難しい知識が必要というイメージの薬膳ですが、じつは身近な食材で簡単に実践できます。なんとなくそのときの気分で選びがちなコンビニ食も、使われている食材に注目して目的に合わせて選ぶと、あっという間に薬膳メニューに。チャーハン+タピオカデザートで疲れた体も元気に回復!
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体のエネルギー源「気」を充実させよう!
ふだんから疲れやすい、あるいは疲れが取れにくい人は、中医学からみると「気」が足りていない証拠。「気」は、体のガソリン源になるもので、不足していると、当たり前に作用している機能の働きが弱まってしまいます。
「疲れやすいだけでなく、食べたあとに眠くなる、風邪をひきやすい、朝すっきりと起きられないなども、『気』が足りないと起きやすい不調です。『気』不足が進むと冷え性や血行不良の原因にも。栄養素や血液、体液などが体を巡るためにも必要不可欠な『気』。不調を感じたら、『気』を補う食材をとり入れてみてください」
疲労回復したいときは…【チャーハン+タピオカデザート】
米(うるち米)は、気(エネルギー)を補う食材。そしてなんと、流行りのタピオカ(キャッサバといういもを原料とするもの)も、同様です。意外に感じるかもしれませんが、疲れが取れないときには、いも類がおすすめです。滋養強壮の食材として知られている山芋も、気を補う生薬として使われています。タピオカデザートは、ミルクティーなどのドリンクに入っている黒糖を加えたものよりも、糖分が控えめなココナツミルクなどと一緒にプリンなどのデザートタイプを選びましょう。疲れているときこそ、パンなどで手軽に済ませずに、米を食べてエネルギー不足を解消しましょう。
<さらに疲労回復効果を上げるワンポイントアドバイス>
食後に強い眠気を感じる人は「気」不足の場合が多く、消化にエネルギーを使うため、パワー不足になり眠くなってしまいます。消化に使うエネルギーをできるだけ節約するには、食べるものだけでなく量も重要。午後、仕事に集中したいという日は、できるだけランチは消化に負担がかからないものを選び、腹8分目を意識して食べるようにしましょう。食事の内容や量によって、体がどう変化するかを日々観察し、自分に合う食事バランスを見つけてみてください。
あらゆる不調につながる「気」不足。毎日元気に過ごすためにも、ちょっとした不調や変化に合わせて、食事を選べるようになるのが理想的です。
イラスト/伊藤ハムスター 文/高野瞳