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自分を大事にするってどうやるの? 「1日10秒でいいから自分の体と向き合ってみてほしい」フェムケアについて聞きました!
女性の体や健康をケアする製品やサービスをあらわす「フェムケア」。これがさらに実生活に根づいていくだろうということで、「FYTTEヘルスケアトレンド2023」で今年注目の8つのトレンドワードのひとつとして「リアル・フェムケア」を掲げています。最近は、フェムケアにテクノロジーを活用した「フェムテック」も話題です。
そこで、フェムケア、フェムテックのブランドはたくさんあるのですが、デリケートゾーンケア製品の開発・販売を通して、女性の健康課題だけでなく地元の農業課題に取り組んでいるという異色のブランド「明日 わたしは柿の木にのぼる」にクローズアップ。ブランドを立ち上げた小林味愛さんに、ブランドのこだわりや製品の活用方法について教えてもらいました。
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デリケートゾーンには体の不調が現れやすい
前回のインタビューでは「男性に女性の健康課題を知ってもらうことでみんなが働きやすい社会に変えられる可能性がある」と語ってくれた小林さんですが、「女性に目を向けると、自分のケアに時間を割いている人はとても少ない」と感じるのだそう。
「子育てや家事など家庭のことは女性に負担がいくことがまだまだ多いので、自分のことを後回しにしている人が多いんですよね。だから、1日に10秒でもいいので自分に意識を向ける時間をつくってみてほしいと思っています。私がデリケートゾーンのケアに着目したのは、デリケートゾーンに体の不調のサインが現れやすいからです。
デリケートゾーンには500種類以上の菌が住んでいて、ストレスや免疫の低下などで菌のバランスが崩れると、いつもとは違う症状が現れます。毎日ケアをしていればすぐに症状に気づけて、『今、体がムリをしているんだな』『明日はムリせずデスクワークをしよう』といった判断ができます。実際に、デリケートゾーンのケアをするようになってから働き方に対する考えを変えることができたという人も多いんですよ」(小林さん、以下同)
天然由来成分しか使いたくない。そのこだわりの理由とは
「明日 わたしは柿の木にのぼる」の製品は、妊娠出産や更年期などで体調の変化を感じたことをきっかけに使い始める人が多いのだそう。また、「原料をつくっている農家さんの顔が見える」「地域の活性化につながっている」という部分に共感して使い始める人も少なくないのだとか。
「どの農家さんの原料かというのがロットごとにわかるようになっています。なにより私たちは福島の会社なので、口に入っても、海に流れてもまったく問題のない天然由来成分しか使いたくなくて、開発に3年もかかってしまいました(笑)」
小林さんが成分にこだわるのは、自身が超敏感肌、アトピー性皮膚炎で、使える化粧品が限られていたからなのだそう。
「防腐剤など、ちょっと強い成分のものが入っていると肌が痛いんです。痛いし、かゆいし、仕事どころじゃなくなります。使えるものがないから自分でつくったというのもありますね。だから自信をもってお客様に説明できるし、自分の子どもにも安心して使えます。もちろん私も自社ブランドでトータルケアしています(笑)」
1日10秒でいいから自分に意識を向けてみることが大切
「明日 わたしは柿の木にのぼる」の一番人気は「フェミニン オイル」だそう。そこで、小林さんもおすすめという「オイル入浴」の方法を教えてもらいました。
「デリケートゾーン全体、脚のつけ根、お腹まわりにオイルをやさしくのばしてから湯船に入り、ゆっくり温まりながらやさしくマッサージするようになで洗いします。汚れも落ちるし、乾燥を防げて肌がふっくらしますよ。顔にも同様に使えるし、入浴後にオイルを塗るのがめんどうという人にもおすすめです(笑)」
小林さんが「デリケートゾーンのケアをしたいけれど何から始めたらいいかわからない」という人におすすめしたいのは「“洗うアイテム”を替えてみること」だそう。
「洗わない人はほとんどいないと思うので、とり入れやすいと思います。『明日 わたしは柿の木にのぼる』のフェミニンウォッシュも、顔で試してみるとよくわかるのですが、肌にやさしいので目に入ったりしても痛くなくて、子どもや赤ちゃんにも安心して使えます。
でも私は、『こうケアしなければいけない』『これを使わなければいけない』とは思いません。もっと気楽に、1日10秒でいいので、自分の体を意識してみるというところから始めてみてもらいたいですね。それが健康課題や悩みを解消するきっかけになると思います。そのなかで自分に合ったアイテムを選んで、うまくとり入れてみてもらえたらうれしいですね」
【取材協力】
株式会社陽と人(ひとびと) 代表取締役 小林味愛(こばやし みあい)
東京都立川市出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、衆議院調査局入局、経済産業省出向、株式会社日本総合研究所を経て、福島県国見町に株式会社陽と人設立。福島の地域資源を活かして地域と都市をつなぐさまざまな事業を展開。2020年には国見町のあんぽ柿の製造工程で廃棄される柿の皮を活用したフェムケアブランド『明日 わたしは柿の木にのぼる』を立ち上げ。
商品の販売に留まらず、経済産業省フェムテック実証事業にも複数回採択され、女性の健康課題に関する研修など医療の専門家と連携しながらさまざまな普及啓発活動も行う。
2021年3月から復興庁「復興推進委員」も務める。
子育てをしながら福島と立川の2拠点居住。
取材・文/小高 希久恵
ヘルスケアトレンドの詳細は下記をご覧ください。
*FYTTEヘルスケアトレンド2023特設サイト:https://fytte.jp/trend2023/