熟睡のメリットは数えたらキリがないほど、心身のパフォーマンスを上げてくれます。コロナ禍では一層、ストレス対策や免疫力アップのために睡眠の力は侮れません。今回は、睡眠専門医の白濱龍太郎先生の著書『熟睡法ベスト101』から、夜、熟睡するための昼間の過ごし方について、4つのポイントを抜粋してご紹介していきます。
Contents 目次
1. 午後の眠気対策はランチメニューを見直す
お昼過ぎに訪れる眠気。寝不足だときついものがありますね。
「人間には“睡眠圧力”という眠気の強弱リズムが働いています。眠くなる時間は起床時間から6〜7時間後、つまり朝6時に起床した場合であれば13〜14時くらいの時間帯となります。24時間のうち2回の眠気のピークがあり、そのひとつが昼過ぎにあたるわけです。
昼間に眠くなるのは当然の反応で寝不足だった場合は余計に眠くなってしまうでしょう」(白濱先生)
お昼過ぎの眠気はある程度、ふつうのこと。食事の工夫からも眠気を防ぐことができます。
「食事をしたあとに眠くなるのは、食事後に上がる血糖値を下げるためにインスリンが分泌されるから。人間はインスリンが分泌されると自然に眠くなるのですが、特に満腹状態のあとはインスリンが大量に放出分泌されるので強い眠気に襲われます。昼食は炭水化物(糖質)を控えめにしてたんぱく質や野菜などの食物繊維を意識して食べると、それほど強い眠気に襲われません」
2.睡眠に悪いランチは辛いもの、熱いもの
昼食は朝食の4〜5時間後にとるのがベストだそう。
「その時間帯だと、朝に食べたものが消化されており体に負担がかかりません。午後のエネルギッシュな活動のためにも、昼食では体の材料となる栄養素であるたんぱく質をしっかり摂取したいところ。肉類などの高たんぱく食材をとるのに、最も適しているのはじつは昼食です。それとは逆に昼食に適さないのが、鍋などの熱い汁物や香辛料を大量に使った辛いものです」
熱さの刺激でしゃきっと頭が冴えそうな気もしますが、昼間に深部体温が過剰に上がると、それ以降の変動リズムが狂ってしまう可能性があるとのこと。気をつけたいですね。
3.正しい昼寝のとり方で脳を劇的に回復する
昼寝はやはり短時間が正解!
「日中の能力アップに意外なほど効果的なのは15〜20分程度の短い昼寝です。昼寝の時刻は午後1時前後がベストで、遅くとも午後3時までには済ませてください。これよりも遅い時間の昼寝だと、夜の熟睡の妨げになってしまって本末転倒だからです。そして20分以上は眠らないよう注意が必要。これ以上寝てしまうと眠りが深くなって目覚めが悪くなります」
4.テレワークは通常通り日中仕事をする
テレワークだと生活リズムが乱れてしまいがち。できるだけオフィスにいるのと同じように日中仕事をしましょう。
「テレワークは子どもの世話などで仕事を中断できるなど、柔軟なスタイルで仕事ができます。その反面、日中は家庭の用事や周囲の環境に左右されることから、コアな仕事をするのは夜が深まり、自分の時間が確保できてから行うという人も多いようです。それでは準夜勤をしているようなもの。通勤時と変わらぬ時間帯に自宅でコアな仕事ができるよう、家族にも協力を仰ぎましょう。状況的に難しい場合は、ワーキングスペースを利用するなど日中に集中して仕事ができる環境を獲得してください」
一見関係ないように思えますが、昼間も夜の睡眠を意識した生活が大事。最近よく眠れていないという人は、特に“睡眠ファースト”で、寝る前だけではなく、日中の過ごし方も変えてみるといいでしょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『ぐっすり眠れる×最高の目覚め×最強のパフォーマンスが1冊で手に入る 熟睡法ベスト101』(アスコム)