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寝起きの体、すぐ疲れる脚の悩みも解決! 〜みるみる体が整う「アレクサンダー・テクニーク」とは?【後編】〜

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寝起きの体、すぐ疲れる脚の悩みも解決! 〜みるみる体が整う「アレクサンダー・テクニーク」とは?【後編】〜

前編ではアレクサンダー・テクニークの考え方や、立つ・座るといった基本姿勢のコンディショニングについてご紹介しました。後編では、寝たのに疲れが取れない、脚の疲れやむくみといった日常生活のプチ不調を改善する方法をお伝えします。

Contents 目次

自分ですぐできる! 朝起きたときの“いや〜な不調”改善テク 

「ちゃんと寝たのに、起きても疲れが…」そんな経験がある人も多いはず。これもアレクサンダーで解消できます。
木野村さんによると、就寝時は全身の力を抜いてリラックスしていると思いがちですが、実際には多くの人が体に余計な力が入ったまま寝ているそう。そのために、脳は休みたいのに体が緊張していて、しっかりと眠ることができていない場合も。
そこで、よりよい眠りのためにポイントになるのが、体をオフにすること。 

「体にこれから寝ますよ』と指示してあげることでオフのスイッチを入れることができます。これをしないで寝てしまうと、急に脳からの指令が途絶え体は宙ぶらりんに。それが寝ている間中緊張しっぱなしという状態を作ってしまうというわけです。特に疲れてバタンキューというときは、オフに切り替わっていないので、注意しましょう」 

【オフスイッチの入れ方】

(1)ベッドに横たわったら、自分の体に意識を向けてみる。
(2)疲れやコリ、痛みや違和感がある部位は力が入っているところ。手でムリなくさわれるところはさわりながら「今から寝るよー」と声をかける。 

「体(脳・神経回路・筋肉)へ意識的な呼びかけをすることで、自動的にオンであり続けていた状態から、オフのスイッチを作っていきます。オンをやめたら勝手にオフになるのではなく、オンとオフは別のスイッチです。オフのスイッチを作り、オフになる練習をしていくと、本当にリラックスした状態になれます。」

“腰の反りを解消するストレッチ”で究極ラクな寝姿勢に

朝起きたときに疲れや体の痛みを感じる人は、腰が反ったまま緊張した状態で寝ている場合が多いそう。寝る前のストレッチで腰の反りを解消してあげるのも有効です。 

「背骨が背中側にあるという勘違いにも関係していますが、ふとんに背中をつけているつもりでも、実際には腰が反り、寝ている間ブリッジをしているような状態のままという人も少なくありません。試しにあお向けに寝てみて、腰と背中の間あたりに手を入れてみてください。手が入るようならブリッジ姿勢になってしまっている証拠。リラックスして寝るためには、腰と背中の力みや縮みを解いてあげましょう」 

寝ている間のブリッジ状態を改善するためのストレッチはコレ! 

あお向けの状態であまり筋肉を使わないように片ひざずつゆっくり持ち上げ、両ひざを抱える。ゆっくりと脚を胸に引き寄せじんわり背中や腰が伸びるのを待ってから、ゆっくり片ずつろす。 

背中まわりの筋肉に入っていた余分な力がほぐれて、背中が床にいた状態に! 手が入る隙間がなくなればストレッチ完了です。 

ひざ下から足先までの不調改善を編集部が体験! 

木野村さんがレッスンで多くの生徒さんと接するなかで最近多いのがO脚や平足歩いたらすぐ疲れるなどの脚のお悩みなのだとか。実は編集部員Tも偏平足脚の疲れに悩む1人。さっそく木野村さんにレクチャーを受けながら、アレクサンダーにトライしてみました! 

まずは脚を見ないでやってみて! 「くるぶしってどこにある?」 

木野村さん:突然ですがT橋さん、内くるぶしと外くるぶしって同じ位置と高さにあると思いますか? 自分の脚を見ずに答えてみてください。
T橋:えーと、同じ高さですよね。
木野村さん:答えは×! 外くるぶしは内くるぶしよりも後ろで、高さはやや下。内くるぶしは外くるぶしよりも前、そして高い位置にあります。
T橋:(実際に見て)本当ですね! 並行で同じ位置だと思い込んでいました。
木野村さん:本来、外くるぶしは足裏からこぶし1個分上の高さあたりにあります。もっと低い位置にあると認識していたため、本来使うべき足裏の筋肉を上手に使えず、偏平足になってしまっているようです。 

さっそくT橋が長年悩みの偏平足を改善すべく、アレクサンダーに挑戦! 

(1)
脚を組み、脚を上げたほうと反対の手で、親指は内くるぶしの下ややうしろに、親指以外の4本の指を外くるぶしに添わせながら軽く脚を握る。「内くるぶしは前で上にいく、外くるぶしはうしろで下にいく」と言い聞かせながら、それぞれの方向へ、ほんの少し圧力をかける。筋肉が緊張しないよう、やさしくおこなうのがポイント。 

(2)
手の位置を変えて足裏から、もう片方の手はアキレス腱側から、かかとと
土踏まずを包み込むようにし、
「外くるぶしから下はこぶし1個分が入るほど長い」とイメージしながら、足底のほうへ移動させるようにゆっくりとさする。 

(3)
両手を外くるぶしの
下からかかとあたりで重ね、親指同士もなるべく近い位置にして両手でかかとを支える。そのままかかとをやや内側へ入れるように、ゆっくりと動かす。
 

わずか数分のストレッチで親指がまっすぐに&アーチができた!

なんと、木野村さんにガイドしていただきながら数分間さすったり動かしたりしただけで、見た目でハッキリとわかるほどT橋の脚に変化が! 

T橋:今まで内側に入っていた親指がまっすぐになって、土踏まずができてる~! 足裏も浮いた感じがなく、指先がぴったりと床について、体のバランスがよくなった気がします。
木野村さん:全体に脚が上がり、ひざ下が長くなったようにも見えますね!
T橋:これだけで直るなんで、なんだか魔法みたいですね(笑)
木野村さん:あまりにすぐ変化を感じられることや、わかりやすい運動などではないためか、スピリチュアルなものと勘違いされることも多いのですが(笑)、体の自然なしくみを思い出させてあげているだけなんです。
T橋:これだけのことでここまで変わるなんて…。アレクサンダーのすごさを実感できました! 
木野村さん:一度行っただけで改善されるわけではないので、毎日正しい位置を確認することが、偏平足改善につながりますよ! 

前編、後編の回にわたり、話題のアレクサンダー・テクニークについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 脳の勘違いをリセットするという画期的なコンディショニング法、ぜひとり入れてみてくださいね。 

撮影/田辺エリ イラスト/德丸ゆう 取材・文/遊佐信子 

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