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廃棄食材もおいしく食べるのがイタリア流。捨てられる材料もうまく料理してハッピーに♪
今、全世界的に謳われている廃棄食材対策。イタリアでもこれについては多くの人たちの関心を集めています。イタリアにおいて、その第一人者的な存在が、ミシュラン3つ星をもつ一流レストラン「オステリア・フランチェスカ―ナ」のオーナーであり、天才シェフと名高いマッシモ・ボットゥーラ。今回は彼が設立した廃棄食材問題を解決するための非営利団体「フード・フォー・ソウル」と、廃棄食材を利用するレシピの動画配信シリーズ「Why Waste?」を紹介します。
Contents 目次
廃棄食材を使って恵まれない人に一流の料理を――「フード・フォー・ソウル」の活動
ミシュラン3つ星を持つ一流レストラン「オステリア・フランチェスカ―ナ」のオーナーであり、天才シェフと名高いマッシモ・ボットゥーラ。彼は妻とともに発起人となって廃棄食材問題を解決するための非営利団体「フード・フォー・ソウル」を設立し、2015年に開催されたミラノ万博の際、期間中に会場であまった賞味期限切れ間近な食材を使い、世界中からスターシェフを集めて、ホームレスや恵まれない人たちのために無料で一流の料理をサービスするというレストラン「レフェットリオ」をオープンしました。
この企画はリオ・デ・ジャネイロ、ロンドン、パリなど全世界に広がり、最近ではサンフランシスコやジュネーブにも新しい店をオープンさせています。それぞれの店が独自のやり方で地元のスーパーマーケットや市場などと提携し、ボランティアたちの協力を得て、レストランを運営。困窮する人々に食事を提供するだけでなく、アートや料理のワークショップといった文化的なコースなどを行う店もあるようです。それが、廃棄食材対策だけでなく、社会復帰へのきっかけづくりやシェフの養成にも役立っているそうです。ちなみにボットゥーラはこうした社会的貢献が評価され、2020年、 国連親善大使にも任命されました。
そんな彼が最近起こした新しいアクションが、活動廃棄食材を利用するレシピの動画配信シリーズ「Why Waste?(なぜ無駄にするの?)」です。
「Why Waste?」――かたくなったパンがおいしいケーキに!
マッシモ・ボットゥーラは2021年 9月に飲料水メーカー「サンペレグリーノ」とグルメオンラインサイト「ファインダイニングラバーズ」とタッグを組み、廃棄食材を利用するレシピの動画配信シリーズ「Why Waste?」を企画。ボットゥーラ本人と、国際色豊かな彼の右腕的存在のシェフたちがそれぞれのお国柄も生かしつつ、肉の脂や野菜の皮、チーズの端の部分など捨ててしまいがちな部分をうまく利用したレシピや、前日残ってしまったパスタやパン、米を別の料理に変身させるための調理アドバイスなどを動画の中でわかりやすく実演してくれます。
動画の中では、かたくなってしまったパンを使ってケーキを作ったり、昨日の残りもののトマトソースマカロニがパイに変身したり……と創造的なメニューが盛りだくさん。また、ビデオ内にはさまざまな食材の正しい保存の仕方など、食材を無駄にしないためのヒントをレクチャーするコーナーも。
また地球上にいかに廃棄食材が多く、その一方でいかにたくさんの人たちが食糧不足に苦しんでいるかについて、重たく退屈な話にならないよう語るボットゥーラの茶目っ気たっぷりの解説も差しはさまれています。わかりやすい英語で楽しく作られた動画を見ながら、3つ星レストランの味を廃棄食材で作ってみませんか?
公式ウェブサイト
「フード・フォー・ソウル」
「Why Waste?」
取材・文/田中 美貴