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スマホ安全アドバイザーが教える、 SNSでプライバシーを守る方法

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スマホ安全アドバイザーが教える、 SNSでプライバシーを守る方法

自分の「好き」を発信したり、友人の近況を知ったり、同じ趣味を持つ人とつながったり、さまざまな形で楽しめるSNS。とはいえ楽しみながらも、自分の個人情報やプライバシーが脅かされていると、不安を感じる人も多いのではないでしょうか?

SNSの世界で自分自身を守るためにはどうしたらいいのか? ITジャーナリストでスマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんに教えていただきました。

Contents 目次

主なSNSとその特徴を、あらためてチェック!

そもそも「SNS」とは、「ソーシャルネットワーキングサービス」の略称。人と人とのコミュニケーションを促進したり、ネットワークの構築を支援したりするオンラインサービスのことを言います。まずは現在よく利用されているSNSとそれぞれの特徴について、あらためて鈴木さんに解説してもらいました。

・LINE
「LINEは現在、メッセージツールとして多くの人が利用しています。特徴としては、見知らぬ人ではなく、親しい人や家族とコミュニケーションを取るためのツールであるということ。そもそもSNSに含まれるのか議論されることもありますが、写真などを投稿できる『タイムライン』は、SNSの機能を持っていると言えます」(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子さん、以下同)

・Twitter
「Twitterは、140字以内の『つぶやき』を投稿して共有するサービスです。これまでは『自分の想いをつぶやく場所』という捉え方が主流でしたが、現在は、最新のニュースや電車の遅延情報など、リアルタイムの情報を得るためのSNSになってきています」

・Instagram
「Instagramは写真・動画の投稿に特化したSNSです。2017年に『インスタ映え』という言葉が流行語大賞に選ばれるなど、これまでは特別な一枚を投稿するイメージが強いSNSでした。しかし現在は、24時間で消えるストーリーズ機能やライブ機能が追加されたことによって、『映え』よりも日常のふとした瞬間を投稿する気軽な場所に変わりつつあります」

・Facebook
「Facebookは、プロフィールに実名や顔写真、出身校といった個人情報の登録が必要なSNS。最近の調査では、60~70代がLINEの次に愛用していることがわかっており、以前からの仲間との交流を深めていると考えられます」

・TikTok
「TikTokは、短時間の動画を投稿できるSNS。10代の女子がダンス動画を投稿しているイメージを持つ人も多いかもしれませんが、最近ではメイクやDIYのHow To動画、一発ギャグやモノマネを披露する動画など、多様化しています。AIによるレコメンド機能の性能が良く、ユーザーの多くは『おすすめ』というタイムラインをチェックしています」

知らない間に個人情報が流出!? SNSに潜む危険性とは?

使い方の変化や多様化が見られ、楽しみ方もますます広がるSNS。その一方で、個人情報流出や、プライバシー侵害によるトラブルは、ニュースでもたびたび取り上げられています。

2021年4月、Facebookのユーザー5億3000万人以上の個人情報が、ハッカー向けウェブサイトで閲覧可能になっていたことを、アメリカのニュースサイトが報じました。Facebookによると、ユーザーのスマートフォンから連絡先をインポートする機能を悪用して、プロフィールから情報をスクレイピング(保護されていない公開データを収集すること)されていたと言います。データは数年前のものと見られますが、氏名、生年月日、電話番号を含む個人情報が流出してしまったため、ハッキングへの悪用などが懸念されています。この事件のポイントを鈴木さんに解説してもらいました。

「実は、スクレイピング自体は違法行為ではないんです。そのためこの事件のポイントは、自分が『無難な情報』としてSNSに公開したものが、ハッカーによってデータ活用される可能性があるということ。これはFacebookに限った話ではありません」

自分自身のプライバシーを守るためにできることは?

気付かないうちに自分のプライバシーが侵害されていた! そんなトラブルに巻き込まれないためには、どうすれば良いのでしょうか? 自分自身のプライバシーを守るためにできることを「SNSをはじめるとき」と「SNSを利用しているとき」のそれぞれで教えていただきました。

SNSをはじめるときにできる対策

1. 登録時に表示される文章を読み飛ばさない

SNSを始めるときにはどうしても「早くアカウントを作りたい」という気持ちが先走ってしまいがち。しかし登録時こそ、「自身の情報をどこまで提供するのか」を慎重に考える必要があります。

「表示される文章を読み飛ばして登録を進めていると、『知り合いを見つけやすくします』などと言ってアドレス帳のデータと紐づけさせるなど、自分が持つ情報を不用意にサービス側に提供してしまう可能性もあります。しっかりと確認して、拒否したい場合には『スキップする』『あとで登録する』などを選ぶようにしましょう」

2. アカウントを非公開にする

最近、未成年がInstagramでアカウントを作成する際には、非公開が推奨されるようになったそう。鈴木さんも「非公開にするのはかなりおすすめの方法」だと言います。

「アカウントを非公開にすることで、ある程度自分でフォロワーを選ぶことができるので、個人情報流出の可能性は低くなります。ただ、知らない人とつながることはSNSの醍醐味の一つでもありますよね。『同じ趣味を持つ人とつながりたい』『情報収集したい』など、自分がどうSNSを楽しみたいのか考えて、『どの情報を出してどの情報を隠すのか』ということをあらかじめ決めておくことが大切です」

3. 複数のアカウントを使い分ける(Instagram、Twitter)

特にInstagramとTwitterでおすすめだという複数アカウントの使い分け。その際の注意点も教えてもらいました。

「プライバシーを守りたいけど、SNSならではのコミュニケーションも楽しみたいという人は、メインアカウントは非公開にして、趣味用アカウントはオープンにするなどして使い分けるのがおすすめ。その際に、趣味用アカウントではメインアカウントの人とつながらないようにするなど、境界をはっきりさせて楽しむのが良いでしょう」

SNSを利用しているときにできる対策

1. 写真や動画は投稿前に入念にチェック

たった一枚の写真から自宅や勤務先が特定されてしまうことも。写真や動画を投稿する前に確認しておくべきポイントを教えてもらいました。

「写真や動画を投稿する際には、場所が特定されるものや関係のない人物が映りこんでいないか入念に確認を。写真の場合は、少しでも不安な点はモザイクをかけたり、スタンプで隠したりするようにしましょう。動画の場合は音声をオフにしておくと安心です。

また、店の写真などを投稿するときには、『店を出た後』に投稿するようにしましょう。ただ、自分が行った店の写真を頻繁にアップしていると行動範囲がばれてしまうこともあるので注意が必要。ばれたくない場合は非公開アカウントで投稿するなどして、親しい人だけに見せるようにしてください」

2. タグ付けやコメントに注意!

良かれと思ってタグ付けをつけたりコメントを残したりしたつもりが、他人のプライバシーを侵害する可能性も。自分だけでなく他人のプライバシーを守ることも大切です。

「タグ付け機能を使用する際には、相手の許可を取ることを忘れずに。タグ付けは誰と誰がいつどこにいたという証拠にもなる機能です。トラブルを回避するためにも、あらかじめタグ付けはしないと決めておくのもよいかもしれません。

意外と油断してしまうのが、誰かの投稿に対してコメントをするとき。例えば友人の子どもの写真に対するコメントに、勝手に子どもの名前を出してしまってはまずいですよね。『コメントも不特定多数の人に見られている』ということを忘れないようにしてください」

3. アップデートはこまめに

使い慣れた仕様が変わってしまうことに抵抗があるためか、「若い世代ほどアップデートを嫌がる人が多い」と鈴木さん。

「ただ新しい機能が追加されるときだけでなく、脆弱性が見つかったり、プライバシー保護が強化されたりするときにもアプリはアップデートされます。よく使用するSNSほど、アップデート情報をチェックし、こまめに更新したほうが良いかもしれませんね」

プライバシーが侵害されてしまったときの対処法

できる限りの対策をしていたのにも関わらず、プライバシーが侵害されてしまったらどうすればいいのでしょうか? 対処法についても教えてもらいました。

「自分のある投稿によって個人情報が特定されてしまったり、炎上トラブルになったりしたときには、『アカウント停止』をするのが良いと思います。アカウント停止とは、完全な削除状態ではなく、ユーザー以外からは削除されているように見える状態のこと。この機能を利用して、ひとまず『隠れること』をおすすめします。

そのほか、特定の人から何かしらの嫌がらせを受けた場合には、そのアカウントを通報するようにしましょう。運営側が通報されたアカウントをチェックして、場合によっては削除をしてくれます。

もしもインターネットを離れ、ストーカー被害などリアルでのトラブルに発展した場合には、すぐに警察へ相談するようにしてください」

たとえ非公開アカウントにしたり、あとから投稿を削除したりしても、自分の投稿した写真などを誰かが保存している可能性は十分にあります。『SNSに一度あげたものは消えない』という意識は、常に持っておくことが大切です。

設定を見直して、万全の対策を!

最後に、プライバシーを守るための具体的な設定方法について、特に利用者が多いLINE、Twitter、Instagramの3つのSNSで、それぞれ教えていただきました。

LINE

知らないうちに「友だち追加」されないための設定方法

「LINEは、不特定多数の人から自分のアカウントを知られることはあまりありません。しかし、設定によっては関係のない業者や知らない人と勝手につながってしまうこともあるので注意が必要です」

「設定」→「友だち」を選択すると、上記の画面が表示されます。「友だち自動追加」「友だちへの追加を許可」をどちらもオフにしておくことで、アドレス帳と紐づけされたり、自分が勝手に友だち追加されたりするのを防ぐことができます。

Twitter

不用意に自分の居場所を漏らしていないか、位置情報の設定をチェック!

「ツイートと一緒に現在地を投稿している人をときどき見かけますが、自宅などからツイートするときには注意が必要。あらかじめ位置情報をオフにしておくことをおすすめします」

「設定とプライバシー」→「プライバシーとセキュリティ」を選ぶと上のような画面が表示されます。「正確な位置情報」を「無効」にしておけば、自分の位置を知らせることなく投稿することが可能です。

Instagram

プライバシー侵害につながる可能性のあるタグ付けやコメントの設定を見直し!

「最初は、タグ付けやコメントが誰でもできる設定になっています。フォロワーのみに許可したり、手動で承認したりと、細かい設定が可能なのでぜひ一度見直してみてください」

「設定」→「プライバシー設定」→「投稿」を選ぶと上のような画面が表示されます。自分のタグを勝手に付けられたくない場合には、「タグ付けを許可する人」から設定の変更を! また「タグ付けを手動で承認」をオンにすると、自分のタグが付けられた投稿をその都度確認することが可能です。

アカウントを「非公開」にしているときには「コメント許可の対象」は表示されません。

続いては、自分の投稿に対するコメントを制限する方法です。「設定」→「プライバシー設定」→「コメント」を選ぶと上のような画面が表示されます。この設定では、自分の投稿に対して全ての人がコメントできる状態になっています。

「コメント許可の対象」をタップすると上のような画面に。ここから、自分のアカウントにコメントできる対象を制限することが可能です。自身の使い方にあわせて設定してみてください。

SNSを思いきり楽しむためにも、ぜひ一度自身のSNSの使い方を見直して、プライバシーが守れているかチェックしてみましょう。

Profile

ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー/鈴木朋子
SNSなどスマートフォンを主軸にした身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評があり、入門書の著作は20冊を越える。安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。

GetNaviがプロデュースするライフスタイルウェブマガジン「@Living」

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