やり場のないイライラに振りまわされて、困っていませんか? 「人前で怒るのは、はずかしいこと」と、幼いころからしつけられることが多い私たち。その結果「こんなにイライラするのは、私が未熟だから?」と落ち込み、ガマンした怒りが限界を超えて、ある日爆発! ということも。
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怒りはコントロールできる! アンガーマネジメントのすすめ
「怒りをコントロールできないのは、あなたが悪いからではなく、単にそのやり方を教わっていないだけ」というのは、日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介さん。
「怒りのメカニズムを知り、とり扱い方を学ぶ、アメリカ発祥の〝アンガーマネジメント〟というメソッドがあります。軽犯罪を犯した人の更生プログラムなどを目的に約40年前に生まれたもの。今では一般にも浸透して、小学校でも怒りについて学ぶ授業があるんです」
人間の感情には神経ホルモンが関与しています。怒りのホルモンはアドレナリン。怒りを感じたとき、アドレナリンに最も影響を受けやすいと言われる〝6秒間〟の間に行動してしまうと、相手を攻撃したり、言い返したりと、いい結果を招きません。こうしたメカニズムと実践的な対処法を学ぶのがアンガーマネジメントなのです。
「抽象的な精神論ではなく、やり方が明確だから、誰でもできるのが特徴。実は僕自身も、アンガーマネジメントに出会う前は怒りっぽい人間だったんですよ(笑)」(安藤さん)
アンガーマネジメントを行うメリットって?
さらに、安藤さんによると、アンガーマネジメントはイライラから自分を解放することとは別のメリットもあるのだそう。4つのメリットを紹介します。
<1>自分に自信がつく!
怒りには攻撃性があるので、人やものに当たるだけでなく、自分を責めてしまうことも。自分に自信を失い、嫌いにならないためにも怒りのコントロールを。
<2>人間関係がスムーズになる!
どんなに優秀でも、怒りっぽい人は信頼されません。実は怒った顔は笑顔よりも印象に残るからです。怒りをコントロールできると人間関係が良好に。
<3>美容と健康に効果的!
イライラして暴飲暴食すると肥満の原因に。怒りをコントロールできれば体の免疫機能がアップして病気や老化のリスクが減り、美容にもプラスの効果が。
<4>仕事や家事の効率がアップする!
イライラすると冷静に判断できないため、仕事や家事の効率が落ち、ミスにもつながります。怒りをコントロールすれば、集中力が上がり、効率がアップ。
怒りにくい体質になる方法
実際にイライラしてしまった時に、これから紹介する方法を実践して怒りにくい体質を目指しましょう!
怒りを感じたら記録をする! “アンガーログ”
体質改善のステップとして最初にしてほしいのが、怒りの記録メモ「アンガーログ」です。自分の怒りの傾向やパターンを知るために、イラッとしたら、すぐにメモしましょう。記録することは「いつ、何が起こってどうしたか、怒りのレベル」の3つ。「その場ですぐに書く」「原因や解決策はいっさい考えない」のがコツです。小さいメモ帳やスマホの日記アプリ、自分に対してメールで送ってもOK。まずは1週間トライして読み返してみましょう。
アンガーログを読み返してみると、どういうことに怒りやすいか、怒りにどう対処しているか、対処した結果どうなったかという、怒りのパターンや傾向が見えてくるようになります。
その結果、怒りを根本的に減らして怒りにくい体質へと変わっていきます。
アンガーログから自分の怒りの傾向がわかると、次に同じことが起きても「あのパターンだ」と気づくことができ、怒りに飲まれなくなります。たとえば「自分の予定が狂うと腹を立てやすい」「あせって行動する」「ミスをする」とパターンがわかれば、「予定をゆったり組むようにする」など、適切な手を打って根本的な怒りの原因を減らすことができます。
いかがでしたか? イライラすると自分も気分が悪く、疲れてしまいますし、周囲の関係ない人まで暗い気持ちにさせてしまったりいいことはありませんよね。まずは自分の怒りのパターンを理解してあげることから始めてみて下さい!
文/FYTTE編集部