寒さで体が縮こまり、外で運動するのがおっくうになりがちな冬。そんな季節にぴったりの「冬のラジオ体操教室」が開催されました。講師を務めたのは、『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』の著者で、NHKテレビ・ラジオ体操の指導者としても活躍する鈴木大輔先生です。FYTTE編集部も参加者のみなさんと一緒にラジオ体操に挑戦! いつもの動きも、使っている筋肉や体の動かし方を意識してみると、終わるころには体がじんわりポカポカに。今回は、教室で教わったラジオ体操のポイントや魅力をレポートします。
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笑顔と熱気に包まれた「冬のラジオ体操教室」を体験!

寒さが厳しくなると、外出やジム通いがおっくうになり、どうしても運動する機会が減りがち。そんな冬場でも、室内で手軽に体を動かせるのがラジオ体操です。
今回開催された「冬のラジオ体操教室」には、健康や運動に関心を持つ参加者のみなさんが集合。鈴木先生の指導のもと、2人1組になって腕の動かし方をチェックしたり、声を出しながら体を伸ばしたりと、会場は終始、笑顔と熱気に包まれていました。
FYTTE編集部も参加者のみなさんと一緒にラジオ体操に挑戦!

ふだん何気なく行っている動きも、鈴木先生の解説を聞きながら「いま、どこの筋肉を動かしているのか」を意識すると、体の使い方が変わる感覚が。ひと通り終わるころには、じんわり汗ばむほど体が温まっていました。
たった約3分! ラジオ体操には3つの運動要素が詰まっている
「たった3分ほどの体操で、本当に運動になるの?」と思う人もいるかもしれません。
鈴木先生によると、ラジオ体操には「有酸素運動」「ストレッチ」「筋力トレーニング」という、異なる運動の要素が含まれているそう。
運動着に着替えたり、寒い屋外に出かけたりしなくても、室内で気軽にとり組めるのもラジオ体操の魅力。運動するハードルが上がりがちな冬こそ、毎日の習慣にとり入れやすい運動といえそうです。
約444の筋肉を動かす!? 大切なのは「お手本通り」より自分の体を意識すること
ラジオ体操第1は、全13種類の運動で構成されています。鈴木先生によると、これらの動きによって全身にある約444の筋肉を動かすことができるのだそう。
ただし、ここで大切なのが「テレビのお手本とまったく同じ形にしようとしないこと」。
「テレビ体操に出演するアシスタントのみなさんは、体操などの経験が豊富で、柔軟性も高い人たち。その動きをそのまま再現しようとして、ムリをする必要はありません。『自分のどの筋肉が動いているのか』を意識しながら、体の状態に合わせて動かすことが重要です」(鈴木先生)
柔軟性や体調には個人差があります。お手本の「形」に近づけることよりも、自分の体と向き合いながら、ムリのない範囲で心地よく動かすことが大切なのだそうです。
鈴木先生直伝! 冬に意識したいラジオ体操のポイント3つ
ここからは、実際の教室で鈴木先生に教えてもらった、ラジオ体操をするときに意識したい3つのポイントをご紹介します。
1.「かかとの上げ下げ」でふくらはぎをしっかり使う

ラジオ体操第1の「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」で意識したいのが、かかとの動きです。
かかとを上げるときは、左右のかかとの内側をつけるように意識するのがポイント。こうすることで、ふくらはぎの筋肉をしっかり使いやすくなります。
ふくらはぎを動かすことで血流を促すことにもつながり、冷えが気になる冬の運動にもぴったり。また、かかとの上げ下げによって骨に刺激を与えられるというメリットもあるそうです。
2.腕は「真横・真上」を通すイメージで大きく回す

「腕を回す運動」では、何となく腕を回していると、動きが体の前後に偏ってしまいがち。
そこで意識したいのが、腕を体の「真横・真上」に通すことです。体の近くを通りながら、大きな円を描くように回していきます。
日常生活では、腕を体の前で動かすことが多いもの。いつもとは違う方向へ大きく動かすことで、肩まわりの筋肉にもアプローチできます。
寒さで肩をすくめることが多い冬は、とくに気持ちよさを感じられる動きでした。
3.前後に曲げるときは「深さ」よりフォームを意識

「体を前後に曲げる運動」では、「どこまで曲げられるか」よりも、それぞれのフォームを意識することが大切です。
前屈するときは、指先をムリに床につけようとする必要はありません。おへそや脚の間をのぞき込むようにして、首から背中を丸めていくのがポイント。
後ろへ反るときは、手を腰の後ろ、お尻の上あたりに添えて体を支えます。まずは顔を正面に向けたまま、腰を前へ。余裕があれば、目線を斜め上へと移していきます。
このとき、息を止めないことも大切。教室では「わー!」と声を出しながらみんなで実践。自然と余計な力が抜け、胸やお腹を気持ちよく伸ばすことができました。
ラジオ体操は、人と人をつなぐきっかけにも
今回の教室で印象的だったのは、ラジオ体操が単に「体を動かす時間」だけではなかったこと。
参加者同士で動きを確認したり、一緒に声を出したり。教室が進むにつれて参加者のみなさんの表情もほぐれ、会場には自然と一体感が生まれていました。
特別な道具が必要なく、年代を問わず参加しやすいラジオ体操は、人と人、そして地域とゆるやかにつながるきっかけにもなります。
忙しい40代、50代にとっても、仕事や家庭とは別に、人とゆるやかにつながれる場所を持つことはひとつの楽しみに。公園や地域のコミュニティなどで身近に参加できるラジオ体操は、そんな新しい「居場所」になる可能性もありそうです。
2028年には、ラジオ体操が誕生して100周年を迎えます。長く親しまれてきた背景には、体を動かすだけではない、こうした人と人をつなぐ魅力もあるのかもしれません。
いつものラジオ体操を「自分の体と向き合う3分間」に
今回の教室を通してわかったのは、ラジオ体操は「お手本通りにきれいに動くこと」がゴールではないということ。
「いま、どこの筋肉を使っている?」
「今日はどこまで気持ちよく伸ばせる?」
そんなふうに自分の体に意識を向けながら動くだけで、おなじみのラジオ体操も、いつもとは違ったものに感じられました。
寒くて外に出るのがおっくうな日も、まずは約3分。自分のペースでラジオ体操から体を動かしてみてはいかがでしょう。
『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』(アスコム)
<プロフィール>
鈴木大輔さん
NPO法人全国ラジオ体操連盟理事長、NHKテレビ・ラジオ体操指導者。日本体育大学体育学部社会体育学科卒業後、保健体育教諭などを経て、2016年よりNHKテレビ・ラジオ体操の指導者として活動。全国各地の講習会やイベントを通じて、ラジオ体操の普及に取り組む。著書に『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』(アスコム)がある。
取材・文/FYTTE編集部




