質のいい睡眠を得るために生活習慣の中で工夫していることはありますか。睡眠に大切な寝室の光や色の情報は快眠や熟眠にとても重要になるそうです。今回は、睡眠コンサルタントの友野なお先生に「色の力で快眠を得るコツ」を教えていただきました。
Contents 目次
熟眠できる空間作りのポイント
人が情報を読みとる際、人間の五感の中でも視覚は87%という高い割合を占めているといわれているため、光や色の情報は寝室空間を整えるうえでとても重要な要素だといえます。光のコントロールが良質な睡眠を得るために重要であることはすでにご存じのとおりです。しかし、色と睡眠の関係は意外と見落とされがち。
じつは、色彩の影響は思っている以上に私たちの体や心にさまざまな影響を与えているのです。カーテンや掛けふとんのカバー、カーペットなど、寝室内の大きな面積を占めるアイテムについてはリラックスできる色で統一することが熟睡できる空間づくりのポイントになります。
例えば、赤い部屋に入ると脈拍・呼吸数・血圧が上昇する一方、青い部屋に入ると、脈拍・呼吸数・血圧が落ち着くといわれています。色に対して体が無条件に反応を起こしているわけですが、私たちは色の情報を視覚から受けとったあと、色に対して筋肉の緊張と弛緩を引き起こしており、この筋肉の緊張度合いを数値化したものを「ライト・トーナス値」と呼んでいます。
薄いピンクやブルーなどのパステルカラーと呼ばれるやさしい色合いはライト・トーナス値が低くリラックスできる色彩ですが、赤色のようなライト・トーナス値が高い色合いは緊張感を高めます。
寝室は1日たまった疲れを最大限癒やしてあげたい場所なので、リラックスできる色合いの空間にしましょう。意外に思われる人が多いですが、真っ白も疲れがとれにくい色であることが明らかになっているので、白系が好きな人はアイボリーや薄いベージュなどを選ぶほうがおすすめです。また、黒系が好きな人は薄めのグレーやブルーなどがよいでしょう。
色に迷ったら、薄いピンクはとてもおすすめ。お母さんの子宮の中にいたころを思い出して心が安らぐといわれています。実際、アメリカの刑務所で無機質な壁をピンクに塗り替えたところ、暴力的な囚人たちが一様におとなしくなったという報告もあるほどです。
暑い夏は薄めのブルー、気持ちが高ぶりやすい人はやさしいグリーンなど、季節や自分の状態に応じたリラックスカラーを寝室にとり入れ、睡眠空間を自分の労るセラピー空間へと変えていきましょう。