「8時間は眠らないといけない」「明日は早く起きなくてはいけない」「心配ごとやイライラがある」など、誤った睡眠知識の思い込みや眠れないことへのあせり、精神的なストレスは眠りを遠ざける原因です。今回は、睡眠コンサルタントの友野なおさんに「眠れない夜の正しい過ごし方」を教えていただきました。
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寝つきが悪い夜の正しい過ごし方
眠れない日が続いてしまうと「睡眠恐怖」が生じ、不安や緊張感、睡眠状態への強いこだわりがどんどん強まって過覚醒な状態になってしまうことがあり、この状態は不眠をますます悪化させてネガティブスパイラルを生み出す根源ともなりえます。
不眠によるベッドの上での苦痛な経験が長くなるほど、ベッドが「リラックスして休む場所」から「孤独で苦痛な場所」という認識が潜在意識に刷り込まれてしまうことも。「明日も眠れないのでは?」「ベッドに行くのが怖い」という新たな苦しみにつながってしまう可能性も否定できません。
ベッドに入っても30分以上眠れない場合は、一旦ベッドから出て過ごすことがおすすめです。このとき、時計は見ないようにすることがポイント。時計を見てしまうと、どうしても「あと何時間しか眠れない」「もう何時間も眠れていない」と数字のカウントが始まってしまい、脳が冴えてしまうと同時に精神的にも不安定になりやすくなってしまいます。ラジオも定期的に時間のお知らせが入るので、寝つけない夜が続いている場合には、やめたほうがよいかもしれません。
眠れないからといってテレビやスマホを見たり、パソコンで仕事をしたりする行為はNGです。読書やぬりえ、編み物など、光の刺激物を避けた行いをするようにしましょう。リラックスして過ごしている中で眠気のサインが訪れたら、すぐにベッドに戻ることがお約束です。
「眠ろう」と意気込み過ぎるあまり、かえって寝つきを悪くさせてしまうケースもあるため、あまり神経質になり過ぎず、ゆったり構える姿勢を心がけてくださいね。
また、仮に思うように眠れない日があったとしても、「1日くらい眠れなくても大丈夫!」「昨日眠れなかったぶん、今夜ぐっすり眠れるだろうな!」と開き直る気持ちを持つことも、睡眠にともなう不安や恐怖を軽減してくれることにつながりますよ。
「こうでなくてはならない」「こうしなくてはいけない」という0か100かというような極端な思考パターンは一度手放して、「自分が眠れるペース」をあせらずゆっくり作っていきましょう。