立ちっぱなしや座りっぱなしといった同じ姿勢を長時間続けていると、腰痛が悪化することも。また女性は、毎月の生理で腰痛を感じやすいもの。ストレッチでこまめに血行を促進すると、腰周りの重だるさが解消されますよ。簡単にできる方法をトレーナーの坂詰真二先生に伺いました。
Contents 目次
女性は生活習慣から起こる腰痛と女性のリズムで起こる腰痛がある
腰痛の原因はさまざまで簡単に特定することはできませんが、一般的には姿勢からくることが多いようです。同じ姿勢を長時間続けたり、猫背や逆に背中が反り返ったような姿勢をしていませんか? 思いあたる人は腰痛が起こりやすいといえます。
私たちの座り姿勢を支えるのは、頭から腰までブロックのように骨を積み重ねた「背骨」です。そして、この背骨の間には、クッション的な役割を持つ椎間板があります。本来、背骨は、ゆるやかなS字カーブを描きながら、体に受ける衝撃をうまく分散させているのですが、背中を丸めた悪い姿勢を続けていると、椎間板を変型させる力が加わり、その結果、背中を通る神経を刺激して痛みが生じることもあります。
こうした習慣から起こる腰痛は、背骨を支える「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」や「多裂筋(たれつきん)」、腰と骨盤をつなぐ「腰方形筋(ようほうけいきん)」といった筋肉のこりをストレッチでゆるめ、正しいカーブをとり戻すことで、ずいぶんとラクになります。その上で、腹筋や背筋を鍛えると腰痛に強い体に近づくことができます。
また女性は、毎月の生理で、骨盤内のうっ血から腰痛が起こることもありますから、こうしたストレッチをするのもいいいでしょう。
ここで紹介するストレッチは、どちらかひとつを行うだけでも効果はありますが、「動的ストレッチ」のあとに「静的ストレッチ」をすると、血行が促進されて、こりがほぐれやすくなりますよ。
なお、すでに背骨や椎間板の変型が見られる場合、脚や腰に強い痛みやしびれがある場合、俗に言う「ぎっくり腰」の場合は、ストレッチで悪化することもあるので、医師の指示を仰いでください。
【腰痛予防の動的ストレッチ】
イスに座り、お尻を上げ下げするストレッチです。上げているお尻とは逆のわき腹と腰周りの筋肉がストレッチされているのを感じましょう。
1)イスに座り両手を頭の後ろに組む
両脚を肩幅くらいに開き、イスに浅く腰掛ける。両手は頭の後ろに組みます。
2)お尻を持ち上げてわき腹を閉める
息をゆっくり吐きながら、右のかかとを上げ、同時に右側のお尻を持ち上げ、右のわき腹を縮めます。逆側の左のわき腹が伸びているのを意識しましょう。このとき、おへそから上が左右に傾かないようにしてください。息を吸いながら(1)の姿勢に戻り、再び息を吸いながら、同様にして左のかかと、お尻を持ち上げる。左右交互にリズミカルに20回くり返します。
(これはNG)
下半身の動きにつられて、上半身も傾いてしまうと、わき腹や腰周りの筋肉がストレッチされません。
【腰痛予防の静的ストレッチ】
斜め前に出した腕の重さで、わき腹~腰周りを伸ばします。
1)イスに座り、片腕を上げる
両脚を肩幅より広めに開き、イスに座る。手のひらを内側に向けて左腕を上に上げ、右手は手のひらを下にし、ももの上に置く。
2)腕を斜め前に出す
息を吐きつつ左腕を斜め前方に出しながら背中を丸めていきます。腕の重さで、わき腹が伸びているのを感じましょう。その姿勢を10秒キープ。息を吐きながら元の姿勢に戻り、逆側も同様に。これを1~3セットくり返します。
撮影/山上忠 モデル/蒼木まや ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/平川恵