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コロナ禍でリモートでの仕事が主流になった今、睡眠に問題を抱える人が増加中です。こうった背景には大きく3つの要因があると考えられています。今回は睡眠コンサルタントの友野なおさんに、コロナ禍で睡眠の質が低下した背景と快眠へ導くコツを教えてもらいました。
- 監修
- 友野 なお
コロナ禍で生活リズムの変化。リモートでも快眠体質を維持する方法
まずひとつ目が、出社時間が曖昧になったことで起床時間が一定でなくなり、生活リズムが乱れたこと。2つ目は日中の活動量が著しく低下したこと。3つ目は先の見えない不安感やストレスを抱えるようになったこと。皆さんも思い当たるところはありますか?
リモートになって通勤時間が減ったぶん、睡眠時間が確保しやすくなるかと思いきや、かえって前日の夜に夜更かしがちになってしまうというお声が多く、結果として夜型生活による体内リズムの乱れが生じて、睡眠に悪影響が及んでしまっている状態です。日々の就寝・起床の時刻は1時間以上ずらさないことが理想的といわれています。
特に起床時間に関しては体内時計を乱さないようにするうえでとても重要なので、もしも前日の就寝時間がいつもと異なってしまう場合であっても、毎日の起きる時間は同じになるように心がけましょう。そして起床後には真っ先に空を見上げ、太陽の光を目の中に15秒間入れます。そうすることで、そこから約14~16時間後に眠くなる予約のスイッチが脳の中で押され、夜になると自然と眠たくなるというフローが仕上がるのです。
また、外出を控えたり、通勤がなくなったことで運動量が大幅に減ってしまっている人も少なくありません。運動することが良質な睡眠に貢献することはこれまでの数々の研究でも報告されていますし、「体が疲れる」ということは、質の高い睡眠を実現するうえでとても大切なことなのです。コロナ禍で運動系の動画配信サービスなどは以前よりもとても充実しているので、こういったものを活用して仕事や家事のすき間時間を使い、運動するようにしましょう。
さらに、睡眠はメンタルの影響も大きく受けるため、心のケアも大切です。将来への強い不安感や、これまでのように発散できないストレスなどが原因でうまく眠れなくなってしまうことがあります。
例えば、暗い内容や不安感を強めるような情報がインプットされることは快眠を妨げる行為のひとつなので、夜にニュースを見ることはおすすめできません。変わりに、ぬりえをしたり、読書をしたりしてストレスや不安から心理的な距離をとるようにすると、自然と心身がリラックスモードに切り替わり、眠りの準備が整います。
今のライフスタイルに合った快眠対策としてちょっとした習慣を新しくとり入れたり、あるいは手放したり。ムリのない範囲で工夫をしながら、上質な睡眠を手に入れてくださいね。
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友野 なお
睡眠コンサルタント /産業心理カウンセラー。 株式会社SEA Trinity代表取締役。
千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程。順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。「社会予防医学」「社会疫学」のフィールドにおける睡眠を研究し、健康寿命の延伸、健康格差の縮小を目指す。自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に「ぐっすり眠れる不思議な塗り絵」(西東社)、「ねこ先生クウとカイに教わるぐっすり睡眠法(KADOKAWA)「昼間のパフォーマンスを最大にする正しい眠り方」(WAVE出版)、「疲れがとれて朝シャキーンと起きる方法」(セブン&アイ出版)、「大人女子のための睡眠パーフェクトブック」(大和書房)など多数。書籍は韓国・台湾・中国全土でも翻訳され発売中。
Website SLEEP CULTURE: http://tomononao.com/
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