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CATEGORY : ヘルスケア |睡眠

夜中や朝方に目が覚めてしまう……朝までぐっすり眠る方法が知りたい!

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4時なのに眠れない女性

なぜか夜中にフッと目が覚めたり、トイレに行きたくて起きてしまうと、「こんな時間に!」「熟睡できなかった」とガッカリします。
生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は朝までぐっすり眠る方法についてうかがいました。

監修 : 小林 麻利子 (眠りとお風呂の専門家)

SleepLIVE株式会社代表取締役。生活習慣改善サロン「Flura」主宰。
公認心理師(国家資格)合格・登録中。
「美は自律神経を整えることから」を掲げ、科学的根拠のある最新データや研究を元に、睡眠に課題を抱える方へ睡眠や入浴をはじめとした、マンツーマン指導を行う。実践的な指導が人気を呼び、 2000名以上もの悩みを解決。また法人向けに従業員健康支援や、 睡眠関連事業サポートのための顧問を行う。テレビやラジオ等多く のメディアでも活躍中。
近著に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)

Contents 目次

 

CASE22
ここ2,3年、夜中にワケもなく目が覚めたり、トイレに行きたくなることが多くなりました。そのまま眠れなくなったり、寝起きが悪くなって困っちゃう。

小林先生のお答え
寝る前に“正しく”入浴! 目が覚めても時計は見ない

40℃の湯に15分入って熟睡する

湯船につかってリラックスしている女性

女性の場合、生理前になると睡眠中に目が覚めることが多いです。これは、体温の上がり下がりのメリハリがなくなって、しっかり眠れていないのが原因のひとつ。生理中に限らず、朝までぐっすり眠るためには、夜の入浴で体の内部の深部体温を一旦上げて、そこから急降下しているときに布団に入るのが一番です。
そのためには夜の入浴をシャワーだけで済ませたり、湯船にチャプンと浸かるだけではダメで、“40℃の湯に15分浸かる”の基本を守って、深部体温をきちんと上げましょう。
ただし、深部体温が下がる前にサッサと寝ついても、逆にかなり時間が経って体温の低下速度が遅くなってから寝ても、途中で目が覚めやすくなる可能性があるので気をつけて。お風呂から上がったら、15~30分ほど洗面室で髪を乾かす+スキンケアをして過ごして、そこから寝室へ直行です。リビングに行ってテレビを点けたり、スマホを見てしまうと、光の刺激から眠りホルモンのメラトニンの分泌が妨げられたり、考え事などで交感神経が高くなって末端の血管が収縮して、深部体温があまり下がらなくなることも考えられます。
入浴後の身支度を終えたら速やかにベッドへ。ゴロゴロストレッチや深呼吸などで過ごせば、入浴後1時間ほどで自然と眠くなるはず。とはいえ気温によって深部体温の下がり方も違うので、就寝時間から逆算して夏は1~2時間前、冬は30分~1時間前を目安にお風呂から上がるようにしてください。
もしも時間がなくてシャワーのみ、“カラスの行水”入浴の場合は、急いでベッドへ!!

時計を見ず、トイレは一旦ガマンを!

夜中に目が覚めてスマホを見る女性

よく「トイレに行きたくて目が覚めてしまった」と言いますが、体の疾患がなければ、じつはコレ、眠りの質が悪くて目が覚めてしまうから、トイレに行きたくなることが多いです。睡眠中は通常、膀胱の尿をためる機能が高くなり、加えて抗利尿ホルモンが分泌されるので、ふつうは尿意を感じません。
ところが、目が覚めて時計を見て「あぁ、起きちゃった」と思うと、意識が覚醒して体温が高くなります。そうすると抗利尿作用が働かなくなって、トイレに行きたくなる。
ですから、目が覚めてしまったときの対策は、まずは時計を見ずに、尿意を無視して寝ること。ちょっと目が覚めたぐらいなら、まだ眠気もあって、もう一度眠りにつくとまた膀胱に尿をためられて、トイレに行かずに済む可能性が高いです(ただし、腎臓や膀胱などに疾患がある方は別です)。
それでも尿意が気になって眠れないなら、できるだけ灯りを点けずにトイレまで行きましょう。真っ暗な部屋で寝ていたのだから、目が暗闇に慣れているはず。それが難しければ、足もとを照らす人感センサー式のライトを利用してみて。トイレの照明はオフのままで、廊下を明るくして少し扉を開けておきます。
あとは、足がひんやり感じたら眠りにくいので、靴下をはきましょう。寝室に戻る前に水をひと口ほど飲んでおくと、血流がよくなって体が放熱するので、また深い眠りに入れます。

ベッドの上でねこと過ごしている女性

また、寝る前まで考え事や仕事、勉強などをしていて、頭が熱くなっている方も、途中で起きる可能性があります。お風呂からあがったら、仕事や勉強、家事はせず、ただただ心穏やかに「うっとり」と過ごすことが大事です。何もしなくても頭でいろいろなことを考えてしまって眠れない……という方は、心は制御しようと思わず、体と心が休まる「行動」を起こしてください。
先述のように、ベッドの上で体を伸ばすストレッチをしたり、呼吸をくり返してみてください。そうすると、高まっていた自律神経の交感神経が抑制され、アドレナリンの分泌が収まり、手足の末端がポカポカと温かくなり、心もリラックスしてきます。行動を起こせば、体が変わり、心も変わるのです。

ぐっすり眠れば年齢なんて関係ない!

朝起きて笑顔でピースサインする女性

年を重ねるにつれて、夜中に目が覚めることが増えますし、深い眠りの時間もだんだん少なくなっていきます。なので、こうしたお悩みは「年齢のせい」ともいえるかもしれません……。
たしかに年齢とともに運動量や脳の活動量が減る方は、眠りの質が低くなることは考えられます。でも大丈夫! じつは深い眠りのときに分泌される成長ホルモンの量は、35歳から70歳まで変わらないという研究があるのです。眠りの質が悪くなって、それに連動して成長ホルモンの分泌量が減るのであって、きちんと日中に活動して、夜は“40℃の湯に15分浸かる”入浴法で深く眠ることができれば、若い女子に負けなぐらいの成長ホルモンが出て、キレイを保てる可能性はあるということですから!

取材・文/宮下二葉

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