ストレスは万病のもと。この時季、夏バテで疲れた体は更なるストレスを抱えやすいと言われています。ストレスを抱えることは体にも心にも悪影響があることは広く知られていますが、そのストレスの解消にハーブが活用できることはご存知でしょうか。今回はハーブの専門家であるスペイシャルハーブデザイナー・石山圭さんに、ハーブの基礎知識や効果的な使い方について伺いました。
Contents 目次
知ってるようで知らない人が多い?「ハーブの定義」とは
ハーブといえば、ミントやレモングラスなどのすっきりとしたハーブティーや、カモミールやラベンダーなどの就寝前に飲むハーブティー、ローズマリーやバジルなど料理に使うフレッシュハーブを思い浮かべる人が多いかもしれません。ただ、一口にハーブといっても、その種類はさまざまです。そもそも「ハーブ」の定義とは、何になるのでしょうか。
「たとえば漢方は植物以外のものも含まれるのですが、ハーブは『植物』であって、『薬理作用(薬理効果)』のあるものを指します。薬理作用とは、そのものの持つ成分を摂取することにより体内でさまざまな変化を起こすこと。ハーブの場合はファイトケミカルと呼ばれる 植物自身が外敵や紫外線から身をまもるために本来持っていた成分があり、そのファイトケミカルを人間が服用することによって抗酸化作用が得られます。そういった薬理効果を持ち得ているものをハーブと位置づけます」(石山圭さん)
なかには「植物」ではないハーブも見かけますが、それらもハーブといえるのでしょうか。
「植物といっても、葉っぱだったり、花、茎、根っこ、少し変わったものだと海藻などもあります。日本では野菜として食べるごぼうもハーブに該当しますし、正月のあとに食べる七草がゆに含まれる七草、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロもハーブです。というように、場合によっては野菜なども含まれますので、ハーブの定義はかなり広いといえるでしょう」
一番は「ティンクチャー」?効果的なハーブの摂取方法とは
ハーブをとる方法として、もっとも身近な選択肢はハーブティーですが、ハーブの健康効果を得るために、一番適したとり方なのでしょうか?
「厳密にいえば、ハーブティーよりもティンクチャーにすることでより効果的に栄養分を摂取できます。
ティンクチャーとは、ウォッカやスピリタスなど、度数の高いアルコールにハーブを漬け、2~3週間おいたもの。使用するハーブはフレッシュタイプよりも、検査などをクリアし品質が保証されているドライハーブをおすすめします。
ハーブには水溶性・脂溶性両方の成分が含まれていますが、お湯で抽出できるのは水溶性成分のみ。一方、アルコールに漬けることで、どちらの成分も溶け出し、より効率よく強い成分を摂取することができるのです。ヨーロッパでは体調不良のとき、薬局がティンクチャーを処方してくれることもあるくらいです。
ティンクチャーのつくり方ですが、アルコールに浸したハーブは2~3週間ほどしたら濾(こ)して、液体のみ遮光瓶に入れ冷蔵庫などの冷暗所で保存します。瓶は使用前に煮沸消毒をし、液体を絞る際のガーゼは清潔なものを使用しましょう」
効果的にハーブの成分をとれるティンクチャー。ぜひ試してみたいですが、どのようにして生活に取り入れたらよいでしょうか。