家に閉じこもっていると、ついつい生活習慣が乱れがち。そんな日々の生活は病気にもつながる可能性があり要注意です。たとえば、乳がんも生活習慣と関係していると知られています。英国の研究グループは、5つの生活習慣に着目して、乳がんのかかりやすさの差を分析。好ましい生活習慣を送っている女性は乳がんが少ないという結果に。参考にしてみるとよいかもしれません。
Contents 目次
生活習慣と乳がんは関係する?
日本の女性にとって乳がんはもっとも身近ながんです。国立がん研究センターの推定値によると、生涯で乳がんになるのは10人に1人。日ごろ健康であっても、気をつけたい病気といえるでしょう。治療手段は発達してきていますが、病気を防ぐためにどうすればよいのかは世界の医学界においても関心事です。
このたび英国の研究グループが注目したのは女性の生活習慣が乳がんのなりやすさにどのような影響を与えるかです。「キャンサーリサーチUKガイダンス」という指針に基づいて5つのポイントから生活習慣が健康的かどうかを調べています。その5つの点とは、「健康的な体重を保てているか」「日常的に運動できているか」「ホルモン補充療法を5年を超えてしていないか」「経口避妊薬を使っていないか」「アルコールは週に3回未満にとどまっているか」。研究グループは、この5つの点について、4つ以上当てはまっていると「好ましい」、2~3当てはまっていると「中間」、1つ以下だと「好ましくない」と分類。遺伝的な情報も踏まえて、乳がんのなりやすさを計算しました。
生活習慣との関係はありそう
分析からわかったのは、好ましい生活習慣に分類された女性は、乳がんになりにくいということ。遺伝的に乳がんになりにくい女性のグループのなかで、好ましい生活習慣の女性と比べると、好ましくない生活習慣に分類された女性は乳がんのなりやすさが1.63倍になるとわかりました。遺伝的に乳がんになりやすい女性のグループのなかでは、好ましい生活習慣の女性と比べて、好ましくない生活習慣の女性の乳がんのなりやすさは1.39倍という結果に。好ましい生活習慣の5つのポイントのうち当てはまるものが多いと、乳がんになりにくいとわかったのです。
乳がんは遺伝的な要因に加えて、日々の生活習慣の要因が大切だと考えられていますが、あらためてこうした結果が示された形になりました。外出自粛のなかではついだらけた生活になりがちかもしれませんが、意識的にダイエット、運動を心がけることは、乳がんを防ぐという点からも意味があると考えてよいのかもしれません。
<参考文献>
Al Ajmi K, Lophatananon A, Mekli K, Ollier W, Muir KR. Association of Nongenetic Factors With Breast Cancer Risk in Genetically Predisposed Groups of Women in the UK Biobank Cohort. JAMA Netw Open. 2020;3(4):e203760. Published 2020 Apr 1. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.3760
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32329772/
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2764845