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運動のタイミングを間違えると眠れなくなる!? 最適な時間帯はいつ?
運動習慣のある人とない人では、睡眠の質が違うと学術的に報告されています。快眠を得るためにも日中、積極的に運動することがいいとされていますが、運動習慣をとり入れる場合、どんなことに意識して行えばいいのでしょうか。睡眠コンサルタントの友野なおさんに教えていただきました!
Contents 目次
運動習慣を快眠につなげるための守るべき時間ルール
「睡眠と運動」の関係については学術的にも数多く報告があり、日常的に運動をしている人は、運動習慣がまったくない人に比べると、深い眠りに入れることが多いということが明らかになっています。日中に運動を行って積極的に疲れることで「疲れたからぐっすり眠れる」効果が働くことが、快眠が誘われる理由です。
また、運動をすることで体温が上昇し、その後、休息モードに切り替わる段階で体温が下降する際の落差で眠気が訪れるというメカニズムが働きます。そのため、スムーズに眠りの世界に入れるようになるのです。
運動習慣を快眠につなげるためには守るべき時間ルールが存在します。運動は体温が最も高い19時前後に行うことがおすすめです。この時間帯は運動のゴールデンタイムともいえますが、体温が1日の中でも最も高く、覚醒レベルがとても高いので、眠ることができない「睡眠禁止帯」とも呼ばれています。運動実施の時間は30分程度で、強度はムリのない範囲の内容でOKです。
運動は「習慣化」させることが最も大事なので、運動が苦手な人は、まずは自分で「これなら続けられる」と思うものから始めるのがいいでしょう。なかなか運動のために時間を確保できない場合は、帰宅する際にひと駅分歩くといったような、日常の生活の中にムリなく落とし込める内容にしてください。
最近では24時間オープンジムなども増えていますが、快眠の点から考えると21時以降の運動はおすすめできません。せっかく体が休息モードになる準備を始めているのに、そこで運動をしてしまうと交感神経が優位になってかえって眠気が遠のいてしまうからです。残業後はジムに通ったり、ジョギングをしたりするなど汗をかくような激しい運動は避け、自宅にてストレッチをしたり、ヨガをしたりするようにしましょう。ノー残業デーやプレミアムフライデー、仕事が早く片付いた日、休日などはぜひ、さわやかな汗を流していただきたいと思います。
ちなみに、朝の運動はおすすめできません。朝は体温がまだ十分に上がっていませんし、脳もまだ完全に目覚めていないため、筋肉や神経へうまく指令が伝わらず、体がスムーズに動かない状態であるため、朝は運動するのに最も向かない時間帯なのです。それに、朝は血圧の状態が極めて不安定で、脳卒中や狭心症などを大変引き起こしやすいので、健康を阻害するリスクがとても高く、危険です。
運動習慣は行う時間に意識を向けること、そして習慣化させることで快眠がぐっと後押しされます。自分のライフスタイルに合わせて楽しく続けられる内容を考えて、取り組んでいきましょう。