いよいよ夏本番。食欲がないときや元気を補充したいときにおすすめなのが、グリーンレモンを使った料理です。グリーンレモンとは、実がまだ青い時期に収穫され、初夏(7月〜)の短い期間だけ市場に出回る希少なレモン。ふだんよく目にする黄色いレモンに比べて酸味と香りが強く、さわやかな味わいが楽しめます。おもに瀬戸内海に面した広島県大崎上島で生産され、皮まで安心して使えることから人気が高まっているんです。今回は、レモン農家さんおすすめのレモンのとり入れ方や、グリーンレモンのアレンジレシピをご紹介します。
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「レモン島」の人たちのレモンのとり方
「レモン島」と呼ばれる大崎上島の島民は、平均すると5日に1個のレモンを食べるほどレモンが大好き(2017年2月〜2018年2月に実施された島民90名<61.9歳±10.8歳、男性26名女性64名>を対象にした健康調査による)。全国平均は年間5個なので、じつに15倍ものレモンを食べていることになります※。
大崎上島町でレモン農家を営む岩崎農園・岩崎さんは「大崎上島町の人たちは、レモンを積極的にとり入れています。例えば、レモン果汁をしょうゆさしに入れて常備している家庭も多いんですよ。レモン果汁をお湯やお水、牛乳などに入れて飲んでいます。また、皮ごと使った家庭料理が多く、レモンを丸ごと食べているのも地域ならではの食べ方ではないでしょうか」と話してくれました。
じつは、島民の健康寿命は平均80歳と、全国平均を7歳も上回っています。性別で見ると、男性は全国平均が72.14歳に対してレモン島民は76.4歳と4歳高く、女性は全国平均74.79歳に対してレモン島民は83.7歳と9歳も高い結果が出ているんです。
※USDA「World Markets and Trade」世界のレモン・ライム国別消費量と日本人の人口より算出
出典 全国の健康寿命:第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料
大崎上島町の健康寿命:大崎上島町第Ⅱ期健康増進計画・食育推進計画(平成24年11月)
管理栄養士が直伝!グリーンレモンのレシピ3選
旬のグリーンレモンを手に入れたら、その魅力を存分に楽しまなきゃもったいない! そこで、管理栄養士の渥美まゆ先生に家庭で簡単にできるレシピを教えていただきました。
たこときゅうり、オリーブのグリーンレモンこしょうあえ
グリーンレモンの若々しい香りと酸味、青唐辛子の辛味が見事に融合した「グリーンレモンこしょう」で、いつもの一品がバージョンアップ。青唐辛子にはエネルギー代謝や脂肪代謝の促進効果が期待できる「カプサイシン」が、レモンには疲労回復を助けるクエン酸や風邪予防にいいとされるビタミンCが含まれています。また、タコには内臓機能の疲労回復を助けるタウリンも豊富。まさに「元気になれる」レシピです。
<材料 2人分>
〈グリーンレモンこしょう〉
・グリーンレモン 2個
・青唐辛子 70g
・塩 20g
〈たこときゅうり、オリーブのグリーンレモンこしょうあえ〉
・ゆでだこ 100g
・きゅうり 50g
・ブラックオリーブ(種なし) 2個
・塩 少々
・グリーンレモン胡椒 小さじ2
・グリーンレモン果汁 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ1
<作り方>
(1)グリーンレモンこしょうを作る。グリーンレモンの皮をすりおろす。青唐辛子はヘタと種をとり細かいみじん切りにする。(刺激が強いのでビニール手袋をするのがおすすめ)
(2)(1)と塩を混ぜる。
(3)消毒された瓶に入れて冷蔵庫で保存する。1週間ほど寝かして使ってもおいしい。
(4)ゆでだこときゅうりは薄切りにする。きゅうりは塩をふって5分程置き水気を絞る。オリーブは輪切りにする。
(5)(4)に(3)を加えグリーンレモンの果汁、オリーブオイルを加えてあえる。
グリーンレモン風味の鶏のからあげ
グリーンレモンとオリーブオイルを合わせた「グリーンレモンソース」は、イタリアンドレッシングのような味わい。レモンに含まれるフラボノイドには、脂質の代謝を改善する働きがあるのだそう。また、糖や脂肪の代謝にかかわる善玉ホルモン「アディボネクチン」も、レモンを摂取することで増加するという報告があります。ビタミンCが不足しがちな揚げものは、グリーンレモンとの組み合わせでバランスよく楽しみましょう。
<材料 2人分>
・鶏もも肉からあげ用 300g
【A】
・酒 大さじ1
・グリーンレモン皮のすりおろし 大さじ1/2
・グリーンレモン果汁 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
【B】
・片栗粉 大さじ2
・薄力粉 大さじ3
〈ソース〉
・グリーンレモン皮のすりおろし 大さじ1
・グリーンレモン果汁 大さじ1
・塩 ひとつまみ
・こしょう 少々
・オリーブオイル 大さじ1
・ フリルレタスなど添え野菜 適量
<作り方>
(1)鶏もも肉からあげ用は(A)で15分以上漬ける(長時間漬けることで繊維がやわらかくなりふっくら感がアップ!)。
(2)(B)を混ぜて(1)にまぶし、180度に熱した油で揚げる。
(3)ソースの材料を混ぜ合わせる。(2)を添え野菜と器に盛りつけソースをかける。カリッと食べたい人は食べる直前にソースをかけましょう。
グリーンレモンカード
バゲットにジャムやクリームのようにたっぷり塗って食べると、口の中いっぱいにグリーンレモンのさわやかさが広がります。パンケーキやフレンチトーストのソースなど、ほかのスイーツとの組み合わせもおすすめ。甘いものを楽しみながら、美肌効果やリラックス効果が期待できます。
<材料 2人分>
・ グリーンレモン 2個
・ 卵 2個
・ グラニュー糖 100g
・ 無縁バター 100g
・ レモン果汁 40g
・ バゲットなど 適量
<作り方>
(1)レモンは皮のグリーン部分をすりおろし、半分に切って果汁を絞る。バターは湯煎で溶かす。
(2) 卵はボウルに入れて溶きほぐし、グラニュー糖を加えて混ぜる。(1)のレモン果汁も入れてさらに混ぜる。
(3) (2)を80度くらいの湯煎で温め固まらないように5分ほどヘラで混ぜ、とろみがついてきたら(1)のバターとグリーンレモンの皮を混ぜる。とろみは少しもったりするくらいが目安。ななかなか固まらない場合には、温度を少し上げる。
(4)(3)をザルでこす。こしたあとにグリーンレモンの皮を加えてもOK。
(5)消毒した瓶に詰めて粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。お好みでバゲットやパンケーキなどにつける。
どのレシピでも、グリーンレモンは皮をすりおろしたあとで十字に切り、皮を下にして絞るのがポイント。こうすることで、残った皮もキレイに使えるだけでなく、絞り汁に香りが移って香り高いレモン汁になります。
グリーンレモンが見つからない場合は、市販のレモン果汁でも代用できます。料理にもスイーツにも積極的にレモンをとり入れて、疲れを吹き飛ばしましょう。
文/渡辺裕希子