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不調改善、美肌、免疫力アップも常在菌のバランスがカギ! 専門家が提案する“菌ケア”とは?

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不調改善、美肌、免疫力アップも常在菌のバランスがカギ! 専門家が提案する“菌ケア”とは?

“菌ケア”を当たり前にするために−。総合的な菌ケアサービスを展開する株式会社KINSを立ち上げた下川穣さん。菌ケア専門家としてSNSなどでも発信を続け、著書『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』を発刊しました。「菌ケアであらゆる不調は根本から改善できる」と下川さん。今回は、基本となる菌ケアについて教えていただきました。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

菌のバランスが乱れて起こる不調

下川さんは歯科医からキャリアをスタートさせ、その後、遺伝子や菌を専門とした都内の医療法人の理事長に就任。

「都内の医療法人では診療歴は5年くらいになりますが、そこで腸内フローラや口内フローラのバランスが崩れると何が起こるのか、ということを目の当たりにし、人生が大きく変わりました。2500人以上の患者さんを担当し、一般的なクリニックでは治りがたい、アトピー性皮膚炎、過敏性腸症候群、自臭症といった方々も治療しました。そうした“どこに行っても治らない”病気は、要因はアレルギーや自律神経などさまざまですが、根本には菌のバランスが関係していたのです」(下川さん)

菌のバランスを整えることで、あきらめかけていた不調や病気が改善。喜びの涙を流す患者さんがあとを絶たなかったそうです。この経験から、菌ケアの重要性をより多くの人に伝えるために株式会社KINSを設立。

「クリニックでは限界があり、悩みをもつ方にお伝えするには、スピード感が遅いと感じていました。コロナ禍となり丸2年、菌ケアの大部分を占める腸は免疫とも大きく関わっています。腸内環境を整えることのすばらしさを一人でも多くの方に伝えたいと思っています」

基本の菌ケアは食事から

寿司
本書より/発酵食品たっぷりのケールの手巻き寿司

下川さんが提案する菌ケアは、腸内だけにとどまらず、全身にすむ菌の状態を最適に保ち、日々をより快適に過ごすためのさまざまな工夫のことを指しています。

「菌ケアの範囲はとても広く、多種多様です。食事やスキンケアを含めて、 “ライフスタイルを菌にやさしくする”という考えに近いかもしれません。まずは腸の状態から整えていきましょう。おそらく現代に生きるほとんどの人には腸内細菌のバランスに問題があり、それが全身の不調に影響を及ぼしている可能性が高いのです」

菌ファーストの菌ケア3か条

ヨーグルト

目指したいのは、理想的な菌バランスを保つ腸内環境。 栄養を効率よく消化吸収し、老廃物をしっかり排出。免疫機能を整え、脳にポジティブな情報を送り、幸せホルモンをたっぷりつくり出すために、意識してほしい基本の3か条を紹介します。

1.菌をとり入れる

一般的に「プロバイオティクス」と呼ばれる考え方です。体にすむ菌に影響を与える方法として、外から菌をとり入れます。具体的な行動として納豆、みそ汁、ぬか漬けのどれかを毎日とるようにしましょう。
主にとり入れたいもの:納豆、みそ汁、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、甘酒、酒粕、マッコリなど

2.菌を育てる

どれだけ菌がたくさんいても菌のエサになるものを与えないと、有益な成分はつくられません。そのうえ、エサがなくなると菌はその数をどんどん減らしていきます。菌の栄養になる成分をとり入れていくことが重要です。
主にとり入れたいもの:ポリフェノール(りんご、緑茶、いちご、プロポリスなど)、
難消化性オリゴ糖(玉ねぎ、ごぼう、バナナ、アスパラガスなど) 、水溶性食物繊維(きのこ類、海藻など)、オメガ3脂肪酸(青魚、ナッツ類、亜麻仁油、えごま油、チアシードオイルなど) 、そのほかにもオリーブオイルや雑穀、玄米など

3.菌の邪魔をしない

悪玉菌を増やすような行為や善玉菌にダメージを与える行為をなるべく控えることも大事。
不安な気持ちを抱いたときなど、脳がストレスを感じると分泌される物質は善玉菌の遺伝子情報を操作して、悪玉菌にしてしまうことがわかっています。そのため、ストレスをためないことが大切です。また、食事のメインが「赤身肉」である人は腸内の善玉菌が減りやすく、逆に悪玉菌が増えやすい傾向にあるので注意が必要。

菌にやさしいライフスタイル

石けん

腸以外にも、肌や髪も菌の影響を受けやすいパーツ。食事以外の菌ケア生活の基本を見ていきましょう。

■弱酸性のスキンケアをする

本来、健康な肌は弱酸性に保たれていますが、バランスが崩れてアルカリ性に傾くと、肌にすむ真菌マラセチアが活発になり、バリア機能が低下。ニキビや肌荒れのリスクが高まります。肌のバランスを崩さないためには洗い過ぎないこと、強い界面活性剤を避けることです。

■シャワーの温度はぬるめに設定

熱い温度のシャワーは頭皮の乾燥を招き、それは皮脂の増加につながります。かゆみ、フケ、薄毛や白髪など、頭皮の健康にも菌のバランスが大きく関わっており、悪玉菌は過剰な皮脂を栄養にして増殖します。シャワーはなるべく低い温度、少しぬるいと感じるくらいがベターです。風邪をひかない程度にぬるま湯を意識してみてください。

■デリケートゾーンは専用石けんでやさしく洗う

健康な膣内は8割以上が乳酸菌で占められています。このバランスが乱れると、かゆみなど不快感のもととなるだけでなく、子宮や妊娠率にも影響してきます。まずやめたいのは石けんをつけてゴシゴシ洗うこと。石けんはアルカリ性なので、膣内の乳酸菌の割合を低下させてしまいます。

まずは2週間、 菌ケアを意識して生活を試してみましょう。

「お腹、肌の調子が落ち着く、気持ちがポジティブになる、睡眠が深くなる、という変化があったら腸内環境が向上しているサインです」と下川さん。

日頃から菌ケアを意識することで、全身に菌にやさしい環境がつくられていきます。

参考書籍

『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』(幻冬舎)

著者/

下川 穣(しもかわ ゆたか)
KINS代表、菌ケア専門家。岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3か月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導を行う。医療法人時代に、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌ケアによる根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。

取材・文/庄司真紀

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