今年の花粉の飛散量は、気象情報会社「ウェザーニュース」の予測によると、全国平均で2018年の3倍近くになるといいます。この大量飛散で花粉症にならないために、また花粉症の症状を少しでも和らげるために、効果があるといわれている今話題のスーパーフード「スピルリナ」について、『日本スーパーフード協会』の代表理事の勝山亜唯美さんにお話を伺ってきました。
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スピルリナは「スーパーフードの王様」!
そもそもスピルリナとは、どんなものなのでしょう? 「スピルリナは、約30億年前から存在する藍藻(そうるい)の一種で、古くはアフリカやメキシコのアルカリ塩水湖に自生し、その周辺に住む人々の食用とされてきました。顕微鏡で見るとくるくるとらせん形をしていることから、ラテン語で「ねじれたもの」や「らせん形」を意味する「Spira(英語ではSpiral)」が語源となっています」(勝山亜唯美さん)
「このスピルリナは、じつは30年くらい前から日本でもサプリメントとして知られていましたが、どちらかというとアイスの『ガリガリ君ソーダ味』の青色着色料としてや、抹茶やグリーンの退色防止などに使われてきました。それが食品としてより一層注目されるようになったのは、2009年の第二次スーパーフードブームのとき。アメリカのローフード界のカリスマ、デイビッド・ウォルフが、厳選した10種のスーパーフードを紹介した著書『スーパーフード』の中で、最も重要なものとしてスピルリナが掲載され広まったのです」
「このスピルリナには、アミノ酸バランスにすぐれた植物性たんぱく質が約70%も占めるほか、βカロテンやビタミンB群、食物繊維、現代人が不足しがちなミネラル、不飽和脂肪酸など50種以上の健康・栄養成分がバランスよく含まれ、「スーパーフードの王様」とも呼ばれているほどです」
スピルリナが花粉症に効くメカニズムとは?
花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が原因となって、主にくしゃみや鼻水などのアレルギー症状を起こす病気のことです。目や鼻から入ってきた本来は無害な花粉を、体が異物として認識し、排除しようとすることが原因とわかっています。
「花粉症のメカニズムは、リンパ球が花粉を異物侵入と認識すると、くしゃみやかゆみなどを誘発するIgE抗体がつくられ、目は鼻の粘膜にある肥満細胞と結合します。すると、ヒスタミンなどの化学物質が分泌され、花粉を体から追い出すためにくしゃみや鼻水などの反応が起こるのです」
「一方、花粉を体外に追い出すときに役立つのがIgA抗体です。粘膜中に分泌される抗体で、異物と結合し、体外へ運び出す働きをしてくれます。また、粘膜における免疫力の向上に深く関わり、「粘膜免疫」とも呼ばれています」
スピルリナが花粉症にいい理由は?
「スピルリナが含む豊富な栄養素は、くしゃみやかゆみを誘発するIgE抗体を抑制するように働きかけるうえ、異物と結合して体外へ排出してくれるIgA抗体の活性化をサポートする働きもあります。実際に、スピルリナを1年以上摂取している人の唾液には、IgA抗体が多く含まれていることが研究結果で確認されています」
「しかも、スピルリナには細胞壁がないので、消化吸収率が95%以上もあり、とったぶんだけ栄養になります。ですので、個人差はありますが、1か月くらいで効果が体感できる人もいます。スピルリナは効果が体感しやすいスーパーフードで、花粉症などの不調がある人ほど、体調がよくなるのがわかるはずです。ただし、少なくとも3か月は続けて、体に変化があるかどうか見極めてください」
勝山さんはすでに花粉症を発症している人でも、今から飲み始めれば、症状が軽くなるケースもあるといいます。花粉症に悩んでいる人は、今すぐスピルリナ生活を始めてみては?
取材・文/奥沢ナツ