人間関係の気がかりや脳疲労など、体は疲れていなくても、仕事では何かと疲労感をもつものです。疲労感はストレスとなり、心身をむしばんでしまいます。今回は、内科医で女性専門の疲労外来ドクターでもある工藤孝文先生に疲れを寄せつけない働き方のコツを教えてもらいました。著書『疲れない大百科』(ワニブックス)からご紹介していきます。
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【疲れない働き方1】 文房具は青色でセロトニン効果をGET
疲れない生活をするには、精神の安定や睡眠に深く関わっているセロトニンを充足させることが大切。働く場所は“色”で疲れにくい環境に変えていきましょう。
「色は、私たちの思考や心理、行動に多大な影響を及ぼしています。これは色彩心理学でも証明されていること。特に青色は神経伝達物質のセロトニンを分泌させて、集中力を高める効果があるとされます。仕事中に目にする文房具やデスクトップには青色が最適です」(工藤先生)
逆に、避けたい色は赤色です。赤色は危険を連想して不安感をあおったり、攻撃性をかき立てたりする効果があるのだそうです。
【疲れない働き方2】 左手を使って右脳を活性化!
脳の同じ場所をずっと使っていると疲れに直結します。そんなときは脳からリフレッシュ。
「左脳は主に言語系の情報を、右脳はイメージや情感を中心に非言語系の情報を処理しています。たとえば仕事の企画出しで煮詰まったら、右脳に刺激を与えることができる左手を意識的に動かしてみましょう」
右脳が活性化することで新しいアイデアが浮かびやすくなるそうです。
左手を使うために実践しやすいのが歯磨き。「仕事中に煮詰まったら左手を使って歯みがきをしてみてください。デスクから離れて体を動かすことも体や脳のリフレッシュになり、短時間で右脳を活性化することができます。デスクに戻るころには、新しい解決策が浮かんでいるかもしれません」
【疲れない働き方3】 脳疲労には運動で癒やしホルモンを
現代人はとにかく脳を酷使しがち。体は疲れていないけど脳が疲れていると感じることありますよね。そんなときにはやはり運動です。
「運動は、うつ病を予防したり、改善させたりする効果があることが研究によって証明されています。これは、運動すると癒やしホルモンのセロトニンが分泌されるため。“30 分のちょいキツ運動は一錠の抗うつ薬に匹敵する効果がある”ともいわれています」
現代人は、体を動かさず、脳だけを働かせる機会がとても多いですが、この脳だけが疲れている状態に、人はもっともストレスを感じるそうです。
「逆に体が疲れていても頭が元気であれば、ストレスとは無縁な状態。仕事帰りに頭だけが疲れているなと感じたら、運動で体を動かしてストレスを相殺しましょう。寝る前のナイトランなどは、じつは非常によいストレス解消法です」
仕事では精神のアップダウンを少なくし、脳疲労をとり除くことで、全体の疲労感を少なくできそうです。疲れない働き方で仕事の効率もアップさせていきましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
工藤孝文『 疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える』(ワニブックス)