階段を登ったり、ちょっと体を動かしただけで、疲れやすくなっていませんか。
筋肉量の減少とともに疲れやすさを感じるようになりますが、疲れると行動範囲も狭くなり、体力への自信もなくなってしまいますね。
今回は、整形外科医でスポーツドクターの中村格子先生の著書『カラダのおくすり体操』から、「疲れない力」をつける方法についてお伝えしていきます。
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疲れやすさは体幹の衰えから
何をしていてもすぐに疲れてしまう・・・。
これも老化とともに起こってくる現象です。なぜ疲れやすくなるのかというと筋肉量の減少が関係しています。
加齢とともに筋肉量が減っていくことを、“サルコペニア”と言いますが、年をとるとただでさえ、筋肉量は減ってしまうのに、運動をする習慣がないと、さらにどんどん減ってしまいます。
体の脂肪に対して筋肉量の割合が多いと脂肪を無理なく動かせるのですが、筋肉量が減って割合が脂肪より減ってしまうと、たくさんの脂肪を少ない筋肉で動かさねばならのため、ひとつひとつの動作に大きな労力がかかるため疲れやすくなってしまうのです。
特に、“近位筋”という体の中心に近い筋肉、つまり腰や太ももなど体幹の大きな筋肉は、歩いたり立ち上がったり、階段を上ったりといったさまざまな日常動作を担う筋肉で、この筋肉が減ってしまうと格段に疲れやすくなります。
ですから、疲れない力をつけるには体幹の筋肉を鍛えることです。おすすめはスクワットのような運動です。
股関節周りの筋肉を鍛えて疲れにくい体に
「あお向けスクワット」
寝て行うスクワット。体幹の筋肉が鍛えられ、立ったり、歩いたり、座ったりがラクになり疲れにくくなります。
1 壁の前にあお向けに寝て、両脚を伸ばして上げ、壁に足の裏をつけます。足の裏で壁を押すようにぴったりとつけましょう。両腕は真横にまっすぐに伸ばします。
2 息を吸いながら右ひざを曲げて、カラダに引き寄せます。次に、息を吐きながら右足を元に戻し、息を吸いながら左ひざを曲げて、カラダに引き寄せます。これを左右で1回として5回。
体操を始めるのに、早過ぎたり、遅すぎることはありません。体が動かせるようになっていくと、生活がラクになり、気持ちも明るく、前向きになっていくはずです。
文/庄司真紀
参考書籍
中村格子著『カラダのおくすり体操 弱った力別 運動強度別に医師が処方! ぐんぐん動ける! 』(ワニブックス)