まだまだ肌寒い日が続き、温泉が恋しい季節。中には、「子どもと温泉に出かけたい」「小さな子どもでも入れる温泉を探している」という人もいるのではないでしょうか? そこで今回は、温泉療法専門医である早坂信哉先生に、小さな子ども連れの温泉利用のポイントや赤ちゃんの温泉デビューに関するお話をお聞きしました!
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小さな子どもにおすすめ! マイルドな「単純温泉」とは?
小さな子どもを連れて温泉に行きたいけれど、どんな温泉に行けばいいの? 何才から温泉に連れて行ってもいいの? と迷うことはありませんか?
「温泉に連れていける年齢に関して、入浴剤の記載によると通常は生まれて3か月から大丈夫と言われています。しかし、温泉と言うと入浴剤を入れるよりもはるかに濃いお湯になるので、個人的には少なくとも生後6か月目以降がいいのではないかと思っています」(早坂先生)。
ただ、生後6か月以降ならどんな温泉でもいいというわけではありません。じつは、子どもが入れる温泉を選ぶポイントのひとつに「泉質」というものがあります。
「小学校に入る前の小さなお子さまにおすすめなのはマイルドな泉質の温泉です。マイルドな温泉の筆頭に挙げられるのが“単純温泉”で、全国でいちばん多い温泉と言われています。単純温泉と言うと、1種類だけそういった泉質のものがあるのかな、と思うかもしれませんが、そのほかの泉質に分類されない療養泉のことを単純温泉と言います」(早坂先生)。
単純温泉と言っても、硫黄のニオイのするものもあれば、塩のたくさん入った塩化物に近いような単純温泉など、さまざまなものが含まれます、と早坂先生。いずれにしても、何か特別な成分が突出して多いというわけではなく、やわらかいやさしいお湯というのが単純温泉の特徴なのだとか!
「単純温泉に次いでおすすめなのが食塩が入っている“塩化物泉”と “硫酸塩泉”という温泉です。
塩化物泉と硫酸塩泉は、かなり似通った双子の兄弟のようなイメージの泉質です。いずれも皮膚の表面に温泉の成分が付着するので保温効果が高く、刺激もそこまで強いものではありません。ちなみに、硫酸塩泉をマネして作ったのが一般的によく売られている粉末状の入浴剤です。
どちらの泉質も肌ざわりがよく非常にマイルドですが、極端に濃度の高いものになると体に刺激となってしまうので、できれば等張性温泉(だいたい体の成分と同じくらいの濃さの温泉)や、低張性温泉(比較的薄めの温泉)あたりを狙って入浴していただくのがいいかと思います。また、皮膚の汚れをとったり肌がスベスベになったりする“炭酸水素塩泉(重曹泉)”なんかもおすすめです」と、早坂先生。
泉質については公式のホームページや、温泉の脱衣室に掲示されていたりするので、こちらをしっかりと確認しておきましょう。
温泉の「液性」や「温度」にも注意が必要!
また、注意すべきポイントとしてほかにも「液性」というものがあります。
「酸性、アルカリ性が強いと皮膚の刺激はもちろん、子どもの場合は温泉で水を飛ばして遊ぶ子もいるため、跳ねた水が目に入るとそれが刺激になってしまいます。ですので、おすすめなのは目に入っても問題のない中性の温泉。いずれも、酸性泉、アルカリ性泉をさけることがポイントです。
高張性のものになると人の体液よりも濃く、たとえば海水が目や鼻に入ってしみるのは海水が高張性だからなのだとか。小さな子どもと温泉に行く際には、高張性の温泉は避けるようにするとよさそうです。
また、温泉の温度についてはぬるめがいいでしょう。温泉は自宅のお風呂と比べてかなり温まりの効果が高いです。子どもは温度の影響を受けやすく、体温も上がりやすくなるので、大人が少しぬるいと感じるくらいの温度が適しています。具体的には、38度くらいの人肌程度の温泉がおすすめです」(早坂先生)。
そしてもうひとつ大事なことは、温泉では子供から目を離さないということ。温泉などの浴場では子どもの事故が意外と多いです。浴場は音が響き、大人も気づかないうちに事故が起きてしまう場合もあるため、そういった点に気をつけて入浴するようにしましょう。最近では、ベビーバスを用意しているような温泉もあるので、そのような設備の整った温泉に行くと安心して入浴できるのではないでしょうか。
また、自宅のお風呂より汗もたくさんかくので、入浴前後に水分補給を忘れずに行いましょうね!
いかがだったでしょう? 子どもの温泉選びにはいくつか注意すべきポイントがありますが、ぜひ早坂先生に教えていただいたポイントを参考に、家族で温泉を楽しんでみてください!
【提供元:Voicy】
参考:小さなおこさま連れの温泉利用のポイント
そのほか、今回の記事参考元、「赤ちゃんの温泉デビューはいつ?」の放送を聞くには【Voicy】へ
文/FYTTE編集部