ますます身近になっているヨガ。体の面でも、筋肉やバランス感覚が鍛えられるのは言うまでもありませんが、心の面でも効果を実感できるところが、ほかの運動とはちょっと違うところかもしれません。このたび研究結果の分析からそうしたヨガの効果があらためて確認されました。
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科学的に効果の分析が進んでいる
ヨガの人気は高まる一方です。セブン&アイ出版が行った「日本のヨガマーケット調査2017」によると、日本では月に1回ヨガを行っている人が約590万人、年間では約770万人に上るという結果が出ており、今後さらに増えていくと見られています。米国では2015年に年間およそ3670万人が実践。2020年までには5500万人に増えるという推測もあり、日本よりも米国のヨガ人口がさらに多いことになります。
ヨガをめぐっては、その効果についての科学的な根拠もいろいろと出てきているのです。ヨガをすると不安感とうつ症状が少なくなる、高齢者では認知機能低下のリスクが減少する、リウマチ性関節炎の症状が軽くなるといった効果など、さまざまな面から研究が進んでいます。
このたび英国エジンバラ大学などの研究グループは、ヨガの効果を調べた22件の研究を分析して、その効果を論文に報告しました。
研究で行われたヨガのプログラムは、30〜90分のセッションを1か月〜7か月と多様です。こうしたプログラムを行うグループと、行わないグループ、ウオーキングやエアロビクスを行うグループと効果を比べるものです。
ウオーキングなどと比べても効果大
ヨガの効果としていくつものすぐれた点が認められました。何の運動もしない場合と比べて向上したのは、体のバランス、下半身の柔軟性、下半身の強さ。さらに、うつ症状の軽減、睡眠の質の改善、活力アップの効果もありました。心身の健康についての満足度が高まるという効果も見られました。
ウオーキングなどの軽い運動に比べても、ヨガは下半身の強さと柔軟性を効果的に高められることが証明されており、うつ症状を軽くする効果でも上回ることがわかりました。
運動不足の改善どころか、軽い運動よりも効果的ということになります。いわば体を若返らせてくれるような効果。ヨガに取り組む人はさらに増えても不思議ではないのかもしれません。
<参考文献>
セブン&アイ出版「日本のヨガマーケット調査2017」
Number of yoga participants in the United States from 2012 to 2020 (in millions)
https://www.statista.com/statistics/605355/us-yoga-participation/
Int J Behav Nutr Phys Act. 2019 Apr 5;16(1):33. doi: 10.1186/s12966-019-0789-2.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30953508