季節の変わり目はなんとなく体がだるい…という人も多いのではないでしょうか。とくに今は、新型コロナウイルスの影響で、ふだん通りの生活が送れないこともしばしば。このような時期に、東洋医学のプロはどのようにして不調を回避しているのでしょうか。鍼灸師・国際薬膳師・国際中医師の岡尾知子先生にうかがうと「“寝ること”そして“起きること”が大事」というシンプルな答えが返ってきました。岡尾先生が実践する、快調な生活の秘訣とは?
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薬膳の仕事をしていると、「健康の秘訣はやはり食べものですか?」と言われます。さぞかしいいものを食べているんだろうと思われがちですが、じつは、食べものに関してはあまり神経質に考えていません。では、不調に陥らないように何をしているか。私が大切にしているのは、「寝ること」そして「起きること」です。
東洋医学には、陰陽論という哲学があります。「陰」と「陽」は自律神経の交感神経と副交感神経に似ています。交感神経が優位な日中は「陽」の時間、副交感神経が優位な夜は「陰」の時間。陰陽のリズムが健全であれば、体と心の状態は安定し、不調に陥りにくくなるのです。そのために重要なのが、睡眠を中心とした生活のリズムにほかなりません。
具体的には、朝のルーティンを大切にしています。起きる時間はだいたい5時~5時半。少し薄暗い時間に起きて、朝日が昇るのと同時に活動をスタートし、朝食、トイレ、お化粧などを行います。朝食の主食は、パンかごはんですが、パンのときはヨーグルト、ごはんのときは納豆と、必ず発酵食品をとるのが日課です。
仕事のない日は、朝食の前に散歩したり、ジョギングしたりします。1日の最初に朝日を浴びながら体を動かすと、自然界の陽気の高まりに合わせて体が温まるので、いいウォームアップになる気がします。そして、朝食もおいしく食べられます。
決して「毎日やらなくちゃ!」と自分に義務を課さないようにし、「天気がいいから」とか「運動したいから」とか、自分の気分を最優先にするのが私流です。
朝のゆるやかな健康習慣をもてば、仕事で忙しくても、ストレスがたまっても、体の軸が大きくぶれません。夜はぐっすり眠れるし、食生活も、体が本当に必要なものだけを食べたくなるのです。そのおかげで、便秘やむくみといった女性に多いお悩みもなくなりました。
「でも毎日5時起きはちょっとムリ…」ですよね。ご安心ください。起きる時間は「7時」でも「7時半」でも、ご自分の生活スタイルに合わせて決めればいいと思います。起きる時間を決めると、前の日に夜更かしても、早寝しても、起床時刻で生活リズムがリセットされ、リズムが崩れることがありません。これを続けていると、前の晩に何時に寝ても、しぜんと同じくらいの時間に目が覚め、朝寝坊もしなくなります。
生活が不規則な方は、まず1か月、試しに決まった時間に起きてみてください。体が内側から変わるのを、きっと実感できますよ!
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