地中海食ブームや、美容・健康への関心の高まりなどがあって、人気を集めているオリーブオイル。その効能についてはじつにさまざまな研究結果が出ていますが、新たに「抗炎症作用」を確認する報告がありました。地中海食などを通して日常的にオリーブオイルを食事でとると、体の不調につながる体内の炎症を減らす効果があるようです。
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ポリフェノールに秘められた効果
オリーブオイルには多種多様なポリフェノールが含まれ、このポリフェノールが健康へのメリットをもたらすと考えられています。ポリフェノールは抗酸化作用と抗炎症作用をもつことから注目されているのです。
過去の研究からは、地中海食とオリーブオイルをとると、糖尿病や肥満、心血管の病気などにつながる炎症を減らす効果があるという結果も。そこで、今回、ポルトガルの研究グループが、このようにオリーブオイルの抗炎症効果を調べた過去の研究を集め、まとめて分析。食事のなかでオリーブオイルをとっているグループと、とっていないグループに分けて、血液検査の結果を比べています。抗炎症作用のあるナッツを含まない研究に絞るなど、オリーブオイルの効果を分けて調べられるよう工夫をしました。
摂取するメリットを確認
その結果、わかったのは、日常的に食事でオリーブオイルをとると、炎症が減るということ。血液検査から3種類の炎症の程度を示す「炎症マーカー物質」が減るという証拠が見つかりました。特にオリーブオイルをとった期間が長い(3か月以上)場合、そして心血管の病気や糖尿病がある人の場合に、効果がよく現れていました。また、効果を上げるには、ポリフェノールの多いエキストラバージンオイルを選ぶなど、オリーブオイルの種類が重要になってくるようでした。
研究グループは「オリーブオイルには抗炎症作用があり、食事に使うと効果的」と結論づけています。オリーブオイルはサラダにかけて摂取することも多く、野菜や果物などヘルシーな食材と一緒に効率よくとれることから、積極的にふだんの食事にとり入れるとよいかもしれません。
<参考文献>
Nutrition. 2019 Jul 25;69:110559. doi: 10.1016/j.nut.2019.110559. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31539817