マスク生活になったことで、むし歯や口臭といった、口内の悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか? 先日、日本歯科医師会主催「歯と口の健康シンポジウム2021」が開催され、医師、歯科衛生士といった歯のプロフェッショナルが、歯の健康寿命を延ばす重要性について教えてくださいました。その内容をご紹介します。
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口の健康管理は将来の楽しみにつながる
歯の健康寿命と言われても、高齢世代に達していないとなかなかふだんは実感できないものですが、今回「歯と口の健康シンポジウム2021」に登壇した歯科医師の枝広あや子先生によると、高齢世代になればなるほど、人生においていちばんの楽しみ、よろこびは”おいしいものを食べること”になるそう。その反面、食生活は病気のために食事制限があったり、やわらかいものしか食べられないなど、食べたいのに食べられるものが限定されてしまうのだそうです。
人であるからこそ、いつかはやってくる高齢世代。いつだって健康的でおいしい食事がしたいなら、今から始めておきたいのが口の健康管理。ウィズコロナ時代の、新しい歯のみがき方も教えていただきました。
歯ブラシは小さいヘッドを使う
歯ブラシのブラシ部分は、小さめの歯ブラシのものを選ぶとよい、そう教えてくださったのは、日本歯科医学会連合 副理事長の川口陽子先生。
歯みがきをする際に、白くネバネバしているものは食べかすと思われがちですが、じつはそれは歯垢で、細菌の塊なのだそう。この歯垢をしっかり落とすべく、歯の1本1本をしっかり、歯と歯の間をしっかりとみがくために、ブラシが小さめの歯ブラシを使いましょう。
口は開けずに閉じてみがく
歯みがきをする際に、口は閉じて行いましょう。“飛沫”というワードは、コロナ禍において、イヤというほど耳にしたのではないでしょうか。口を開けたまま歯みがきをするだけで飛沫が飛んでしまいます。口を閉じるだけでも飛沫はぐっと抑えられることから、ウィズコロナ時代の新しい歯みがきスタイルは、口を閉じて行いましょう。
みがく方向は、縦ではなく横
続いて教えてくださったのは、歯科衛生士の岩切美奈さん。
「歯みがきをする際に気をつけてほしいポイントは、歯周ポケットを作らないこと。そのためには、歯と歯肉の境目である、歯周ポケットが心配されるところをしっかりみがける横みがき(バス法・スクラビング法)がおすすめです」
「歯ブラシは鉛筆持ちをしましょう。握り持ちは歯に余計な力が加わってしまいますので、(力の弱い)お年寄りや子どもなどにはおすすめです。歯ブラシを歯に当てるときの力は、ブラシが潰れてしまわない程度で行います。小刻みに、小さく歯ブラシを動かすことで汚れを落とせますので、大きく動かさないようにしましょう。ちなみに、電動歯ブラシは歯ブラシ自体が小刻みに動いていますので、ゆっくりと歯から歯へ移動させるように当てるだけで、キレイに汚れを落とすことができます」
ぜひ今日から、新しい歯みがき法をやってみてくださいね。
【取材】日本歯科医師会
取材・文/高田空人衣