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CATEGORY : ヘルスケア |腸活

ダイエットや便秘を解消したい人に朗報! スーパー物質として注目される「短鎖脂肪酸」とは?

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女性と腸

ここ数年でずいぶん身近なものになった腸活。そんな中で最近、注目を浴びているのが、腸内細菌が生み出す代謝産物のひとつである「短鎖脂肪酸」(たんさしぼうさん)です。「短鎖脂肪酸」、響きはちょっと堅苦しいですが、便通の改善や脂肪の蓄積を抑制するといったうれしい働きが明らかになっており、 “大腸で生み出されるすごい物質”として注目を浴びているんです! そこで、腸活にまつわるテーマをみんなで楽しく学び、実践するFan!Fun!FYTTEの腸活部では、管理栄養士の浅野まみこ先生に、短鎖脂肪酸の基本から、短鎖脂肪酸を生み出す具体的な食生活術まで、わかりやすく教えていただきました。

監修 : 浅野 まみこ (管理栄養士)

管理栄養士、コンビニ外食研究家。1975年生まれ。食と健康のコンサルティング会社・(株)エビータ代表。総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8000件以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、現在は、食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ、講演、栄養指導など多方面で活躍中。テレビ、雑誌をはじめ、メディア出演多数。「食生活が楽しいと人生が100倍楽しい!」をモットーに活動している。公式サイト:http://e-vita.jp/

Contents 目次

まずは知りたい「腸活の基本」

腸を整えて、腸内環境を改善させる「腸活」。腸活というと、乳酸菌やビフィズス菌など、腸によい菌を補うことばかりに目がいきがちですが、それだけが重要なわけではありません。

腸活の基本は、プロバイオティクス(補菌)とプレバイオティクス(育菌)です。発酵食品などを食べて、“菌を補う”補菌も大事ですが、同様に重要なのが、善玉菌にエサを与えて育てることです。水溶性食物繊維やレジスタントスターチ、オリゴ糖は、善玉菌のエサになるため、これらを摂取することで腸内環境が整います。

補菌の役割を担う発酵食品には、ヨーグルトやぬか漬け、納豆、麹(こうじ)の甘酒、チーズやキムチなどがあります。育菌に必要な水溶性食物繊維は、海藻や果物、芋類、大麦やオートミールなどに含まれています。オリゴ糖は大豆や玉ねぎ、バナナ、ごぼう、アスパラガスなどに、レジスタントスターチは、おにぎりや冷ましたご飯、もちなどに多く含まれます。

腸内では、大きく分けて善玉菌と悪玉菌、日和見菌などが存在します。腸内細菌は約1000種類 あり、100兆個の菌がいます。腸活は、善玉菌の占める割合を増やし、腸内環境を改善することが大切です。

腸内を腐敗させたり、有毒物質を作ったりする悪玉菌が増えると、腸内環境は悪くなります。結果として、免疫機能が低下したり、腸のぜん動運動が鈍くなり便秘につながったりします。そして大腸は吸収する臓器でもあるので、腐敗したものも吸収してしまいます。これでは体にわざわざ炎症をとり入れてしまうようなもの。善玉菌を育てる“育菌”も忘れずに行い、整った腸内環境をキープするように努めれば、肌がきれいになる、メンタルが安定するといった腸活のメリットを得ることができます」

口から腸までは1本の管(くだ)でつながっている

口から腸までは1本の管(くだ)でつながっている

ご飯を食べて、消化・吸収して排泄する人間の体。私たちの体は、トンネルのように口から腸、そして肛門までつながっています。

「口は外の世界と常に接触している器官です。口からは、食べものなど必要なものだけではなく、菌やウイルスなど不要なものも入ってきます。また、口の中は虫歯菌や歯周病菌なども多く存在しています。口から腸までは1本の管のようにつながっているため、口に生息する菌も食物と一緒に胃や腸へ入りこみます。たとえば歯周病菌が糖尿病や血圧にも影響することも明らかとなっています。口腔環境が悪ければ腸内環境も悪化するため、お口のケアをせずに腸活をがんばったとしても、あまり効果を感じられないかも知れません。腸活とあわせて、虫歯や歯周病を治療するなど口腔内のケアも重要ですよ。近年では、口腔内の環境をいかに整えるかということが、腸活上の重要なテーマとされています。

そして、じつは皮膚も腸と関係があります。皮膚の常在菌は、腸内環境と密接な関わりがあるんです。これらのことから、口腔内を清潔に保ったり、お肌をケアしたりすることは、腸活をする上でも大切だと言えます」

口からとっても意味がない? 短鎖脂肪酸のスーパーな働きと、その生み出し方

短鎖脂肪酸

ここからは今、注目の短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)のお話です。


〈短鎖脂肪酸の働き〉

  • 腸内を弱酸性に保ち、有⽤な菌を増やして腸内環境を⾼める
  • 腸粘膜の修復
  • 脂肪の蓄積を抑える
  • 消化・吸収・排便の促進(ぜん動運動を促し便通改善を⾏う)
  • アレルギーなど免疫調整機能
  • 炎症を抑える
  • 基礎代謝を上げる
  • 腸内フローラを活性化させる
    (⽣活習慣病予防にも効果が期待できる など)

「脂肪を構成する成分のひとつが“脂肪酸”です。脂肪酸は炭素が鎖のようにいくつもつながってできているのですが、その長さによって、短鎖脂肪酸(炭素数6未満)、中鎖脂肪酸(炭素数6〜12)、長鎖脂肪酸(炭素数12〜18程度)と種類が分かれています。この中で、中鎖脂肪酸は、ココナッツやMCTオイルなど、長鎖脂肪酸は、一般的な油に多く含まれています。この2つは、消化吸収される過程で、健康に関与しています。
短鎖脂肪酸が含まれている食材もありますが、腸管で消化吸収されます。短鎖脂肪酸を腸内環境で働かせることが重要ですので、口から食べるのではなく、“大腸で生み出す”ことが大事です」

食材に含まれている短鎖脂肪酸を口から摂取しても、消化され、小腸で脂肪酸として吸収されてしまい、大腸での働きには関与しないのだとか。短鎖脂肪酸にうれしい働きしてもらうためには、短鎖脂肪酸が大腸の中で生み出されるような食材の摂取と腸内環境の改善を意識することが重要なんですね。

短鎖脂肪酸を大腸の中で生み出すためには、先ほどもお伝えしたプレバイオティクス(育菌)とプロバイオティクス(補菌)が重要です。まずは、ビフィズス菌や酪酸菌を含む食品を食べること(補菌)。そして、菌が増えるように食物繊維、レジスタントスターチ、オリゴ糖(育菌)を摂取することです。

短鎖脂肪酸を大腸の中で生み出す

ビフィズス菌といえば、みなさんヨーグルトをイメージされますよね。
あまり意識することがないかも知れませんが、ヨーグルトは“乳酸菌のみのもの”と、“乳酸菌とビフィズス菌が入ったもの”の2種類があります。短鎖脂肪酸を増やすには、ビフィズス菌入りのものを選ぶことがおすすめです。ふだん食べているヨーグルトはどちらか ぜひチェックしてみてください。

この2種類は、風味も異なります。“乳酸菌のみのもの”はしっかりと酸味があるものが多く、“乳酸菌とビフィズス菌が入ったもの”は、まったりした味わいのヨーグルトになります。これは、ビフィズス菌が酸に弱いため、酸味を抑えるからです。
またビフィズス菌は嫌気性でもあるため、ヨーグルト全体をぐるぐるかき混ぜておくと、空気にふれて菌数が減ります。混ぜたい場合は食べる分だけとり分けてから、混ぜて食べましょう。
発酵食品であるヨーグルトは、生きた乳酸菌やビフィズス菌(生菌)が入っていますが、時間とともに死菌へと変わっていきます。生菌が多いうちに食べるなら、買いだめせず、その都度購入して早めに摂取するのがよいでしょう。もちろん、死菌でも腸活効果はありますので安心してください」

補菌は、ヨーグルト以外にもビフィズス菌はぬか漬けや「すぐきな(京野菜)」の漬けものなどもおすすめです。すぐきなの漬けものは、京都の伝統野菜である「すぐきな」を塩で漬けたもの。乳酸発酵し特有の酸味がある漬けものです。

育菌のために食物繊維やレジスタントスターチ、オリゴ糖をとるときは、手軽な加工品のオリゴ糖やカット野菜を使うのもよいでしょう。

「食物繊維を摂取する場合は、生の野菜以外に、冷凍野菜やカット野菜などでも食物繊維をとることができます。食物繊維量は不足しがちですので、水溶性食物繊維であるイヌリンなどで補足するのもよいでしょう。私はパウダー状のイヌリンを毎朝コーヒーにスプーン1杯入れて飲んでいますよ。

またレジスタントスターチは、穀類やいも類に含まれ、冷めた炭水化物にも多く含まれています。常温程度でよく、わざわざ冷やす必要はありません。ランチにおにぎりを選ぶのもいいですね。そのほか、パスタやいも類、パンなどにも含まれます。毎日、気楽に続けることが大切です」

管理栄養士おすすめドリンク!「⽢酒トマトヨーグルト」

管理栄養士おすすめドリンク!「⽢酒トマトヨーグルト」

最後に、浅野先生が毎日飲んでいるというほどお気に入りの腸活ドリンクを紹介してもらいました。

「無塩トマトジュースと麹⽢酒、無糖ヨーグルト(ビフィズス菌入り)を1:1:1で混ぜるだけ。トマトで抗酸化ビタミンのβカロテン、むくみ改善のカリウムやビタミンEがとれますし、発酵食品の甘酒とヨーグルトで、エネルギーになる糖類、体を作るたんぱく質もとれ、腸活にも疲労対策にもバッチリです!」

腸活の基本から、短鎖脂肪酸の働き、今日からできる短鎖脂肪酸を生み出す食べ方まで、もりだくさんなクラスとなりました。心身の不調を遠ざける腸活はゆる〜く毎日続けるのがポイント。短鎖脂肪酸を意識して、腸活ライフを楽しみましょう。

文/庄司真紀

 

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