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肝臓への負担が招く目の疲れや眠りの浅さ… お酒のじょうずな飲み方と足刺激方法を知ろう!
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、毎日の目の疲れや、眠りが浅くなっていることが悩みです。足相から、肝臓に負担がかかっていることが明らかに。肝臓の働きを助ける足刺激テクニックとお酒とのつき合い方をご紹介します!
Contents 目次
足の甲がまだらな人は、肝機能への負担に要注意!
今回のモニターは、ヨガインストラクターをしている40代前半のHさんです。
Hさん:「もともと眠りが浅く、ここ数年は睡眠時間も短いためか、常に交感神経が優位になっているようで休まりません。毎日、晩酌をしないと眠れないほどです。また、目の疲れも気になります」
きよみ先生は、Hさんの足裏を見るなり、肝機能の弱さをズバリと断言しました。肝臓に負担がかかっていることを示す、典型的な足相が出ているそうですよ。
きよみ先生:「足の甲や足裏の色が黄色と紫色のまだらになっていますね。これは肝機能が弱っていることを示す足色です」
●足裏と足の甲の色が、均一でなくまだらに見える
Hさんは、自分でも思い当たるふしがあるようで、はっと驚いた表情になりました。
Hさん:「もともと全くお酒を飲まなかったのに、この2~3年は家事、育児、仕事と毎日全力投球で、1日の最後に『私、今日もお疲れ様!』という気持ちで晩酌をするのが楽しみになりました。そのうちに『お酒がおいしい!』と感じるようになり、気がつけば晩酌しないと眠れなくなってしまって。最近飲み過ぎかな、と思っていました」
Hさんは、もともとアルコールに弱いので、お酒はたくさん飲まないようにし、ワインを少量飲むように気をつけていたそうなのですが…。
きよみ先生:「肝機能が弱っていると、腰や肩に痛みが出たり、目全体がショボショボして痛みが出やすくなったりします。アルコールが弱い人は、お酒の量が少なくても肝臓の負担になりやすいのです。寝ている間に肝臓がアルコールを分解しようと一生懸命働くので、ぐっすり眠れず、睡眠の質も低下してしまいます」
Hさん:「心当たりがあり過ぎます…。その通りですね!」
「足色がまだら」という足相から、Hさんの悩みである目の疲れや眠りの浅さは、肝臓への負担から起きていることがわかりました。
肝臓に負担をかけない、じょうずなお酒の飲み方とは?
Hさんは、食事をしていないときも、すぐにお腹が張って苦しくなりやすい、という不調もあるそうです。
きよみ先生:「晩酌しながら、小麦粉でできたおつまみを食べていませんか?」
Hさん:「はい、飲みながら、かりんとうやケーキなどのおやつを食べてしまいます。パンも大好きなので、ふだんから小麦粉は多くとっていると思います」
きよみ先生:「特に夜に小麦粉をとるのは要注意です。消化するのに時間がかかり、体に負担がかかります。足の甲にしっしんのようなかさつきも出ていることからも、小麦粉のとりすぎで消化器全体に負担がかかっているようですね。お腹が張るのは便秘の場合もありますが、Hさんは腸のゾーンの足相に問題はないので、小麦粉のとりすぎが原因ですね。夜にお酒と一緒に小麦粉のものを食べるのは控えて、なるべく朝に食べると負担が少なくなりますよ」
また、毎晩の楽しみになっているお酒をやめるとしたら、かなりストレスがかかることだと思いますが、やめたほうがいいのでしょうか?
きよみ先生:「ストレスを和らげるためにお酒を飲んでいるのに、やめてしまうと別のストレスがかかってしまいますよね。無理にやめようとするのではなく、飲み方を見直せばいいのですよ」
サワーなどの冷たいお酒を飲むときは、氷を入れるのをやめて、少しでも体が冷えないようにしましょう。
きよみ先生は、ワインを飲むときに温かい紅茶を一緒に飲むそうです! 紅茶は体を温める性質のあるお茶であることと、ワインとの味わいの相性もいいのでおすすめなのだとか。日本酒ならほうじ茶を合わせるといいそうです。
そして、おつまみには枝豆やナッツ、干しブドウなど「実」のものを選ぶと、肝機能を助けてくれるそうですよ。
お酒は飲み過ぎないことはもちろんですが、せっかく楽しむなら、相性のいいおつまみや温かいお茶と一緒に飲みましょう!
肝臓の働きを助ける足刺激テクニック
肝機能の弱さが原因で、目の疲れや眠りが浅いことにお悩みの人に、おすすめの足刺激テクニックをご紹介します。
足刺激は本来、心臓がある左足から行いますが、今回は肝臓の働きを高めたいので、肝臓のゾーンがある右足から行います。足刺激に時間をかけられるときは、左足から始めて、右足を入念に行ってもかまいません。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【土踏まずから下を刺激する】
足裏の土踏まずから下の部分には、肝臓や胃腸など消化器のゾーンが集まっています。ここを指の第二関節の角や、指圧棒の先などを押し当てて、ゴシゴシと上下にまんべんなく刺激します。
●指圧棒で示した部分から下を刺激します
とくに、肝臓のゾーンがある右の足裏は、時間をかけてしっかりと刺激しましょう。
【肝臓のゾーン】
●指の関節の角や指圧棒の先を当ててしっかり刺激
飲む前に外気浴をすれば、お酒の量を抑える効果も
Hさんは、毎日とても充実している反面、自宅で過ごしているときも神経が高ぶったままになりやすいので、それをお酒で和らげたいと思ってしまうのだそう。
きよみ先生:「神経が張りつめたときなどは、寝る前にお酒を飲まずにいられないという人が多いと思います。ところが深酒は眠りの質に悪影響を与えるので、眠りが浅くなって疲れがたまり、悪循環になってしまいます。ですので、飲む前に少しだけ外を歩いたりベランダに出たりして、外気浴するのがいいですよ。気分が変わるので、少しのお酒でも心地よく酔えると思います」
右足の足刺激が終わったあとの足相がこちらです。右足全体がピンク色に変化していますが、全身の巡りがよくなるので、刺激をしていない左足までほんのりとピンク色になっているのがわかります。
●足刺激前
●足刺激後
最後にHさんに足相診断を受けた感想をお聞きしました。
Hさん:「人間ドックの数値は何も問題がないので、勝手に『毎晩飲んでも私の肝臓は丈夫!』と思っていたのですが、足裏からいろいろ気づかされて、びっくりでした。『お酒NG、小麦粉NGということではないですよ!』と言ってくださり、それが逆にすごくやる気をもらえました! 今晩からさっそく、足刺激とお酒を飲むときの工夫を、楽しく実践してみます」
忙しいときには、右足の刺激だけでもいいそうです。お酒が好きな人は、足裏にふれて自分の肝臓をいたわってあげてくださいね!
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
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『すべての不調は足裏をみればわかる!』(ワン・パブリッシング刊)