CATEGORY : ヘルスケア |睡眠
寝酒習慣が入眠障害の要因!? ワーキングパーソンの正しいお酒のつき合い方
ストレス解消法のひとつとしてとり入れられることの多い飲酒習慣は、とり入れ方によっては睡眠障害の原因となりえます。そう、教えてくれたのは睡眠コンサルタントの友野なおさん。夕食時にアルコール飲料を飲む人は多いのではないでしょうか。外食がしにくい昨今、家飲みが増え気のゆるみにより摂取量も増えているかもしれません。今回は、睡眠を邪魔しない飲酒習慣についてです。
Contents 目次
寝る前に1杯だけ。その寝酒でいい睡眠がとれていますか?
アルコールは不安や緊張を和らげるとともに催眠作用を発揮するため、アルコールを摂取すると入眠を促す作用はありますが、アルコールやその代謝によって発生するアセトアルデヒドによって、主に睡眠後半にて中途覚醒が起こりやすくなってしまいます。また、アルコールには利尿作用があるため、尿意による中途覚醒などの影響もみられ、総合的に見るとアルコールの摂取は睡眠の質を低下させてしまいます。
事実、日本人24,686人を対象として行われた調査では、寝酒習慣のある男女はともに睡眠維持困難と関連していることが明らかになっているのです。
アルコールの摂取は「睡眠の質を低下させる」というだけでも問題ですが、アルコールは比較的容易に耐性が形成されるため、寝酒の習慣を長期間続けた場合、徐々に量を増やしていかないとどんどん寝つけない状態になってしまうリスクが指摘されています。そうなると通常の飲酒と比べて摂取量が急速に増加しやすく、アルコール依存症への進展リスクを高めることにつながりとても危険です。
また、連用していると、入眠への障害や深い睡眠も減少してしまうだけでなく、睡眠時無呼吸症候群を筆頭とするさまざまな睡眠障害の誘因になることも忘れてはいけません。眠ることを目的に寝酒を始めた結果、睡眠障害に陥ってしまっては本末転倒。就寝前の寝覚め習慣がある人は睡眠専門の医療機関を受診し、対処していきましょう。
それと寝酒の習慣はなくても、月に何回か仲間と飲む場も気をつけなくてはなりません。ダラダラ続く飲み会は深酒の原因になりがち。睡眠への影響を最小限にし、翌日二日酔いにならないためには、摂取するアルコールの絶対量を減らすことです。そういった場合にはお酒の合間にノンアルコールドリンクをはさむなどしてインターバルを置くようする、お酒とノンアルコール飲料を一緒に注文し、交互に飲むようにする、時間を決めたらその時間以降はノンアルコール飲料に切り替えたりするようにしてください。
また、お酒のおつまみには唐揚げや揚げポテトなど、脂質や糖質の高いものを選ぶ傾向が高く、「飲み会不眠のスパイラル」が作られてしまうことにもなります。おつまみにはサラダや野菜スティック、枝豆、豆腐料理、厚焼き玉子などを選ぶようにし、消化器官に負担をかけすぎないように注意しましょう。
就寝2時間前までに飲み終えているのが理想的なスケジュールであることを念頭におき、「昨日の飲み会のせいで眠れず、ミスをしてしまった」なんていう言い訳を翌日にしなくてもいいような飲み方で、お酒の場を楽しんでくださいね。