疲労臭、ストレス臭、ミドル脂臭、加齢臭など、気になるニオイの予防、改善には、食生活を見直すことも大切です。『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』の書著で、ニオイにくわしい桐村里紗先生に、ニオイを改善する食生活のポイントについて、うかがいました。
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スイーツの食べ過ぎがニオイのもとに!?
ストレス臭、ミドル脂臭、加齢臭――これらの引き金になるのは、皮脂の分泌の増加や皮脂の酸化です。食生活では、皮脂の分泌のカギを握る血液中の中性脂肪を増やさないようにすることが大切です。
では、具体的にどのような点に注意したらいいのでしょうか。
「女性が注意したいのは、クッキー、ケーキ、菓子パンなどのスイーツの食べ過ぎです。こうした洋菓子系のスイーツは、バターや砂糖をたっぷり使っていますが、中性脂肪は、脂質と糖質の組み合わせで増えてしまいます。一度にたくさんの量を食べていなくても、仕事の休憩時間のおやつに、食後のデザートに、テレビやスマホを見ながらの“ながら食い”……などで、知らず知らずのうちに食べていることもあります。“チリツモ”に要注意です。それから、ご飯、麺類などの炭水化物のとり過ぎにも気をつけましょう」
お酒の飲み過ぎにも注意します。
「お酒を飲むと、肝臓ではアルコールが優先的に代謝されるため、脂肪の代謝があと回しになり、中性脂肪が増える原因になってしまいます。
また、この中性脂肪が肝臓に蓄積すると脂肪肝という状態になり、肝臓の機能が低下。アンモニアなども代謝されにくくなり、疲労臭にもつながります」
抗酸化力を高めて、ニオイを撃退
また、気になるニオイにつながる皮脂の酸化は、活性酸素が発生することも原因のひとつです。食事で、抗酸化作用のある食品をとることもおすすめです。ポイントは4つです。
Point1:野菜、海藻、豆類をたくさん食べよう
「野菜、海藻、豆類に含まれる色や香りの成分・フィトケミカルは、抗酸化力にすぐれています。緑黄色野菜のカロテノイド、緑色の野菜や海藻のクロロフィル、大豆のイソフラボン、ゴマのセサミンなどを積極的に摂取しましょう」
Point2:抗酸化作用のあるビタミンEをとろう
「皮脂の酸化を抑える“抗酸化ビタミン”のビタミンEをとりましょう。アボカドやナッツ類、ゴマなどに多く含まれています。柑橘類やピーマンなどの野菜に含まれるビタミンCと一緒に摂取すると、抗酸化力が高まります」
Point3:質のよい脂質をとろう
「亜麻仁油、エゴマ油、魚の油に含まれるオメガ3系は、中性脂肪を減らす働きがあります。オリーブオイル、米油、菜種油などのオメガ9系は、必須脂肪酸ではありませんが、酸化しづらい脂質です。また、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は強力な酸化作用があるので、控えること!」
Point4:緑茶、紅茶、ウーロン茶を飲もう
「飲みものでは、緑茶のカテキン、紅茶・ウーロン茶のタンニンなどにも抗酸化作用があります」
カンタンに取り入れられることばかりなので、いつもの食生活をちょっと見直してみてはいかがでしょうか。
取材・文/海老根祐子