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五臓につながる経絡を伸ばして不調を解消! 尹 生花先生が伝授する、冬から春にかけて習慣にしたい『臓活ストレッチ』
東洋医学の理論をもとにした「臓活」。美容健康サロン「BHY」を主宰する尹 生花先生の20年以上にわたる臨床経験に基づいて考案されたのが、臓活トレーニングです。尹先生の臓活ストレッチでは、五臓につながる経絡を伸ばしてひねり、刺激を与えることで五臓を活性化させます。五臓は季節に対応しており、今回は尹先生の著書『臓活トレーニング』から、春に行いたい「肝」とそれを支える「腎」(冬)のストレッチをご紹介していきます。
Contents 目次
寝つきが悪いときにもオススメ! 肝のストレッチ
春になると自然界の動植物がのびのびと活動を始めます。木々は芽吹き、動物たちが冬の間に縮こまっていた体を伸ばすように、五臓のひとつ「肝」は気や血の流れを円滑にする働きがあります。
肝につながる経絡は足の親指の内側から、すねの内側、内ももを通り、上半身にまで伸びていきます。この経絡を意識しながらストレッチを行いましょう。
〈肝のストレッチ〉
イライラしたり、落ち込んだり、 寝つきが悪いときなどにも有効なストレッチです。
*体勢が難しい人は床に手をつくなど、無理せず行います。
1.基本姿勢
まずは右足を真っ直ぐ伸ばし、左足は手前に曲げて座ります。上半身は骨盤の上に真っ直ぐにのせます。
2.足の甲を下にして伸ばす
足の甲を床につけるようにひねります。 呼吸をしながら、股関節から太ももの内側をしっかりと伸ばします。
3.上半身までひねる
腰に手を置いて上半身を軽く押しながらひねります。上半身の「章門(しょうもん)」「期門(きもん)」まで刺激するために、斜め45度くらい上に体を反らせていきます。左右3セット行いましょう。
「肝」をサポート! 腰痛や生理不順にもよい腎ストレッチ
1年のなかでももっとも寒くなる冬は、自然界の万物が動きを止めて、エネルギーを貯めることに重きを置く季節です。「腎」は“生命の素”とされる精気を貯める場所。腎の機能が弱まると、肝を支えきれなくなります。
腎につながる経絡は足の裏から始まり、すねと太ももの裏側を通り、上半身の前側へと伸びていきます。この経絡を意識しながら行いましょう。
〈腎のストレッチ〉
腰痛や下半身の冷え、月経不順に悩まされているときなどのほか、下半身やせにも腎のストレッチは効果的です。*体勢が難しい人は、無理せずできる範囲で行います。
1.基本姿勢
右足のつま先を上にして真っ直ぐ伸ばし、左足は手前に曲げて座ります。上半身は骨盤の上に真っ直ぐにのせます。
2.ひざを伸ばす
伸ばした足の指先を手で持ち、太ももからふくらはぎの裏側を伸ばします。手が届かない人は無理をせず、足の上に手を置いて行います。
3.上半身を倒す
その姿勢のまま、上半身を前に倒します。このとき肛門を意識することがポイントです。
4.上半身を起こす
肛門を意識したまま、上半身をゆっくりと起こします。両手は体のうしろについて、顔を上げていきます。
5.上を向いて体を反らす
上半身を起こした流れで顔を上に向けて体を反らせ、お腹から鎖骨下に走る腎の経絡を伸ばします。左右3セット行います。
*このストレッチの動きが難しい場合は基本姿勢を参考に、無理せず体を伸ばしてみましょう。足を伸ばし、胸を開くようにするだけで、経絡を軽く刺激することにつながります。
五臓を活性化させる臓活ストレッチ。すべての動作をゆっくりと行い、また左右両方バランスよく行いましょう。できれば3回以上、毎日続けることが大事です。
参考書籍/
『みんなの臓活トレーニング』(ワニブックス)
尹 生花 (著)
北京中医薬大学博士課程(医学博士)修了。早稲田大学ビジネススクール(MBA)卒業。厚生労働省認可・はり師・きゅう師資格取得。「世界中医学学会連合会体質研究専門委員会」常務理事。美容健康サロン「BHY」代表取締役。
文/庄司真紀 画像は『みんなの臓活トレーニング』より