニングすれば体は変わる

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高岡さんの蛙トレーニングと立ち姿勢

「いつまでもキレイでありたい…」美しいスタイルには憧れるけれど、美を追求した、国の代表としてコンテストに出場する女性たちは、外見や内面の美しさだけでは足りません。心身ともに健康であることや他人の健康も考えられる…“人に与えられる人”であることが必要なのだそう。
今回は、ミセスユニバースジャパンの運営、そして日本で最も多く世界のコンテストや授賞式に日本代表を輩出している大島一恵さんによるインタビュー企画の2回目。両側人工関節の大手術を受け、リハビリ体幹トレーニングを経てベストボディ・ジャパンに出場し、60歳以上の部で優勝した内科医 高岡邦子さんの「ボディメイク」についてお届けいたします。

監修 : 大島 一恵

ミセスユニバースジャパン主催、運営代表。International Model Challenge 主催、運営代表。コンテストプロデューサー、モデルプロデューサー。Bellissima Japan株式会社代表。
「自己理解」「美」と「健康」を「真に美しい人は人に与えられる人」ということをテーマに開催しています。食、運動、自己理解、魅せ方、の全方向からのアプローチを大切にしている。医療の面では骨盤を整えるエムセラやフェムテックからも女性の美容をサポート。運動では、ヨガや体幹トレーニング、ウォーキングといった毎日無理なく続け習慣にできるフィットネスを大切にしている。
Instagram: https://www.instagram.com/kazue_bellissimajp/

Contents 目次

美姿勢を作る運動習慣。股関節エクササイズとウォーキングを継続

こんにちは。ミセスユニバースジャパン主催の大島一恵です。
今回はなんと御年80歳でありながら、ミセスユニバース日本大会2022年度TOP5に入られた、内科医の高岡邦子さんにインタビューさせていただきました!

高岡さんのあだ名はJoyさん(英語のjoyと職業の女医をかけています)。
2019年76歳のとき、両側人工股関節の大手術を受け、その後は病院でのリハビリ体幹トレーニングを経てボディメイクをし、ミセスユニバース日本大会に出場。ベストボディ・ジャパンに出場し、60歳以上の部で優勝するという、驚異の復活を遂げられました。

そんなJoyさんこと、高岡邦子さんの「ボディメイク」についてお届けします!

一恵:「早速ですが、Joyさんはすごく体を動かしている印象です。ふだんされているトレーニングを教えてください」

高岡(以下、敬称略):「現在はパーソナルトレーニング週1回、ピラティス週1回と、さらに骨格Bodymakeに週1回通っています。自宅トレーニングは毎日行っています。それと、最近ヒールウォーキングも再開したんですよ。コンテストの期間中は、加えて整体や体幹トレーニングにも行っていました」

一恵:「ほぼ毎日体を動かされているんですね!昔からですか?」

高岡:「子どものころから運動が好きで、日本舞踊・バレエ・テニス・陸上競技・スキー・ゴルフ・ダイビングなど、片っ端から挑戦していましたね。とくに乗馬は大会に出場するほど励んでいました。
ただ、現役医師として無医村で働いているときは自分の体にかけられる時間が減っていました。50歳ころから両側股関節の痛みに悩まされるようになり、手術前は家で這う状態で歩けなかったんです。それが悔しくて、術後は本格的に体の改善をはじめ、トレーニングを習慣化しました」

一恵:「トレーニングを習慣化するようになっていちばん変わったことはなんですか?」

高岡:「股関節の動きをよくするトレーニングを習慣化することによって、姿勢がよくなり歩き方がキレイになったと感じています。もともと股関節が痛かったので、股関節を使わない歩き方をしていたんです。その結果、歩幅がせまく、ひざが曲がる歩き方でぺたぺた歩いていました。まったくキレイではないですよね。今は自然と歩幅も広くなり、ヒールでもキレイに歩けるのが本当にうれしいです」

一恵:「すごいですね!どんなトレーニングをされたのか気になります。Joyさんがいちばんおすすめする股関節のトレーニングを教えてもらえますか?」

高岡:「そうですねえ。いろいろやってみたけど、いちばんは“蛙トレーニング”かしら。股関節の可動域を広げるには、いちばん効果があると考えます。それでは私が毎日家で行っている蛙トレーニングをお教えしますね」

股関節の可動域を広げる「蛙トレーニング」

高岡さんの蛙トレーニング1

高岡:「床またはマットにうつ伏せになり、両脚を外側に開き、ひざの内側・内くるぶしを床につけます。両腕はひじから手のひらまでをマットにつき上体を支えます」

高岡さんの蛙トレーニング2

高岡:「曲げたひざの角度は90度程度。恥骨をなるべく浮かさないように意識して、骨盤を左右に動かします。腰の反り過ぎにも注意してください。股関節に痛みを感じる場合はくれぐれもムリのない範囲で行いましょう。

ポイントは、恥骨を中心として回転させるといいですよ!慣れてきたら、上下に動かしたり、右回り、左回り、前後。恥骨を意識してそれぞれ10回ずつやってみてください。最初のうちはなかなか慣れなくて筋肉痛になるかもしれません。スムーズに動かせなくてもOK、慣れてくれば股関節の動きがよくなるので歩き方がキレイになります」

<注意>
股関節が硬い人は両手両ひざをマットについた姿勢から少しずつひざを横に開き、様子を見ながら小刻みに骨盤を回転させるようにしましょう。くれぐれもムリはせず、回数を減らして痛みを感じない程度にしていくといいでしょう。また、先天的に骨格の問題を抱えている人には推奨しません。

一恵:「私もやってみたのですが、骨盤だけを動かすのって、なかなか大変ですよね。継続すれば、内またも改善しそうですね!」

高岡:「よくなりますよ!股関節の可動域を広げるだけでなく、脚のゆがみ改善や骨盤底筋を鍛えることもでき、お尻の形もとってもよくなります。お尻は、トレーニングしないと形が長くなったり変形してしまうのですがトレーニングをすると丸くプリッとするんです」

一恵:「骨盤底筋って、最近よく聞きますが、なぜ大事か教えていただけますか?」

高岡:「骨盤底筋とは肛門の周りの筋肉で、尿がもれそうなとき、尿をガマンして止めたり、便を途中で止めたりする筋肉なんですね。なので骨盤底筋を鍛えることで尿もれが改善され、ぽっこりした下腹も引き締まり、お尻も上がるんです。逆に、骨盤底筋が鍛えられていないと膣がゆるみ、出産をされた人は骨盤も開きぎみになるんです。だから、日々の心がけやトレーニングは大切です」

一恵:「そうなんですね。出産をしていなければ、骨盤は開かないのですか?」

高岡:「出産をしなくても40代をピークにゆるみ始めますよ!なぜなら、年齢とともに体全体の筋力が落ちるからです。蛙トレーニングのほかにも自宅で簡単なトレーニングをしています」

一恵:「そうなんですね。トレーナーさんから学んだ方法と、今まで自己流で行っていた運動を比べて、何か大きな違いや新しい気づきはありましたか?」

高岡:「トレーナーさんがどの点に注意を払っているのか、どの部分に気をつけるべきかが参考になりました。

例えば、ヒップアップのエクササイズでは、横になってお尻を持ち上げるときに、脚で持ち上げるのではなく、お尻の穴を締めて持ち上げると効果的だと学びました。女性にとって、魅力的なスタイルをつくる要素としてお尻は重要ですね」

一恵:「お尻を鍛えると、脚が長く見えたり、スタイルがよく見えたりする効果がありますよね!」

高岡:「そうですよね。お尻は、トレーニングしないと縦に伸びて長くなってしまいます。でも、トレーニングをするとお尻がプリッとして、脚が長く見えますよね。
それと、見た目だけじゃなくて機能的にも重要です。大切なことなのでくり返しますが、お尻を鍛えること・肛門を締めて泌尿器科系を鍛えることは骨盤底筋を鍛えることにもつながります。
そんな背景から、見た目のためだけでなく40代を超えると筋力が弱るので、日々少しの時間だけでも筋トレはしたほうがいいですね」

両側人工股関節の大手術を経て、ミスコン大会へ参加。レッスン開始!

一恵:「ところで、高岡さんは76歳で両側人工股関節の手術を受けられていましたが、術後のトレーニングで気をつけていることはありましたか?」

高岡:「人工股関節のもちをよくするために、ジャンプ系の運動はしないようにしています。先生からはとくに制限されていないので、ジャンプ系をしている人もいるのですが、私はそれだけはやらないようにしています。なぜなら、関節と関節がぶつかって摩耗するというのが、再度、股関節を取り替えるいちばんの原因になるのだそうです。ジャンプしたり、走ることも上の関節と下の関節をぶつけるので、長く持たせようと思うと天然の骨のようにはいかないので骨と骨がぶつからないよう、気をつけています」

一恵:「人工股関節の手術関係なく、年齢を重ねていくことで気をつけたほうがいいことを医師目線で教えてください」

高岡:「60代以降の人たちを見るとよくわかると思うのですが、歳を重ねるごとに、みなさん本当に姿勢が悪くなってきますよね。とくに猫背。医学的に解説すると骨と骨の間の椎間板がせまくなるので、意識しないと背中が丸くなってきます。同年代が集まる同窓会に行くとみんな背中が丸まってるんですよ。

私も元々は丸くなってしまっていたのですが、人工股関節の手術と大会への参加をきっかけに、立ち姿を美しくしたいと思ったので、ウォーキングのレッスンを開始しました。手術後、1か月ごとに歩く姿をカメラで撮って、客観的に自分の姿をチェックして、すこしずつ修正していったんです。
おかげさまで、人工股関節の手術をしたのに、手術前よりも今のほうが断然キレイに歩けます」

一恵:「地道な努力、ずばらしいですね。ちなみに、ウォーキングの先生に教えてもらった、家でもできるトレーニングはありますか?」

高岡さんの美しい姿勢を保つコツ

高岡:「100円均一で売っているつっぱり棒(1m弱)を、2本の腕と背中の間に横に通します。まず10分間その状態で歩いて、そのあとつっぱり棒なしで歩いてみましょう。つっぱり棒をつけると、真っ直ぐとはどういう状態か・背すじが伸びるというのはどういうことかがわかりますよ。

あとは、股関節のエクササイズですね。いろいろ試してみたけど、私自身、やっぱり蛙トレーニングがいちばん股関節の可動域を広げるには効果的だと考えています」

一恵:「最後に、どうして年齢を重ねても挑戦し続けられるのかを教えてください」

高岡:「とにかく、同年代の人だって、やればここまでできるんだよと伝えたいのがいちばんですね。もう歳だからと億劫になったり、年齢を言い訳にして動かないということは私の考えにはないです。動かないと動けなくなるので、そこは本当に大切にしています。例えば、1週間寝たきりになったら筋肉は20%落ちると言われているのですよ」

一恵:「同じ年にミセスユニバースジャパンを受けた30~50代の人から、高岡さんと出会えただけで受けた価値がありました!というお声をいくつもいただいています。今回のインタビューでFYTTEの読者に向けて伝えたいことはありますか?」

高岡:「30〜40代のときから運動習慣を身につけることはとても大切です。30代から始めるのと70代から始めるのでは効果も全然違うんです。年齢を重ねてから必要に迫られて始めるより、若い年代から習慣化するととてもよいと思います。

若い世代のジムの仲間を見ていても、同じようにやっているのに、結果も違うし、結果がでる速さも全然違うと感じます。そもそも筋肉の質が違うので、早ければ早いほどいいです。でも止めちゃうと筋肉が落ちてしまうので、継続することが大事だと思います」

学生時代から、「誰かの役に立ちたい」という利他の精神に目覚め、医師を志した高岡さん。離島診療や東日本大震災のボランティア医療に従事するなど、働き盛りの時期はただひたすらに突っ走ってきたそうですが、反面、自身の体をあまり顧みることがなかったそうです。

しかし歳を重ね、自分の体に向き合うことで、多くの女性たちを元気にすることができると気づいた現在。これからも、その前向きでひたすらに努力する姿は、私たちにすばらしい影響を与えてくれることでしょう。

高岡さんのドレス姿

 

■取材協力■
高岡 邦子(たかおか くにこ)
1943年4月17日東京出身・現在80歳。内科医師。
千葉大学医学部を卒業後、沖縄の離島巡回診療に従事・東日本大震災時には
医療支援に従事。その後、東京赤坂にて高岡クリニック開業。
予防医学・健康スポーツ医学の分野に力を入れる。
(現在は引退)
人工股関節手術を経験後、前向きで新しい挑戦をすべく、ミセスユニバース ジャパン2022に出場し、TOP5及びフォトジェニック賞を受賞。ほかのファイナリストにとっての希望と憧れの的として女性たちを魅了する。

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