今年の夏も猛暑で、命の危険を感じるほどの暑さが続きました。長時間クーラーのきいた部屋で過ごし、冷たいものを食べて暑さをしのいだ人も多いはず。夏の疲れを引きずって、秋になっても体のだるさや食欲不振などの不調を抱える「秋バテ」が増えているようです。
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秋バテ対策にいい食べものは?
夏の暑さで体力を消耗し、食欲もダウン。冷房で体が冷えてだるい…。夏の間にたまった疲れが秋に入っても残ってしまうと、倦怠感や胃腸の不調など、いわゆる秋バテの症状を招きます。
そこで秋バテの予防・改善にいい栄養素や食材について、管理栄養士の大越郷子先生にうかがいました。
「疲労回復に効果的なのは、豚肉のヒレや赤身、うなぎ、大豆製品といった糖質の代謝を助けるビタミンB1の豊富な食材です。にんにくやにら、玉ねぎ、ねぎなどに特有のにおい成分、アリシンを多く含む香味野菜といっしょにとると吸収率が高まり、効率よくエネルギーにかえることができます。
スタミナ料理としておなじみのレバニラ炒めや豚キムチは、ビタミンB1とアリシンがいっしょにとれる、理にかなったメニューです。
また、オクラ、やまいも、納豆などの食材もおすすめ。ねばねば食材は消化を促進し、疲労回復、体力強化に役立ちます。胃腸の粘膜を守り、肝機能を高める働きもあります。食欲がないときでも、たとえば、そばを食べるならとろろそばを選び、さらに刻みねぎをたっぷりのせればやまいもに含まれるビタミンB1の吸収もよくなるので、トッピングのひと工夫で秋バテを予防することができます。
加えて、酢や梅干しなどの酸っぱいものも効果的です。酸味には食欲増進作用があり、豊富なクエン酸が食事でとった栄養を速やかにエネルギーに換えて疲労回復をサポートします。赤唐辛子、ねぎなどを加えた南蛮酢に、揚げたあじなどを漬け込む南蛮漬けも疲労回復にうってつけのメニュー。唐辛子の辛味が食欲を刺激します。
体の土台となるたんぱく質をしっかりとることも忘れずに。肉、魚、豆、卵などのたんぱく源を意識してとるようにしましょう」(大越先生)
次のページでは、疲労回復におすすめのレシピをご紹介します。