鏡を見るたびに気になる顔のたるみ。セルフケアをしても、なかなか改善されず、「年齢のせい…」とあきらめている人も多いのでは? でも、じつは「顔のたるみの原因は、姿勢の悪さにあります」とパーソナルフェイストレーナーの木村祐介さん。そこで、顔がたるまない姿勢の作り方を木村さんに教えてもらいました!
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背中が丸いと筋肉がゆるみ、顔がたるむ
顔のたるみは、筋肉がゆるむことでおきると木村さん。
顔には表情を作る、表情筋と呼ばれる筋肉があります。この筋肉がゆるんでたれ下がると、まぶたが重たく見え、フェイスラインが崩れてたるんだ顔の印象に。
「表情筋は、額の筋肉にぶらさがるように存在しています。そして、額の筋肉は、背中やもも裏など、体の背面の筋肉とつながっています。たれ下がった表情筋を引き上げ、たるみを予防・改善するには、この体の仕組みを利用するのが効果的。
背すじをまっすぐ伸ばすことで、額の筋肉が背中側に引っ張られ、表情筋がグッと引き上がり、たるみのない顔に。反対に、背中が丸まった猫背の姿勢を続けていると、背中や額の筋肉がゆるみ、表情筋が下へ下へと下がって、たるみを助長させてしまうのです」(木村さん)
額と体の背面の筋肉をつなげているのは「筋膜」。筋膜は筋肉を包んでいる組織で、全身に網目状に張り巡らされています。
「筋膜には、いくつかのグループがあり、同じグループ内の筋肉は、いわば運命共同体のような存在。それぞれの筋肉が連続的に影響し合っています。これらのグループのうち、表情筋に作用する額の筋肉につながるのが、体の背面を通る“バックライン”と呼ばれる筋膜グループです」
バックラインの始まりは、足のつま先。そこから、足裏、ふくらはぎ、もも裏、背中、首、後頭部を通り、額までつながっています。
「バックラインの起点となる足のつま先は、筋膜を活性化させるスイッチ。つま先に体重をのせてつま先重心にすることで、バックラインの筋膜のスイッチがオンになり、続く表情筋を活性化。ピンとハリのある若々しい顔を手に入れることができます」
つま先重心になり、背面の筋膜スイッチをオン!
つま先重心の姿勢の作り方をご紹介します。
◇立ち姿勢
(1)両足の間に、手の拳1.5個分程度のスペースを作り、両足を並行にそろえる。その状態で、つま先に体重をのせる。
(2)つま先に体重をのせながら、つま先から体を離すイメージで上方に伸び上がり、つま先の上にお尻の下がくるようにする。
(3)背すじを伸ばし、胸を引き上げてバックラインの筋膜を活性化。
<木村さん’s Voice>
左右のかかとを寄せると、つま先重心ではなく、かかと重心になってしまうので気をつけましょう。
◇座り姿勢
(1)イスに浅めに座る。足のつま先を床に立て、床を軽くこするように、つま先を手前に引く。
(2)イスの座面横に両手をおき、手でイスを押しながらお尻を軽く浮かせて座り直す。
(3)背すじを伸ばし、胸を引き上げてバックラインの筋膜を活性化。
<木村さん’s Voice>
(2)で座り直すことで、つま先からの筋膜の刺激をお尻で止めずに、上半身につなげることができます。
背面の筋膜を活性化させる立ち姿勢、座り姿勢の体の感覚を覚えておきましょう。その状態を維持しながら日常動作を行うことで、継続的な筋トレができ、必要な筋肉を育成。たるみのない美顔をキープできるようになりますよ。
デスクワーク中やイスから立ち上がるときに、ぜひ試してみて!
次回は、木村流美顔メソッドによる目の下のたるみ解消法を伝授します。
取材・文/野口美奈子