ミラノで体感する、イタリア人の恋愛観

イタリアといえば、アモーレの国。アモーレの対象はパートナーだけでなく、家族、動物、見知らぬ人にまでおよび、美しさや可愛さを賛美し合います。南イタリアに比べると数段クールなミラネーゼでさえ、愛情表現は豊かだなと感じます。

恋愛は、生涯現役。体型や年齢に関係なく、堂々と愛し愛されている姿は素敵です。もちろんその分、愛が終わった時の愛憎劇は激しいケースも多いのですが。

恋愛の始まり方も、日本と違ったりします。イタリア語に「デート」「付き合う」という単語がないのも厄介です。相手の本気度を見極めるには、お互いの家族や友達に紹介済みか、同棲や将来の話をしているか、などから判断するケースも。

カトリックの国ならではの結婚観

婚姻率、離婚率ともに日本より低いイタリア。その背景には、カトリックが大きく関係しています。イタリア人にとって結婚、特に教会での挙式は、宗教的な意味合いがとても大きいです。ヴァチカンは現在も離婚や再婚を認めていません。市役所での離婚手続きが面倒ということもあり、カトリック教徒ではないカップルは、事実婚を選ぶケースが多いです。

私の周りにいるカップルの多くが、子育てをしながらちゃんと恋愛もしています。子どもを預けて二人で出かけたり、お互い感謝の言葉や愛情表現を惜しまなかったり、小さな努力を自然と続けているように見えます。「子はかすがい」という意識は薄く、愛が終わったら子供の有無に関わらず別れ、その後は共同親権でルールを決めて子どもを育てていきます。カップルセラピーも一般的で、そこで関係が修復するカップルもいれば、別れを選択するカップルもいます。

最近友人が、子どものクラスメートの父親を好きになり、夫と離婚しました。周りの友人たちの間のリアクションは、子どものことは気遣いながらも「驚いたけれど起こりえる出来事」といった落ち着いたトーンで、個人の自由を尊重するイタリア人の成熟さを垣間見た気がしました。

婚姻率が低いもう一つの理由、それは、イタリア人男性の結婚への躊躇です。まだ遊びたい、マンマの子どものままでいたい、経済力がない、などの理由で彼女との結婚話をはぐらかし、初婚平均年齢は34歳と、他のヨーロッパ諸国に比べてもかなりの晩婚型です。

イタリアのフェムケア事情

イタリアのフェムケアも、日本とかなり違います。まずは、生理用品のバリエーションが多い点。ナプキン以外の選択肢、タンポンや月経カップの種類も豊富で、自分に合ったものを店員さんと相談しながら選ぶことができます。ビデ用ソープもかなりの充実度です。イタリアのバスルームには必ずトイレとは別にビデがついていて、専用のソープとタオルを備え付けます。殺菌力の高いもの、更年期以降の乾燥を改善するもの、pHの高い敏感肌用、ホメオパシー効果のあるものなどがあります。

DR TILI ARGENTO COLL DETERGENTE INTIMO 13.5€(約1,900円／税込)
こちらはスタッフ一押しの、シルバーが配合されたソープ。抗菌・鎮静作用が高く、生理中などの不快感を緩和し、ティーツリーオイルとセージエキスで適度な潤いをキープします。

かかりつけの産婦人科医は強力な味方

思春期以降の私たちの体は、歳を重ねるごとに悩みも変化していくもの。イタリアの女性の多くは、信頼できるかかりつけの産婦人科医がいます。婦人科検診のほか、月経の悩み、避妊、妊活・妊娠・出産、更年期など、生涯にわたって産婦人科医とコミュニケーションを取りながら、体の変化と向き合います。

カトリックで避妊は禁止されているものの、実際イタリアの避妊具の普及率は高く、バリエーションが豊富です。女性が選択できる避妊方法が多く、ピルの服用以外にも、避妊リングや避妊パッチを使っている友人もいます。

「Klaira」は100％自然由来成分でできた、30代から更年期の女性に最適なピルの一つ。低用量ピルにも色々な種類があるので、自分の体に合ったものを、ピル以外の選択肢も交えながらかかりつけの産婦人科医と相談しながら選びます。

PMSや更年期を前向きに乗り切る！

PMSや更年期症状のケアは、ホルモン補充療法やフィトセラピーなどが一般的です。オーガニックスーパー「NATURA Sì」のスタッフが、女性のホルモンバランスを整えるためのハーブティーを調合してくれました。

使ったハーブは、セージ、ローズ、ホーステール、ネトリ、カルカデの5種類。ホーステール（スギナ）はツクシの栄養茎の部分で、歯のエナメル質、髪や爪の栄養となるケイ素の含有率がトップクラスのハーブです。ミネラルの宝庫で、自律神経を整えてイライラやむくみを解消する効果も期待できます。ネトリ(セイヨウイラクサ)は、ビタミン・ミネラル・鉄分が豊富で、浄血作用が高いハーブです。抗アレルギー作用があり、体質改善にも効果的。カルカデは、エジプト産ハイビスカス。古くはクレオパトラも愛飲したと言われています。

イタリア人にとって、愛とは？

アモーレとは？　100人のイタリア人に聞けば、100通りの答えが返ってきそうです。愛情深く、自分自身を愛することが上手なイタリア人。空気を読まなかったりわがままだったりで、振り回されたりムカッとくることは日常茶飯事ですが、不思議と憎めない人たちなのです。

私がイタリアに愛想尽きてお別れするのは、まだ当分先になりそうです…。

文／太田 菜穂

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