「内ももの隙間が欲しい」「O脚や骨盤の歪みが気になる」「ダイエットだけでは太ももが細くならない」など、脚へのお悩みを抱えている女性は多いですよね。筋トレやエクササイズは用意するものが多くて面倒!という人におすすめなのがマットだけでできる「ヨガ」です。脚にアプローチするヨガを、タレントでヨガインストラクターの花田美恵子さんに教えていただきました。動画でもわかりやすく紹介しているので、チェックしてみてください。
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無理をせず、自分のその日のエネルギーに合わせて行って
花田美恵子さんが続けているのは、ヨガのなかでももっとも伝統的でハードだといわれるアシュタンガヨガ。適度な筋肉をつけることで、脂肪の燃焼を促し、ダイエット効果も高まります。
アシュタンガヨガを学ぶなかで、何度も指導されてきたことがあるそうです。
「背骨への意識ですね。ヨガクラスでレッスンをするときには、どのポーズでも『背中が1枚の板のようになっているようにイメージしましょう』と伝えています。肩の力を抜き、耳と肩の間に空間を作って肩の力を抜くのもポイントです。ポーズは誰かと比較するものではありません。『無理のない範囲で、理想のポーズに近づける』ということを目指して欲しいと思います」
子育てや仕事で忙しい毎日のなかでも、ヨガを長く続け、ライセンスまで取得した花田さん。無理なく継続するための心構えについて聞いてみました。
「ヨガのいいところは、自分のその日のエネルギーに合わせて行えるところ。無理をせず、『今日の自分にとって気持ちのいいところ』まで体を動かせばストレスなくできると思います。
私は朝ヨガを行うのが習慣になっていますが、この時間に必ずやると決める必要はありません。時間があるときに、毎日ひとつでも自分の好きなヨガポーズで体を動かし、心身の変化をモチベーションにしながら、ぜひ継続して欲しいですね」
脚へのコンプレックスを吹き飛ばしてくれたヨガ
セルライトやよけいな脂肪がなく、筋肉の存在がわかり、でも細すぎない。そんな花田さんの太ももは、年齢を問わず多くの女性が憧れるハリ感やシルエットを備えているのではないでしょうか。
シュッとした内ももと、ほどよく筋肉の存在が感じられるメリハリある脚はヨガによって作られたもので、驚くことに以前は「脚」がコンプレックスだったというのです。
「小さいころからメリハリのない太い足首だったんですよ。冷え性でむくみもなかなかとれず、いつも『ズドン』と太い脚でした。祖母も同じ脚をしていたので血筋なんだとあきらめていましたが、ヨガを続けているうちに脚がシュッと引き締まってきたんです」
ヨガを続けることで、脚太りの原因であったむくみを解消して美脚効果を実感できたという花田さん。そんな経験から、脚の太さやむくみに長く悩んでいる人には、ぜひヨガを活用して欲しいといいます。
「メリハリのあるレッグラインを作るには、ある程度の負荷も大切です。ヨガでしなやかな筋肉をつけて基礎代謝を上げつつ、老廃物で滞りがちな脚のめぐりの改善も行うことで年齢を重ねても、重力やむくみに負けない美しいレッグラインがキープできると思いますよ」
ヨガには柔軟性を高めるだけでなく、筋力アップや、マッサージやリンパケアと同じようにデトックス効果も期待できるんですね。
では、さっそく花田さんおすすめの美脚ポーズにチャレンジしてみましょう。
水分補給を忘れずに、無理のない範囲で行うのがポイントですよ。
Parivrtta Parsvakonasana 体側を伸ばすポーズ
かかとから脚のつけ根、さらに手の先まで、体側を一直線に伸ばすポーズ。
脚をすみずみまで刺激できます。
<1>
右脚を前にして、脚を前後に大きく開きます。
上体を前に倒しながら、腰を落として両ひざを曲げ、胸は右ひざにつけます。
両手は、右足の両わきで床につきます。
<2>
左ひざを伸ばします。左手を床から離したら、上体を左側に向け、左腕を頭の方向に伸ばします。
右太ももは床と平行に、左足のつま先は45°外側に向けて。
左手から左足のかかとまでのラインを一直線にし、ここで5呼吸。
手脚を入れ替えて、同様に。
【「体側を伸ばすポーズ」のやり方を動画でチェック!】
Uttanasana 足と手のポーズ
股関節から体をパタンと折りたたむように前屈するポーズ。
長時間のデスクワークなどで血流が滞りがちな脚の裏側全体を伸ばします。
<1>
脚を腰幅に開いて立ち、ひざを伸ばしたまま前屈していきます。
手は足の外側につきましょう。
<2>
さらに深く前屈し、顔をすねに近づけます。
お腹を奥に引っ込めるように力を入れ、頭の重さを感じながら上体はリラックスしましょう。ここで5呼吸。
<これでもOK>
手を床につくのがキツい人は、前から足首をつかんでみましょう。
このポーズをフィニッシュとし、ここで5呼吸。
【「足と手のポーズ」のやり方を動画でチェック!】
Virabhadrasana 英雄のポーズ
ポーズ名はヒンドゥーの神に由来。
脚を前後に大きく開いて前脚のひざを曲げ、曲げた足のかかとと、後ろ足裏全体で体を支えるようにします。
<1>
右脚を前にして、脚を大きく開きます。
太ももが床と平行になるまで右ひざを曲げ、両手は右ひざの上に。
左ひざは伸ばして左足のつま先は45°外側に向けます。
上体が前に倒れたり後ろに反ったりしないよう、垂直に背筋を伸ばすようにします。
<2>
両手を右ひざから離し、右腕を前にして両手を前後に伸ばします。
両腕は水平に、手のひらは床に向けて。
左足のかかとが床から浮かないように注意。ここで5呼吸。
手脚を入れ替えて同様に。
【「英雄のポーズ」のやり方を動画でチェック!】
kapotasana 片足のハトのポーズ
そけい部や脚の内側を伸ばし、下半身の血液やリンパの流れを促します。
むくみや疲労感がスッキリ。
<1>
左脚を前にして脚を前後に大きく開き、左ひざを曲げて腰を落とします。
左ひざを外側に倒し、左脚の外側を床につけます。
手は肩の下よりやや前方で床に。
右脚はひざを伸ばし、足の甲を床につけておきます。
<正面から見ると…>
左ひざは外側に向けます。左足裏は体側に向け、かかとを体につけましょう。
<2>
両手を床にすべらせながら頭の方向に腕を伸ばしていき、上体を前に倒します。
顔も床に向け、上体は左脚にあずけるようなイメージで。ここで5呼吸。
脚を入れ替えて、同様に。
【「片足のハトのポーズ」のやり方を動画でチェック!】
padangusthasana 足の親指をつかむポーズ
座りっぱなしの姿勢などで血管が圧迫されがちな脚の裏側をストレッチ。
深く前屈ができない人は、下腹部を引き上げるように意識すると前屈しやすくなります。
<1>
足を少し開いて立ち、つま先は正面に向けます。
脚のつけ根から折り曲げるイメージで前屈し、手で左右の足の指をそれぞれつかみます。
<2>
さらに上体を折り曲げていき、顔をひざに近づけ、頭頂部を床に向けます。
背骨とおへそを近づけるようにお腹に力を入れ、お尻は天井に向かって高く引き上げます。ここで5呼吸。
顔がひざに近づかない人は1のポーズまででOK。
【「足の親指をつかむポーズ」のやり方を動画でチェック!】
halasana 鋤のポーズ
脚全体を持ち上げることで、末端で滞りやすい脚のめぐりをサポート。
背筋を伸ばして、お尻を高い位置でキープして行いましょう。
<1>
床にあお向けになり、両ひざを立てます。
腕は体のわきに伸ばし、手のひらを床につけます。
<2>
手で床を押し、ひざを伸ばしながらお尻を持ち上げ、両脚をそろえて頭の方向に。
手で腰を支え、肩に体重を乗せます。
あごは引いて胸に近づけ、脚はピンと伸ばしたままキープして。ここで5呼吸。
<Point>
脚を頭の方向に伸ばしても、背中はできるだけ立てておきます。
背筋をまっすぐキープしましょう。
【「鋤のポーズ」のやり方を動画でチェック!】
Pavanamuktasana 片脚のガス抜きのポーズ
片ひざずつ胸に引き寄せて、お尻〜脚の裏側を伸ばします。股関節まわりの緊張もとれ、めぐりやすい下半身に。
<1>
あお向けになり、両脚をそろえて伸ばします。ひざを曲げながら右脚を上げていき、ひざを胸に近づけます。左足の足首は立てず、つま先は伸ばしておきます。
<2>
右ひざを両腕で抱え、胸のほうに引き寄せます。左脚はつま先の方向に伸ばし、ここで5呼吸。<1>に戻り、反対側も同様に。
<これはNG>
肩の後ろ側が浮いてしまったり、肩に力が入ってしまったりするのはNG。力を抜き、肩をしっかり床につけて。
【「片脚のガス抜きのポーズ」のやり方を動画でチェック!】
Supta Padangusthasana あお向けで足の親指をつかむポーズ
ひざを伸ばしたまま脚を上げ、脚裏全体を伸ばします。より大きく伸ばすために、手で正しく足先をつかみましょう。
<1>
あお向けになります。ひざを曲げながら、右脚を上げていき、右手で右足の親指をつかみます。
<2>
親指をつかんだまま、右ひざを伸ばしていきます。右ひじも伸ばし、親指のつけ根を天井に向かって押し上げます。ここで5呼吸。手脚を入れ替えて、同様に。
<このときの足は>
手でつかむのは足の親指。つま先全体をつかんでしまうと、親指のつけ根を天井に向かって押し上げにくくなります。
<これはNG>
天井に向かって押し上げるのは、親指のつけ根。かかとを押し上げて、つま先が下がり、ひじが曲がってしまうのはNG。
【「あお向けで足の親指をつかむポーズ」のやり方を動画でチェック!】
Utkatasana On Toes つま先立ちのイスのポーズ
かかとを高く高く上げ、つま先立ちになるポーズ。バランスを取ろうとすることで、ふくらはぎはもちろん、全身の筋肉を使います。
<1>
脚を軽く開いて立ち、両腕を肩の正面で伸ばします。手のひらは床に向けましょう。
<2>
つま先立ちになり、できるだけ高くかかとを上げます。頭の方向に、まっすぐ体を上げましましょう。
<3>
つま先立ちになったまま、両ひざを曲げます。腕は水平ラインをキープし、上体を起こしたら、ここで5呼吸。
<これはNG>
上体が前に倒れ、お尻が後方に突き出てしまうのはNG。お尻は下に落とし、最後に上体を起こします。正しい姿勢をキープしたまま、上げられる高さまでかかとを上げましょう。
【「つま先立ちのイスのポーズ」のやり方を動画でチェック!】
Garudasana ワシのポーズ
片側の脚に反対側の脚を巻きつけ、バランスをとります。脚の内側の筋肉が使われ、バランスのいいレッグラインに。
<1>
脚を閉じて立ちます。両腕を頭の上に伸ばし、ひじを伸ばして1度手を合わせます。
<2>
体の横を通して両腕を下ろしていきます。右腕を下にして、両腕を胸の前でクロスさせます。
<3>
両腕をクロスさせたまま両ひじを曲げ、両手を合わせます。腕を引き寄せ、手を顔の前あたりにもってきます。
<4>
右脚を上げて、前から左脚に巻きつけます。右足のつま先が、左ふくらはぎあたりにくるように。左ひざを曲げて腰を落とし、ここで5呼吸。
【「ワシのポーズ」のやり方を動画でチェック!】
マットひとつでいつでも始められる人気のヨガ。夜には激しい運動は控えて、瞑想をとり入れてリラックスしたり、朝に代謝をアップさせるのにもぴったり! 太ももの脂肪燃焼にも効果的な動きで、スッキリ美脚を手に入れましょう。
撮影/山上忠 ヘア&メイク/坂口勝俊(Sui) 取材・文/馬渕綾子