「生理って、めんどうだな...」そんなふうに思ってしまうこと、ありませんか?生理の役割を知れば、毎月きちんと生理がくることがうれしくなり、自分の体をかわいがって不調を防げるようになるといいます。そこで婦人科医の松村圭子先生(成城松村クリニック院長)に、生理の役割と周期について教えていただきました。
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生理の基本。何のために毎月くるの?
こんにちは。婦人科医の松村圭子です。
生理(月経)が毎月きてくれるということは、女性としての「妊娠する準備」の生殖機能が働いているということです。だから、とってもうれしいことなのですよ。
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、生理周期のなかで変動します。生理後、排卵に向けて増えるのがエストロゲン、排卵後から増えはじめるのがプロゲステロンです。
プロゲステロンは、「母のホルモン」ともいわれ、分泌量が増えると赤ちゃんを育てるための子宮内膜がふかふかになっていきます。新しいベッドを用意して、受精卵を待つんですね。
そして、排卵が起こって卵子が排出され、受精が起こらなくてベッドが必要ではなくなったら、その子宮内膜のベッドがはがれて体外へ排出されます。そして、次の月にはまた排卵が起こり、新しいベッドを用意します。
妊娠したいときだけではなく、毎月、毎月、自分の体がけなげに働いているんです。そう思うと、自分の体がかわいく思えてきませんか? 生理という女性の体の機能は、とても大事なのです。
生理の周期は、だいたい25~38日
生理周期(生理開始日から次の生理開始前日)には個人差がありますが、一般的には約28日周期で、だいたい25~38日間。この周期で生理がきて、排卵が起こり、また生理がくる、というリズムをくり返します。
ところで、自分の生理周期は何日か、すぐに答えられますか?
クリニックでは、問診で、最後に生理がいつきたのか、生理周期が何日かを聞きます。でも、わからない人がけっこう多いんです。自分の体のことは、誰よりも自分で把握しておきたいですよね。
自分の生理周期がわからないと、「短くなった」「長くなった」など、周期がズレたときにすぐ気づけません。生理周期の変化が、何らかの病気のサインかもしれないのです。そのサインを早くキャッチするために、まずは「自分の生理が何日周期なのかを知る」ことからはじめましょう。
生理周期が「短くなる」「長くなる」のはなぜ?
お伝えしたように、生理周期には個人差があります。自分の生理周期がわかったら、毎月、一定の周期で生理がきているか、“変化”がないかを見ましょう。
・生理周期が短くなった場合…
排卵が起こっていない、または排卵後の赤ちゃんのベッド(子宮内膜)をつくる期間が短くなっている可能性があります。妊娠を維持する力が弱くなっているのかもしれません。
・生理周期が長くなった場合…
排卵が起こっていない、または排卵があったとしても卵胞の育ちがゆるやかになっている可能性があります。
体や心に過剰なストレスがかかると、生理周期がズレたり、生理がこなかったりすることがあります。特に、過激なダイエット、昼夜逆転の不規則な生活をすると生理が止まりやすくなります。「妊娠や出産に耐えられない体になっているよ。もっと体を大切にして!」という体からのサインなのです。
ホルモンと自律神経は密接に関わっていて、自律神経が乱れる生活をすると、ホルモンバランスにも悪影響が出ます。生理周期に変化が出たら、強いストレスがかかっていないか、規則正しい生活ができているかなど、自分の生活習慣を振り返りましょう。
忙しい毎日で、リラックスする時間、睡眠時間が少ない人もいます。自分の体と心をいたわり、生理周期のリズムを整えてくださいね。
文/掛川ゆり