便秘しやすい、お腹が張ってつらい、やる気が起こらないなど、お腹の不調を感じていませんか。腸の不調はダイエットだけでなく、メンタルや免疫などさまざまなところに影響します。FYTTEのファンコミュニティ「Fan!Fun!FYTTE」での活動のひとつ「腸活部」では、お腹にふれることで“腸の表情”を感じとり、腸と心を整える “腸律師”小澤かおりさんをお招きして、腸のぜん動運動の働きや、“不調”と“不腸”を整えるセルフケア法について教えてもらいました。
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目指すのは、自らしっかり動く腸
「私は以前、介護業界で働くなかで排便トラブルと認知症の関係性に気づき、薬や病気、腸の動きについて学んできました。近年、腸と脳の相関関係が解明されつつありますが、脳と腸が互いに関係しているだけでなく、脳が楽しいと感じていても、腸には負担と感じるといった行き違いも日常的に起こります。そうしたひとつひとつの小さなことが腸の負担となり、不調の原因となってしまうのです」(小澤さん)
地球が誕生したのが46億年前で、27億年前には深海から浅瀬に口と肛門だけの動物、「腔腸(こうちょう)動物」が生まれました。これが“腸”の始まりです。初めは口と肛門が同じ場所にあったのですが、しだいに進化していき、「口」から食べたものを「肛門」から排泄するという形態に変わっていきます。その後、腸の中に胃袋や肝臓のような臓器ができるようになり、腸の負担が大きくなったことから、腸をサポートする器官として脳が出現しました。
脳には大脳、小脳があり、シワがあります。脳の外観は、小腸と似ていると思いませんか? 進化の過程でも動物の基盤は腸であり、脳よりも腸のほうが先にできたと言えるのです。「腸は第2の脳」なんて言われ方をしますが、“腸律師”の私から言わせれば、腸が先に生まれているのですから「脳が第2の腸」なんです。
腸は独自の神経回路を持っていて、ぜん動運動を行っています。食べたものを腸の中で混ぜながら運んでいくのが、ぜん動運動です。その過程で食べたものの消化吸収や排泄を行うだけでなく、酵素やホルモン、血液などを作り、免疫機能を司るとも言われています。
ぜん動運動は、腸が自ら動く力によって行われています。この、自ら動く力を持っているということが、腸にとって、とても大切になってきます。自ら動く腸でないと、消化吸収する力などさまざまな働きが弱まってしまうからです。
例えば、食物繊維は腸活にいいと言われていますよね。もちろん、腸壁をきれいに掃除する、腸内細菌のエサになるなどメリットが多い栄養素です。ただ、ぜん動運動が弱まっている状態でたくさん摂取しても、食物繊維が腸内で停滞してしまい、過発酵してしまいます。
腸の動きがよくない人にとっては、腸活によいと言われる食物繊維が、負担になることがあるということです。野菜や玄米をたくさん食べているのになぜか腸に不調があるという人は、自分の腸が、こうした栄養素を消化吸収できるのかどうかということを見極めないといけないのです。
ぜん動運動を促して、腸の力を高める“腸律セラピー”にトライ!
ぜん動運動を促して、腸の力を高めるのが腸律セラピーです。
お腹に2つの時計があるとイメージして行っていきます。おへそまわりの「小さい時計」と、お腹全体の「大きな時計」です。
行う際には3点、注意します。
・強く押さない
・指を立てない
・早く動かさない
両手はクロスしてお腹にあてます。
このとき、利き手を上にするのは、力が入り過ぎるのを防ぐためです。お腹を強く押したり指で突いたりすると、腸にとっては攻撃となり、身構えるようにかたくなってしまいます。
それではさっそくあお向けになり、「小さい時計→大きな時計」の順でセルフ腸律を行っていきましょう。
【小さい時計】
小さい時計の6時(おへそのすぐ下)に両手をクロスして重ねます。指は曲げず、指の腹を使ってさするように、ゆっくり10回、左右に動かします。絹ごし豆腐をゆっくり押してちょっとヒビが入るくらいの圧で押すようにしましょう。
そこから少し右に移動して、同じように7時、8時、9時(おへその右横)へと進み、10回ずつ動かしながら、1周します。
◎6時より3時や9時がかたい人は水分不足の傾向にあります。水分をちゃんととれているか振り返ってみましょう。
◎12時(おへその真上)がかたい人は時間に追われている人。せっかちな人もかたくなる傾向があります。今日は何が忙しかったのかな、などと振り返ってみましょう。
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文/庄司真紀