外出自粛の期間を抜け、なまった体を元に戻そうと運動時間を積極的にとるようにしている人も多いでしょう。久しぶりの運動だと、体の負担が重くなりがち。健康管理も一層大切になりそうです。運動をすると心拍が上がり、血液の循環がよくなりますが、運動後に血圧が異常に上がってしまう人は気をつけるとよいかもしれません。海外の研究から、心臓発作になりやすいなどの問題につながると報告されました。
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運動で気をつけたい健康管理
スポーツ庁は、安全に運動やスポーツをするポイントを公開しています。新型コロナウイルスによる外出自粛では運動不足、体重の増加、ストレス、体調不安といった問題を感じている人が増えていると指摘しています。
スポーツに取り組むことで、感染症への抵抗力をつけるばかりではなく、ストレス解消や体重コントロール、体力の維持、血流の促進をできると説明。安全な運動のために感染症を避ける三密状態への注意、熱中症の予防などが大切と指摘します。
運動をするときには、体への負担を避けるのも重要です。健康管理の指標のひとつになるのが血圧です。このたび米国ボストン大学の研究グループが、運動をしたあとの血圧と健康との関係について分析しました。血圧の変化が見られる人で注意すべき特徴があるのかを調べたのです。
心臓発作などのリスクが上がる
こうした分析からわかったのは、血圧の上昇がある人は、心臓や血管の健康に問題がある可能性があるということでした。具体的には、心臓の肥大や動脈硬化につながる血管壁の肥厚(壁が厚くなること)が起きているとわかったのです。さらに、ふだんの生活のなかでも高血圧にもなりやすいほか、心臓発作のような心臓や血管の病気になる恐れも高いとわかったのです。
逆に運動後に時間を置かずに血圧が元に戻ってくる人は、心臓や血管の健康が保たれている可能性があることもわかりました。病気のリスクが低いと考えられます。
運動を始めるのをきっかけに、血圧測定を始めてみるのはよいことかもしれません。今回の結果によらず、健康管理にとって血圧は大切。異常が確認できたならば、医療機関でのメディカルチェックを考えてみるのもよいでしょう。
<参考文献>
新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について(スポーツ庁)
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop05/jsa_00010.html
Lee J, Vasan RS, Xanthakis V. Association of Blood Pressure Responses to Submaximal Exercise in Midlife With the Incidence of Cardiovascular Outcomes and All-Cause Mortality: The Framingham Heart Study. J Am Heart Assoc. 2020;9(11):e015554. doi:10.1161/JAHA.119.015554
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.119.015554
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32431193/